【一話】ご報告があります【大失敗】(脚本)
〇屋上の隅
・・・
誰かから、必要とされたかった・・・
〇黒背景
ドサッ──
〇ビジネス街
キャァぁぁ
誰か!、救急車を!
・・・ザワザワ
・・・ガヤガヤ
〇黒背景
2023年7月、僕は死んだ。
はずだった
〇病室
主人公「・・・」
主人公「・・・・・・?」
主人公「生きてる・・・?」
気づいた時、僕はベットの上に寝かされていた。
主人公「・・・あれ。僕は屋上から・・・」
看護師「小川さん。目は覚めましたか?」
主人公「・・・あ、はい」
看護師「それは何よりです」
看護師「詳しい説明は後ほど主治医の方からさせて頂きますから」
看護師「今は、とにかく安静になさっていてください」
主人公「えっ、あのー・・・」
主人公「僕は・・・生きてるの?」
看護師「はい。一命を取りとめています」
主人公「・・・本当に?」
看護師「はい」
主人公「あの高さから、飛び降りて・・・?」
看護師「詳しい説明は後ほど主治医の方からさせて頂きますが、小川さんは生きています」
主人公「異世界に転生してるとか、そういうこと?」
看護師「えーと・・・すみません。私そういうアニメには詳しくないので」
主人公「あの、勇者になっているとか。魔法使いになってるとか・・・」
看護師「・・・多分、そのままだと思います」
主人公「じゃあ、・・・僕は小川悠のまま、ってこと?」
看護師「それは間違えなく。あなたは小川悠さんです」
〇病室
看護師はきっぱりとそう言って、病室から出ていった。
どうやら僕は、生きているらしい
〇大きい病院の廊下
主人公「・・・参ったな」
主人公「どうすんだよ。これから」
主治医の説明は、簡潔だった
12階から地面に向かって飛び降りたはずの僕は
横風に流されて、奇跡的に防火水槽へダイブしたらしい
主人公「身体中、痛いし・・・」
結果、僕は鞭打ちと打撲と骨折を負った
全治は三ヶ月ということだった
主人公「貯金もないし・・・仕事もないぞ」
主人公「死んでるはずだったのにな」
〇大きい病院の廊下
幸か不幸かはわからないが、僕は何故か生き伸びていた
そして、確実に不幸なことが一つ──
僕は、もう社会的に死んでいた
それを知ったのは退院する前日のことだった
〇病室
主人公「面会の予定・・・?」
看護師「はい。小川さんに会いたいという方がいらしています」
主人公「僕に?」
看護師「ええ」
〇病室
心当たりが、全くなかった。
僕の怪我を心配するような人間がこの世にいるとは思えなかった
そして、僕の予想通り
病室には、全く心当たりのない人間が入ってきた。
〇病室
女子高生「あの・・・」
女子高生「本当にすみませんでした・・・」
主人公「・・・」
女子高生「本当に、何とお詫びしていいか・・・」
主人公「・・・あの」
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こんばんは!切り口が斬新で続きが気になりました!
何だか現実世界にもリンクするような少しシリアスな内容でこれから何が起こるのか、怖いけど見たくなります🙌
タイトルを見て、とある4コマ漫画のオマージュかと思いながら読んでみると、これはまたヘビーな第一話で!マイナスからの人生リスタート、続きがとても気になります!
なるほど、確かに今のところは、後味悪いコメディですが、この状況をいかにひっくりかえすか、気になります。社会派的になるのか、最後の最後に笑う展開になるか。タイトルも意味深ですね。