華やかなバトルロイヤル②(脚本)
〇アパートの中庭
「わーわー キャハハハー」
バタバタバタバタ
カレンの母「龍牙さんのご実家で雇っていただいて、 本当に、ありがとうございます」
家政婦「いえいえ、こちらこそ。 来ていただけて、嬉しゅうございます」
龍牙「部屋もたくさん余っておりましたから、 気兼ねなく」
カレンの母「お手伝いさんの仕事、なんて言うけれど、名ばかりで」
カレンの母「立派な家政婦さんも既にいらして、 素敵なお食事、お部屋も豪華で。 こんなにしていただいて、いいのかしら」
家政婦「いいんですよ、ゆっくりなさって」
カレンの母「ワタシ、何かできることをしますわ! させてください!」
カレンの母「お世話になりっぱなしで 心苦しいですわ・・・」
家政婦「いいんですのよ。 龍様に言われておりますので」
龍牙「これは俺の実家だ、存分に過ごして欲しい。 今まで頑張って働いてきたのでしょう?」
カレンの母「ありがとうございます。 頑張って、というより できることをしてきたら、 今に至った感じですわ」
カレンの母「ワタシは病気をキッカケに もう無理はできないと思って 看護士の仕事を辞めることにしました」
カレンの母「でも習慣でしょうか、 なにかしていないとダメなんです」
家政婦「では、軽いお庭のお手入れと お裁縫などをお手伝いいただきましょうか」
カレンの母「スミマセン、ありがとうございます!」
ケイ「あのねー、 学校にみんなで行って 手続きしてきたの!」
メイ「来週から通うの!」
龍牙「そうか、よかったな」
メイ「あのね!もうお友達もできたの!」
カオリ「こんにちは!ワタシはカオリ!」
カレンの母「あら!?いつの間に?」
家政婦「あぁ、コチラの敷地の一部が、 児童養護施設になっておりましてね。 色々な事情の子ども達が住んでいるんですよ」
龍牙「少しでも楽しんでもらえるように 定期的にプロレスの興行もしています」
カレンの母「そうなのですか。 素晴らしいお心に感じ入ります」
龍牙「いずれカレンさんの試合も コチラで見られるでしょう」
カレンの母「・・・」
カレンの母「スミマセン、何から何まで」
龍牙「いいえ、自分本位かもしれませんが、 俺のためにも、むしろ させてください!」
カレンの母「ありがとう。カレンや、あなたの試合を 見るのを楽しみにしています」
カレンの母「主人はアナタをライバルとして、 いましたけれど、 切磋琢磨した「仲間」だと言ってましたわ」
カレンの母「これだけは言えるのですが 主人の性格からして、 アナタを恨むことなんて、ありませんわ」
カレンの母「どうぞお気になさらずに・・・」
龍牙「ありがとうございます」
カレンの母「ワタシは カレンのためにも 離れることを決意しました」
カレンの母「ワタシがいると 彼女はきっと甘えてしまいます。 自立してほしいのです」
カレンの母「見守っていてくださいね、 龍牙さん」
龍牙「はい。 こちらこそよろしくお願いします」
〇カフェのレジ
山浪タケシ「ふぅ・・・」
立花クララ「ターケシ!珍しいじゃんこんな所で! どしたの〜ため息なんて ついちゃって!」
山浪タケシ「あぁ、クララか・・・ 試合に負けたから、悔しくてさ。 気分でも変えられたらと」
立花クララ「この間の試合〜? 高槻ハヤテくんとだっけ? 調子悪かったの?」
山浪タケシ「いや、そんな事なかった。 はずなんだけど・・・」
山浪タケシ「原因がわからなくてな。 アイツとは同期なんだけど なんか勝てなくてさ」
山浪タケシ「因縁ていうかさ。 練習試合のトラウマがあるのかもしんねえ」
立花クララ「恐怖の新人鬼合宿! 8割の人が、脱落するっていう!」
山浪タケシ「そうだよ。 その練習試合時にアイツに フォール負けしてから 苦手意識があってさ」
立花クララ「でもあの地獄の合宿を耐え抜いた精鋭なんでしょ! すごいじゃん!」
立花クララ「もう気にしないの! 今日はプリン奢ってあげるから、 次の試合で頑張ればいいじゃん!」
立花クララ「必須アミノ酸! 糖で筋肉増強! 良質なタンパク質!」
立花クララ「たまには身体を休めて甘やかして また絞りなよ!」
山浪タケシ「・・・お前はメンタル強いな。 なんでなん?」
立花クララ「なんでだろね〜? クヨクヨしても強くなんないし! 楽しくやりたいもん!」
山浪タケシ「へえ〜 じゃあ、スペシャル卵プリンくれ!」
立花クララ「スペシャル卵プリンふたつ! お願いしまーす!」
店員「はい!かしこまりました!」
どうぞ〜
ありがとうございます〜
山浪タケシ「アリガトな、クララ」
立花クララ「えへへ〜! どういたしまして〜 頑張ってね!」
山浪タケシ「ああ、じゃな」
山浪タケシ「今度は俺のカッコいい姿を 見せてやるからな!」
タケシはクララと
コツン!と、拳を合わせた。
立花クララ「バイバ〜イ!」
立花クララ「・・・」
立花クララ「ワタシの乙女ゴコロ、 あいつには わっかんないだろなぁ〜」
紫藤マホ「セ〜ンパイ! 見ちゃった〜!♥」
立花クララ「えっ!今の見てた!?」
紫藤マホ「見てた見てた〜!」
立花クララ「ナイショにしておいて!」
紫藤マホ「もちろん! 女子は「恋愛御法度」!の規則がありますし!」
紫藤マホ「でも〜条件がありますけど・・・」
立花クララ「どんな?」
紫藤マホ「ワタシ次の試合、どうしても勝ちたいんです!」
立花クララ「次の試合って・・・」
紫藤マホ「そう、女子対抗バトルロイヤルです!」
立花クララ「全員でリングで戦って フォールされた人から脱落形式のアレよね?」
紫藤マホ「そうです!アレです! ワタシ、絶対に!勝ちたいんです!」
紫藤マホ「勝たないと・・・ レスラー辞めさせられちゃう!」
立花クララ「どうして?」
紫藤マホ「ワタシ家族に反対されつつ、 上京してきたんですけど」
紫藤マホ「これに負けたら、故郷でお見合いすることになってしまったんです」
立花クララ「そうなの?」
紫藤マホ「もともと、学校を卒業したら そうしろと言われていて それに反対して出てきたんです!」
紫藤マホ「ワタシ、人の言いなりになんて なりたくない! 自分の世界は自分のモノだもの!」
紫藤マホ「今度の試合、 婚約者を連れて親が見に来るのです!」
立花クララ「そう。 じゃあ、ワタシに提案があるんだけど 乗らない?」
紫藤マホ「提案?」
立花クララ「そう、私達が勝つためのプラン」
紫藤マホ「ワタシ「達」?」
立花クララ「そうよ。 ちょっとこっちで話しましょ!」
紫藤マホ「はい」
〇車内
ブロロロロー
ヨーコさん「それはできないわ、お母さん」
母親「そんなこと言ったって。
お母さんからもお願いよ。」
ヨーコさん「お母さん、私にはそのつもりがないのよ。わかって」
お母さん
「御子神さんにも申し訳ないわ。
アナタが迷惑かけているのよ。」
ヨーコさん「それは仕方がないわ、 もともとウチの問題だもの」
ヨーコさん「ワタシこれから試合なの。 じゃあ切るわね」
お母さん「ちょっと、」
ブッ
ヨーコさん「ふぅ」
バタン
〇コンサートの控室
試合前、控え室にて
立花クララ「やっほー!マサコ! ご機嫌いかが?」
レディマサコ「良いわけ無いじゃない。 だって相手はあの御子神カレンよ!」
レディマサコ「絶対負けられないし!」
レディマサコ「勝ってアイドルの座を 奪い取るのだから!」
レディマサコ「ワタシもこうみえても 乙女だもん! 勝って龍牙さんも!ワタシのものに!」
龍牙さん、
あのたくましい筋肉美・・・
レディマサコ「龍牙さん! アナタを御子神カレンの魔の手から ワタシが救ってみせるわ!」
立花クララ「へえ〜そうなんだ。 あの龍牙さんをねぇ・・・」
レディマサコ「あのって何よ!」
立花クララ「龍牙さんねぇ、 昔、ヨーコさんと 付き合ってたって知ってる?」
レディマサコ「ええ!?なにそれ!? どうして!龍牙さんが!? 詳しく教えてよ!!!」
立花クララ「ウフフフ。 試合に勝ったら教えてあげるぅ〜 じゃぁねえ〜」
レディマサコ「ええー!ちょっと〜!」
レディマサコ「どういう事?」
バタン
ヨーコさん「おはようございます」
レディマサコ「あの、ヨーコさん。 聞きたいことがあるんですけど」
ヨーコさん「なあに?」
レディマサコ「風の噂で龍牙さんと付き合ってたって聞いたんですけど、 本当ですか?」
ヨーコさん「誰が行ったのかしら? まぁなんとなく検討はつくけど・・・」
ヨーコさん「付き合ってたって程でもないわ。 少しお世話になったことがあるだけ」
レディマサコ「お世話?」
ヨーコさん「ええ、付き人みたいなものよ。 詳しくは話せないけど。 代表に言われてね」
ヨーコさん「別に恋愛的とか 特別な関係ではないわ。 それだけよ。」
ヨーコさん「じゃあ、試合で」
レディマサコ「・・・」
パタン
レディマサコ「なんか、怪しいなぁ」
〇格闘技リング
わーわーわー
ジャガードマスク「・・・」
ジャガードマスク!
復帰からの連戦連勝!
勢いがとどまる所を知りません!
松永「いきますよ!」
ジャガードマスク!松永をロープに飛ばしたー!
跳ね返った松永を
スーパーラリアットで決める!
松永起き上がれない!
ジャガードマスク!
相手を頭上に持ち上げてからのー!
パワーボム!
これは効いたか!
そのままフォール!
1!2!3!
カンカンカンカンカンカン!
ジャガードマスク!
ジャガードマスクの勝利です!
さすが強い!
ジャガードマスク!
往年の貫禄を見せました!
ジャガードマスク「・・・」
ジャガード!ジャガード!
ジャガードマスク「がぉぉおおお!」
出ました!ジャガードの雄叫び!
〇格闘技リング
本日の〜
メインイベント〜!
おおーっと!ここで
井上代表がマイクを握ります!
カレン「代表!」
ヨーコさん「シッ、よく聞きなさいカレン」
井上ナオト「みんな!よく聞け!」
井上ナオト「静粛に!これは、 これからのユニットを組ませる メンバーを決めるための試合である!」
わーわーわー!
カレン「えー!ユニット!?」
バトルロイヤル形式で!
勝ったものから
ジブンのユニットを構成する
仲間を選ぶ権利をやろう!
善と悪、アイドルとヒールの戦い。
チーム戦への始まりだ!
カレン「チーム戦・・・」
勝利したものが!
真のヒロインになるのだ!
〇格闘技リング
レディマサコ「はぁーい♡ みんなおまたせー!」
わーひっこめー!
わーわー
レディマサコ「うるさいわね!」
バシーン!
立花クララ「今日もノリノリじゃん! マサコ!最高!」
レディマサコ「あの子になんか 絶っっ対に負けないんだから!」
紫藤マホ「頼もしい〜」
〇格闘技リング
カーーーーーン!
立花クララ「いーい?打ち合わせどおり・・・」
「せーの!」
スパーン!
ジムのお姉さん「きゃー!」
ジムのお姉さん(ワタシ急遽参戦したのに、 もう終わり・・・?)
バタッ
南アナウンサー「おおーっとハリセン攻撃! レフリー見ていない!」
立花クララ「この調子でどんどん行くわよ!」
ヨーコさん覚悟!
サッ
ヨーコさん「そんな子供だまし!」
ヨーコさんの
ジャンピングエルボー!
紫藤マホ「くっ」
ヨーコさん「あっ」
がッ
後ろから羽交い締めにした!
立花クララ「ほら!彼女を後ろから 押さえてるうちに早く叩くのよ!」
ヨーコさん「させるかぁ!」
立花クララ「キャッ」
おおーここで
ヨーコのスリーパーホールド!
ガッチリ決まっている!
これは、苦しい!
立花クララ「く、くく・・・」
バタッ
ヨーコさん「フッ」
紫藤マホ「クララさん!」
ヨーコさん「たいしたことないわね、 ちゃんと技でワタシを倒しなさい!」
ヨーコさん「ハッ」
レディマサコ「おらー!」
ボンバーマサコの
フライングボディアタック!
ヨーコさん「うぐぅ!」
ずずーん
レディマサコ「ワタシに勝とうなんて、10万年早いわ! たとえヨーコさんでもね!」
紫藤マホ「つ、強い・・・」
〇球場の観客席
マホの父親「・・・」
マホの父親「すまないね、 こんな所へ連れてきてしまって」
マホの婚約者「いえ、僕が望んだのですから」
〇格闘技リング
レディマサコ「ふん!」
紫藤マホ「ま、マサコさん!」
レディマサコ「受けなさい!」
紫藤マホ「キャッ!」
おおーっ
マサコ、担ぎ上げて!
場外への!飛行機落とし!
レディマサコ「とりゃー!」
紫藤マホ「キャー!」
〇球場の観客席
マホの父親「・・・」
紫藤マホ「キャッ!!!どいてー!」
マホの婚約者「わー!」
ぎゅうううう〜
紫藤マホ「な、ナイスキャッチ・・・」
マホの婚約者「どうも・・・」
紫藤マホ「キャッ!お父さん! しっかりして!」
マホの父親「・・・」
〇格闘技リング
わーわーわー
ひっこめー消えろー
ビシッ!
レディマサコ「ざっけんなオラー!」
ビシィッ
床を叩く竹刀の音が鳴り響く!
レディマサコ「マイク貸しなさい!」
ガッ
南アナウンサー「あっ!」
おおーっと!
レディボンバーマサコ!
放送席からマイクを奪っっったー!
レディマサコ「御子神カレン!よく聞きなさい!」
レディマサコ「ワタシは! あなたに宣戦布告する!」
ひっこめー!
やられろー!
罵倒と怒号がうずめく場内。
カレン「マサコさん・・・」
レディマサコ「ワタシはアナタを倒して! 欲しいものを手に入れるのよ! 自らの力で!」
負けるなカレンー!
がんばれー
アイツを倒せー!
カレン「ワタシも負けられないの! パパの敵を倒すまで!」
レディマサコ「そう!私はアナタの敵よ! かかってらっしゃい!」
レディマサコ「ゴング!」
カーーーーーン!
マイクを投げ捨てると
カレンに向かって飛び出した!
レディマサコ「とりゃああー」
マサコの
ダイビングヘッドバット!
これは危険な技!
まともに食らったら再起不能!
カレン「わわっ」
かろうじてかわした!
レディマサコ「私の技をかわすなんて!」
カレン選手を捕まえて
ヘッドロック!
わーわーわー
カレン「ぐっ 抜けない・・・苦しい」
カレン・・・リキんではダメだ。
柔は剛を制す。
カレン「そうよね、パパ」
スルリ
レディマサコ「えっ」
カレン選手!
柔らかい物腰で
ヘッドロックから外れました!
レディマサコ「そんな・・・」
カレン「こっちの反撃よ! ええい!」
カレン選手の得意技!
ロープを生かしたドロップキック!
レディマサコ「くっ」
からのクローズライン!
マサコ選手、思わず転倒した!
レディマサコ「うぅ」
そのままフォール!
1、2、ス・・・
おーっと起き上がった!
レディマサコ「すぐには、負けられないわ!」
スッ
レディマサコ「悪の矜持! 見せてやるわ!」
カレン「キャッ」
ビシッビシッ!
マサコ選手!
竹刀を拾い上げカレン選手を
叩きのめす!
卑怯だ!これは卑怯だ!
おおーっと!
これにはレフリーもカンカンだ!
マサコは、やってないと知らんふり!
何も持ってないとアピール!
カレン「イタタタ」
レディマサコ「わたしはね!アナタに言いたいのよ!」
レディマサコ「いつも!いつも!そう! なんでアナタばっかり優遇されるの! ズルいじゃない!」
カレン「優遇だなんて・・・そんなこと」
レディマサコ「アナタは、どれだけ自分が恵まれてるのかきづかないのね」
レディマサコ「それはお父さんの力なの!? お父さんがリングで亡くなったから、可愛そうで!っで!」
レディマサコ「いつまでそれを言う気なの! もうアナタのパパは、いないのよ!」
カレン「うっ」
レディマサコ「残酷!? ワタシは冷徹な悪人だもの! 何度でも言うわ!」
レディマサコ「なによ!おとうさん!お父さんて! お父さんじゃなくて!」
レディマサコ「アナタは、あなたでしょ! アナタは!あなたなのよ! 貴方自身なのよ!」
レディマサコ「そんなもので!龍我さんを! 苦しめないで!」
レディマサコ「ワタシはヒールだわ! でもワタシはワタシの矜持を持ってる!」
わーわーわー
ひっこめー
きえろーうるせー
レディマサコ「誹謗中傷なんかに負けやしない! 悪の美学よ! ワタシは!負けられないのよ!」
レディマサコ「ワタシが龍我さんの呪いを解いてみせる! あなたの!呪いを!」
カレン「マサコさん・・・!」
カレン「それを言うなら、 ワタシにも矜持があるわ!」
カレン「ワタシの父は偉大だった! だからこそ!あなたなんかに 父の名を汚すことは許さない!」
カレン「ワタシはパパの血を引く 勇者なのよ!アナタに負けやしない!」
カレン「うりゃあああー」
〇格闘技リング
担ぎ上げた!トップロープ!
レディマサコ「ええー!」
カレン「おりゃーーーーー!」
ズズーン!
決まったー!
空中パイルドライバー!
カレン「フォール!」
ワン!ツー!
スリー!
カンカンカンカンカンカン!
やりました!カレン選手!
バトルロイヤルを制覇しました!
カレン「勝った!」
〇球場の観客席
凄い歓声です!
スタンディングオベーション!
スポンサー「おい!」
スカウトマン「はっ なんでございましょう!」
スポンサー「あの子は誰だ!」
スカウトマン「御子神カレンと申すそうです」
凄い歓声です!御子神カレン!
今までこんな事あったでしょうか!
素晴らしい決め技の勝利に
ファンが増しています!
スポンサー「違う! そっちじゃなくて あの悪人側の・・・」
スカウトマン「レディボンバーマサコさんですか」
スポンサー「そうだ! アイツを全面的にサポートしろ! 悪の頂点に立つにふさわしい!」
スポンサー「悪の限りを尽くさせてやるのだ! ワシが求めていた理想だ!」
スポンサー「良い子マジメ面した アイツラにひと泡 吹かせてやれ!」
スカウトマン「オーナー・・・」
スポンサー「ワシはあの子に惚れたわ! ワッハッハ!」
ひっこめー
わーわー
スカウトマン「承知しました」
〇更衣室
紫藤マホ「ワタシ!感動しました! アナタについていきます!」
レディマサコ「そ、そう?よろしくね!」
〇屋敷の門
カレンの母「カレン・・・ ゴメンなさい、こんな悪い母親で」
カレンの母「でも、アナタにできることは、 何でもするわ。親ですもの。 そうでしょうアナタ・・・」
〇更衣室
カレン「スヤァ」
ヨーコさん「ほら、こんな所で寝ないの! まったく・・・」
ヨーコさん「よいしょ、案外重いんだから」
〇廊下の曲がり角
ヨーコさん「あっ龍牙!ちょうど良かった!」
龍牙「ん?」
ヨーコさん「この子寝ちゃったのよ。 宿舎まで連れて帰ってくれない?」
龍牙「ん?あぁ」
龍牙「よいしょ」
ヨーコさん「後よろしく。 あと・・・」
ヨーコさん「ウチの母がうるさく言うかもしれないけど、相手にしないでね。 じゃ、また明日」
龍牙「あぁ、じゃあな」
カッカッカッカッ
龍牙「さてと」
〇組織の宿舎
カレン「スヤスヤ」
龍牙「よっぽど疲れたんだな」
龍牙「・・・」
カレンを抱える腕のぬくもりが
龍牙を刺激する。
カレン「んん・・・」
龍牙「・・・」
ガッ!
カレン「ぐ、くぅー」
龍牙「はっ、」
龍我はカレンを強く抱きしめていた。
龍牙(いかん。 俺は・・・)
カレン「むにゃ・・・」
ぎゅっと抱きしめた龍我。
カレンの頭を、なでなでする。
龍牙(俺は、この子が好きなんだろうか・・・ こんなに年が離れ ライバルの大事な娘さんを)
龍牙「ごめん、ゴメンな・・・」
カレン「スヤスヤ」
〇本棚のある部屋
カレン「スヤスヤ」
龍牙(だとしても、 彼女にとって迷惑なだけだ。 俺だけが想っていればいい事だ)
龍牙(どんなことがあっても オレが守るからな)
龍牙「おやすみ、カレン」
パタン
カレン「・・・?誰か?」
カレン「きのせい?」
カレン「スヤスヤ」
カレン「・・・」
〇黒背景
つづく