第十二涙 決戦(脚本)
〇後宮の一室
佐須良(さすら)(・・・瑚蓮・・・ 戻って・・・来ぬな・・・)
「佐須良!!!!!!!!」
佐須良(さすら)「うおっ!? どうした!?」
菖(しょう)「大変よ!!!!!! 瑚蓮が連れ攫われたわっ!!!!!!」
佐須良(さすら)「何ッッッ!!!?」
〇謎の施設の中枢
瑚蓮(これん)「・・・ん・・・?」
瑚蓮(これん)(・・・? 柩の中で・・・? 花まみれ・・・?)
瑚蓮(これん)「・・・私・・・ ・・・確か・・・? ・・・捕まって・・・?」
瑚蓮(これん)「・・・ここ・・・ どこ!?」
紫苑(しおん)「あ、起きてる・・・」
紫苑(しおん)「おはよ 気分はどう?」
瑚蓮(これん)「・・・ここはどこ?」
紫苑(しおん)「クククッ・・・ ここは・・・冥界の・・・ ボクの部屋・・・っていうか? ボクの秘密基地」
瑚蓮(これん)「・・・冥界?」
紫苑(しおん)「ここなら・・・誰にも邪魔されないからね」
瑚蓮(これん)「ここに連れて来てどうする気!?」
紫苑(しおん)「まぁまぁ・・・そんなに殺気立たないでよ」
紫苑(しおん)「これからずっと・・・一緒に暮らすんだし・・・ 仲良くしようよ?」
瑚蓮(これん)「・・・前にも言ったけど・・・ あなたに堕ちるつもりはないわ!」
紫苑(しおん)「・・・瑚蓮はさぁ・・・ 佐須良が好きなの?」
瑚蓮(これん)「えっ!? ど、どうして!?」
紫苑(しおん)「ふーん・・・ 図星なんだ・・・」
瑚蓮(これん)「あ、あなたに関係ないでしょ!?」
紫苑(しおん)「・・・関係・・・あるよ? だってボク・・・ 瑚蓮の事 好きだからね」
瑚蓮(これん)「!!!!?」
紫苑(しおん)「好きな子が・・・ 誰を好きかって・・・ 一大事じゃん!」
紫苑(しおん)「・・・ねぇ? 佐須良なんてやめてさ・・・ ボクと一緒に暮らそうよ」
紫苑(しおん)「・・・大事にするよ?」
瑚蓮(これん)「・・・あなたは・・・ 『愛』というより・・・ 『固執』って感じがする・・・」
瑚蓮(これん)「・・・どうして? ・・・どうして私に固執するの?」
紫苑(しおん)「この冥界にはね・・・ 閻魔が統べる『命の灯火』があるんだ・・・」
紫苑(しおん)「最初はさぁ・・・ 『キレイだなぁ』って思ったんだ・・・」
紫苑(しおん)「『欲しい』と思った」
紫苑(しおん)「一目惚れしたんだよね・・・ 『キミの魂の灯火』に・・・」
瑚蓮(これん)「一目惚れ・・・?」
紫苑(しおん)「・・・で、キミは何気なく小さい頃・・・ ボクの棲む祠に花を供えたんだよ・・・」
瑚蓮(これん)「あ、それは・・・!」
紫苑(しおん)「・・・憶えてないくらい些細な行為だったと思うけど・・・」
紫苑(しおん)「その日はボクの誕生日だったんだよねぇ・・・」
瑚蓮(これん)「!?」
紫苑(しおん)「・・・最初で最後の贈り物・・・ 嬉しかったなぁ・・・」
瑚蓮(これん)「・・・私は・・・何も・・・ そんなつもりは・・・」
紫苑(しおん)「・・・そんなつもりはなくても・・・ ボクにとってキミは・・・ 『愛しい』対象になったんだよねぇ・・・」
紫苑(しおん)「ねぇ?瑚蓮? 佐須良なんてやめて・・・ ボクを選んでよ?」
瑚蓮(これん)「・・・あなたは・・・ 私の事知ってても・・・ 私は・・・まだ・・・ あなたの事知らない・・・」
紫苑(しおん)「付き合ってから、知って行けばいいじゃん!」
瑚蓮(これん)「ま、まずは・・・ お友達から始めよう?」
紫苑(しおん)「え・・・やだなぁ・・・ 恋人から始めようよ?」
〇豪華な王宮
閻魔(えんま)「・・・ふぅ・・・ ・・・どうしたものか・・・」
閻魔(えんま)「ん?」
夕顔(ゆうがお)「閻魔ッッッ!!!!!! 失礼するッッッ!!!!!!!!」
閻魔(えんま)「天界の者が・・・ゾロゾロと・・・ 何の用だ!?」
夕顔(ゆうがお)「そちの息子、紫苑が 瑚蓮をこの冥界に連れ去ったと・・・ 報告があった!!!!!!!!」
閻魔(えんま)「何!?」
夕顔(ゆうがお)「天界は今まで冥界に不干渉だったが・・・ そちの息子らの行き過ぎた行動を 我らもこれ以上 黙って見過ごす訳には行かない!!」
夕顔(ゆうがお)「これは天帝からの書状だ!」
夕顔(ゆうがお)「瑚蓮を保護した後・・・ 萱草は東の蒼山へ 紫苑は西の幽山へ」
夕顔(ゆうがお)「禁錮五百年の刑に処す!!!!」
〇謎の施設の中枢
紫苑(しおん)「・・・思ったより・・・ 早くに・・・来たな・・・」
天界の兵士「紫苑!!!! ここにいるのはわかっているぞ!!!! 扉を開けろッッッ!!!!!!!!」
瑚蓮(これん)(これは逃げるチャンス!!!!)
紫苑(しおん)「アイタッッッッ!!!!!!!?」
瑚蓮(これん)(今だっ!!!!!!)
瑚蓮(これん)(えっと・・・さっき紫苑はこの扉から入って来たから・・・ 何かスイッチ押しちゃえ!!)
瑚蓮(これん)「あ!開いた!!!!!!」
「瑚蓮ッッッ!!!!!!!!」
瑚蓮(これん)「佐須良!! 菖さん!!!!」
紫苑(しおん)「また邪魔しに来やがって・・・ しつこいなぁ・・・」
佐須良(さすら)「それはこっちの台詞だ!!」
菖(しょう)「天界は、もうお前に容赦はしない!!!! 観念するんだな!!!!!!」
紫苑(しおん)「観念するのは・・・どっちかなぁ!?」
紫苑(しおん)「さぁ!! ボクのかわいい屍鬼達・・・ 遊んであげなよ?」
「お前らの相手は我らがするッッッ!!!!!!」
菖(しょう)「瑚蓮!! 今の内に逃げるぞ!!」
瑚蓮(これん)「う、うん!!」
紫苑(しおん)「待てよ!! 逃げるなよ!!!!!!」
佐須良(さすら)「紫苑!!!!!! そなたの相手は我がするっ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「佐須良ァア!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「どうして・・・どうして・・・!! どうしてどうして!!!!!! 瑚蓮はオマエを選ぶんだよぉ!!!!!?」
佐須良(さすら)「瑚蓮の気持ちを考えずに!! 己の気持ちだけぶつけるそなたには・・・ 瑚蓮は一生振り向かんッッッ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「・・・じゃあ、オマエは違うって言うの!?」
佐須良(さすら)「我も最初は・・・自分の事しか考えてなかった・・・!! ・・・だが!!今は違うッッッ!!!!!!!!」
佐須良(さすら)「瑚蓮に寄り添いたいと!!!!!! 強く願っている!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「・・・それは・・・ ボクがしてあげるから!!!!!! アンタは諦めて引き下がりなよ!!!!!!」
佐須良(さすら)「断るッッッ!!!!!!!! 瑚蓮は我が大事にする!! その役目は誰にも譲る気はないッッッ!!!!!!」
佐須良(さすら)「そなたこそ!!!! 諦めるんだなッッッ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「ぐっ・・・・・・!!!!!!」
紫苑(しおん)「・・・クソッッッ・・・!!!!!!」
佐須良(さすら)「さぁ・・・その罪・・・ 償ってもらうぞ!!!!」
〇太子妃の御殿
瑚蓮(これん)「夕顔ー!!!! 夕顔・・・どこに行ったのかしら?」
瑚蓮(これん)「わわっ!!!!!?」
夕顔(ゆうがお)「ナイスキャッチです!! 瑚蓮さま!!!!」
瑚蓮(これん)「もう!夕顔!! 肉まん、投げないでよ!?」
瑚蓮(これん)「わわっ!!!!!?」
菖(しょう)「ナイスキャッチね! 瑚蓮!!!!」
瑚蓮(これん)「──・・・って!! 菖さんまで!!!!」
「怒らない♪怒らない♪」
瑚蓮(これん)「もうっ!!!!」
菖(しょう)「それよりも・・・こんな所でグズグズしてていいの? 佐須良が待っているんじゃない?」
瑚蓮(これん)「夕顔にちょっと帰りが遅くなるかもって・・・ 伝えようと思って・・・」
夕顔(ゆうがお)「佐須良と一緒なら、朝帰りだってオッケーです♡」
瑚蓮(これん)「・・・よ、夜までには帰って来るから!!」
〇池のほとり
佐須良(さすら)「・・・」
???「佐須良ー!!!!」
瑚蓮(これん)「ごめん!! 待ったよね!?」
佐須良(さすら)「いや・・・気にするな! それより準備は出来たか?」
瑚蓮(これん)「うん!!」
佐須良(さすら)「では!!行こう!!」
佐須良と紫苑の一騎打ち、意地と意地、執愛と執愛の正面衝突ですね……愛が重い😭
後半になるにつれて出番と存在感が増した夕顔さん、今回もまたイイ所で活躍してくれましたね😊
遂に紫苑が裁かれる展開!
バトルシーンにのめり込みました。
サスラとコレン良かったね✨
大円満なラスト〜かと思いきや、もう1話あったんですね🤭
甘々な展開に期待です!