第8話 それぞれの戦い(脚本)
〇外国の田舎町
「魔物を倒せーーッ!!」
「平和を手に入れろーーッ!!」
魔法使い「何? あれ?」
勇者「ハイキング⋯⋯」
勇者「じゃないわよね?」
僧侶「戦争でも始まるのかな?」
〇原っぱ
「魔物を倒せーーッ!!」
「平和を手に入れろーーッ!!」
〇荷馬車の中
リヴァル「確認しておく」
リヴァル「俺達の目的は『聖樹の花』⋯⋯」
宮廷魔術師「その最後の花弁ですね」
リヴァル「そう⋯⋯ 魔の森にある可能性は低くない」
宮廷魔術師「まず民兵達を誘導し、森の動物達を始末する」
リヴァル「だが所詮は一般人だ。あまり期待はしない方が良い」
宮廷魔術師「そこで我々の出番、と」
リヴァル「ああ。だが火炎系の魔法は使用するなよ」
リヴァル「花が燃えてしまっては元も子もない」
宮廷魔術師「強力な魔物が控えている可能性は?」
リヴァル「先日の街の襲撃で数は少なくなっている筈だ」
リヴァル「十分対処出来るだろう」
宮廷魔術師「森の攻略が完了したら⋯⋯」
リヴァル「状況次第だ」
リヴァル「俺達も一旦、民兵と一緒に帰っても良いし、」
リヴァル「そのまま留まって花の捜索をしても良いだろう」
宮廷魔術師「木を隠すなら森の中⋯⋯」
宮廷魔術師「骨が折れそうですね⋯⋯」
リヴァル「時間はいくらでもある」
リヴァル「魔物を一層してしまえば、な⋯⋯」
〇霧の中
〇大樹の下
ライム「また迷っちゃった⋯⋯」
???「これはこれは⋯⋯」
ベーコン「また会ったな、面白きスライムよ⋯⋯」
ライム「ブタさん!?」
ベーコン「一度ならず、二度も⋯⋯」
ベーコン「これは奇縁である」
ベーコン「で、今回はどうした?」
ライム「実は⋯⋯」
〇大樹の下
ベーコン「⋯⋯そうか」
ベーコン「それは辛い決断だった」
ライム「きっと、ぼくがニンゲンだったら⋯⋯」
ライム「あんな事には、ならなかったと思うんだ⋯⋯」
ライム「ぼくがスライムだから⋯⋯」
ベーコン「スライムだからこそ、成し得た事もあるだろう」
ベーコン「それは余りにも悲観である」
ライム「そう⋯⋯ なのかなぁ?」
ベーコン「うぬはスライム。これは事実である」
ベーコン「しかしそれを言い訳にしてはならぬ」
ライム「言い訳⋯⋯」
ベーコン「うぬには、うぬにしか出来ん事もあるだろう」
ライム「ぼくにしか出来ない事⋯⋯ ?」
ライム「そんな事⋯⋯ わかんないよ⋯⋯」
ライム「きっとぼくがダメな奴だから」
ライム「もっと⋯⋯」
「!?」
ライム「何?」
ベーコン「森がざわめいている⋯⋯」
ベーコン「面白きスライムよ」
ベーコン「早く森へ帰った方が良い」
ベーコン「これは嫌な予感である」
〇貴族の部屋
リン(最低だ⋯⋯ 私⋯⋯)
リン(ライムは何も悪くないのに⋯⋯)
リン(それどころか助けれくれたのに⋯⋯)
リン(街を守ってくれたのに⋯⋯)
リン(全部の罪を被せて⋯⋯)
リン(私、何も出来なかった⋯⋯)
リン(何が世界一強いお姫様よ⋯⋯)
リン(たかがスライム一匹守れないで⋯⋯)
リン「たかが?」
リン「そうか⋯⋯」
リン「私、ライムの事をそんな風に見てたんだ⋯⋯」
リン「本当に最低だ⋯⋯」
侍女「失礼します」
リン「何?」
侍女「これを⋯⋯」
リン「手紙?」
侍女「私の部屋に置いてあった物です」
侍女「恐らくライム様が書かれたものかと⋯⋯」
リン「ライムが?」
リン「字が汚すぎて全然読めない⋯⋯」
侍女「私もです。でも⋯⋯」
侍女「ほら、ここ⋯⋯」
リン「リ、ン⋯⋯?」
侍女「恐らく、リン様へ向けたラブレターかと」
リン「ラブ、レター⋯⋯」
侍女「覚えたての字で⋯⋯」
侍女「手もないですから、口にペンを咥えて書いたのでしょう」
〇古い本
〇貴族の部屋
リン「ライムぅ〜⋯⋯」
侍女「どうなされますか?」
リン「どう、って⋯⋯」
侍女「殿方からラブレターを頂いたのですよ?」
侍女「『お返事』をしませんと!」
リン「⋯⋯!」
リン「そう、ね⋯⋯」
リン「そうよ。そうだわ!」
リン「ライムに言わないと⋯⋯」
リン「ちゃんと伝えなきゃ⋯⋯」
侍女「その通りです」
リン「馬を用意して!」
リン「それから戦支度も!」
侍女「万端です!」
〇西洋の城
リン(待っててね、ライム⋯⋯)
リン(今度は、私が貴方を助ける番!)
〇ヨーロッパの街並み
店主「姫様! 待ってくれ!」
店主「ライムの所に行くんだろ?」
店主「これを持って行ってくれ!」
リン「キャベツ?」
店主「あいつの好物なんだ」
リン「知らなかった」
リン「確かに。預かったわ」
リン「必ず渡します」
看板娘「ライムちゃんをお願いします」
リン「任せておいて」
〇森の中
〇霧の立ち込める森
ゴリラ「大変! 大変ウホーーッ!!」
ダチ「どうしたんだよ、騒がしいな⋯⋯」
オオカミ「人間達が襲ってきた!」
ダチ「なっ!?」
〇けもの道
「殺せ! 殺せーーッ!」
「みんなの仇だーーッ!!」
〇原っぱ
ライム「急げ! 急げ!!」
ライム急げーっ!
メイドさんが実は強いのはお約束ですねw
リヴァルはもっと平和的な交渉ができなかったんでしょうかね……(知的な悪役好きw)
ベーコン再登場が嬉しい☺️
そして不穏な雰囲気が!
姫様が自分の思いに気付きライムを追いかける展開がなかなか熱いですね。
ライムが手紙をお口で書いたというシチュも愛おしい🥰
さて本編の方もお邪魔します〜
いよいよお話も大詰めですね〜!
ベーコンの再登場、嬉しいですね
そして口で書いたラブレター、健気可愛いですね💕