ホラー短編集

雨夜トリ

赤く燃える(あゆみ編)(脚本)

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〇体育倉庫
  私は、ゆかりと同級生だった。
???「やめてよ!」
ゆかり「あゆみちゃん、大丈夫?」
あゆみ「え、ええ・・・」
  私は、彼女と一緒にいじめを受けていた。

〇体育倉庫
あゆみ「きゃあああ!!!」
あゆみ「ひっ、火が・・・!」
ゆかり「・・・あゆみ、逃げて」
あゆみ「何言ってんの!一緒に逃げるのよ!」
ゆかり「私は、ここにいる」
あゆみ「どうして!?」
ゆかり「私はもう、30年前からここにいるの」
あゆみ「!!?」
あゆみ「一体・・・どういうこと・・・」
ゆかり「あゆみが話しかけてくれて嬉しかったぁ」
ゆかり「あたしはここにいて平気だから。 先に逃げなよ」
あゆみ「わっ、わかった! 必ず後で合流しよう!」
ゆかり「・・・」
ゆかり「あとで、ね」
  そのまま私は、
  ゆかりと合流することはなかった。

〇体育倉庫
  ・・・なのに
あゆみ「今さら何の用なの!?」
ゆかり「20年ぶりの再会なのに、冷たいね」
あゆみ「私の生徒に付き纏わないで!」
ゆかり「えー?あの時会えなかったから怒ってるの?」
あゆみ「あの時は、あなたのことを一人の人間だと思っていたし」
あゆみ「何があっても、一緒にいじめられても、仲間だと思ってた・・・」
あゆみ「けど本当は違ってた」
あゆみ「いじめられてたのは私一人だった」
ゆかり「あははは!!!そうだよねぇ!!!」
ゆかり「すごく滑稽だったよ、何かに取り憑かれたみたいで」
あゆみ「・・・!」
あゆみ「とにかく、私と同じ目に遭わせないで!」
ゆかり「いいよ」
あゆみ「・・・!」
ゆかり「今日の放課後・・・」
ゆかり「体育館倉庫の外から、火がついた紙を投げて」
あゆみ「・・・!」
ゆかり「それで儀式は終わる。 あの日を繰り返すことで」
あゆみ「本当に、それであなたが消えてくれるの?」
ゆかり「ええ、そうね」
あゆみ「・・・」
あゆみ「分かったわ」
  あの日を終わらせるためなら・・・

次のエピソード:赤く燃える(ゆかり編)

コメント

  • えっ、コレって……
    先のかすみ編が、また違った色彩で物語が見えてくるのですが……恐ろしく思うのと共に、この構成には感服です!

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