#7 ハイド&シーク(脚本)
〇部屋の扉
「どうぞ」
舘マモル「ドッペルゲンガー!?」
舘マモル「アタシが2人────!?」
〇地球
???「そう、私は遥か未来の宇宙から」
???「私を守るためにやって来た私」
???「つまり、マモルよ!!」
〇貴族の部屋
???「なーんちゃって♪」
???「マモちゃんの再現率、オニ高くね?」
舘マモル「ヒビキね!?」
響スイ「あったり〜」
舘マモル「おっ、驚いた」
舘マモル(女装男子ワッショ〜イ♥)
響スイ(何故か悪寒が?)
舘マモル「それにしても」
舘マモル「私の変装まで出来るなんてね! しかもそのワンピースは・・・?」
響スイ「街田刑事に返す前に、着てみたくてね」
舘マモル「それは不法侵入な上に窃盗でしょう!」
響スイ「マアマア、聞いてよ」
響スイ「俺は細身だからワンピースは着れたけど」
響スイ「やっぱり女の子のハイヒールは小さいね」
響スイ「爪先しか入らなくて、踵が入れられないんだ」
響スイ「コレで歩くと、踵を引きずるからヒールマークがつくんだよね」
響スイ「だから、踵とヒール部分をガムテープでガッチリ留めてみたんだけど」
響スイ「足跡はどうなっているか、あのライトで見てほしいんだ」
舘マモル「まさか・・・」
舘マモル「!!」
舘マモル「踵の跡が無いわ!」
舘マモル「そうか、足のサイズが大きいと、 つま先立ちでしか歩けない」
舘マモル「踵が浮いて跡が付かないのね!」
響スイ「マモちゃんの足のサイズは?」
舘マモル「23.5センチよ」
響スイ「あのハイヒールはマモちゃんには大きかったから、」
響スイ「犯人は24センチ以上の足のサイズの持ち主だね!」
舘マモル「アナタ、もしかして足跡の検証のために私に変装を?」
響スイ「ずっと気になっていたんだ」
響スイ「このハイヒールの踵の無い足跡と」
響スイ「ワンピースに刺繍されたOKARIKAの文字がね」
舘マモル「まさか、シノグのお姉さんが、 この事件に関係しているとか?」
響スイ「その考えもアリだけど、もっと考えられるのは・・・」
響スイ「ナナコさんだ。 ゴメン、出るね」
響スイ「え」
響スイ「エリザが目を覚ました!?」
〇ラブホテルの部屋
九条エリザ「ウウウ」
響スイ「エリザさん?」
九条エリザ「許・・・して」
九条エリザ「ゴメ・・・ね」
九条エリザ「・・・オカリカ」
九条エリザ「・・・!?」
九条エリザ「ココは・・・ヒビキ? 私は一体・・・」
響スイ「フフ」
響スイ「やっぱり」
響スイ「マモちゃんに反応したのは、あのワンピースを着ていたからだと思っていたよ」
響スイ「知っていたんだね」
響スイ「オカリカを」
舘マモル(エリザはオカリカを知っている)
舘マモル(しかも、『許して』とは?)
〇黒
〇ラブホテルの部屋
九条エリザ「私、3日間も意識が無かったんですか?」
舘マモル「話せるまでに回復して良かった」
舘マモル「人によっては」
舘マモル「3週間ほど意識が無くなるケースや」
舘マモル「そのまま御臨終になるケースもあるのよ」
舘マモル「ラッキーだったわね!」
九条エリザ「・・・」
九条エリザ「何も思い出せません」
舘マモル(シャンデリアの件もあるから、記憶が無いフリをしている可能性もあるわね)
舘マモル(今すぐに、オカリカとの関係を問いつめるのは止めよう)
舘マモル「まだ、意識が戻ったばかりで記憶が混濁しているのかもしれないわ」
舘マモル「今は、できるだけゆっくりして下さい」
舘マモル「落ち着いたらまた、伺います」
九条エリザ「あの、刑事さん」
九条エリザ「イチルロ・・・じゃなくて、西園寺タイコには会えますか?」
舘マモル「タイコ? ・・・今は会わない方が良いわ」
九条エリザ「そうですか」
舘マモル(自分と同じく、首を絞められて意識不明になっているなんて聞いたら)
舘マモル(混乱させてしまうからね)
響スイ「ねえ、ちょ〜っといいかな?」
九条エリザ「生ヒビキ・・・尊い!」
響スイ「──いま、最初に言いかけた」
響スイ「『イチルロ』って、何のこと?」
九条エリザ「あ、えと・・・『イチルロ』はタイコのSNSでのユーザーネームです」
九条エリザ「西園寺の『西』の文字って、分解すると」
九条エリザ「漢数字の『イチ』とカタカナの『ル』と『ロ』に見えませんか?」
響スイ「まあ、そう見えなくもないかな」
九条エリザ「それで、『イチルロ』なんです」
九条エリザ「ちなみに私の場合は、九条の『九』」
九条エリザ「『条』の上がカタカナの『タ』と『メ』に似ているのと漢字の『木』の組み合わせだから」
響スイ「『クタメキ』ということ?」
九条エリザ「当たり!」
九条エリザ「私たち推し友仲間は、名前の言葉遊びでお互いを呼んでいたんです!」
響スイ「へええ。 それ面白いね!」
響スイ「俺なら郷と音の組み合わせだから、『ゴウオン』でどう?」
九条エリザ「強そう♥」
響スイ「戦隊ヒーローみたいでイイネ♪ 改名しようかなあ〜ッ♥」
九条エリザ「ゼッタイ、ヒビキはヒビキの方が良いよ〜♥」
舘マモル「名前の言葉遊び・・・オカリカとエリザは、ヒビキの推し友だとしたら?」
〇黒
舘マモル「アアッ!!」
舘マモル「剛力キョウカは・・・あの人と同一人物だということ?」
舘マモル「だとしたら、Petロスは・・・」
舘マモル(どうしよう)
舘マモル(恐ろしいことに気付いてしまった)
舘マモル(でも・・・まだ確信では無い)
目眩がする
動揺・怒り・混乱
舘マモル「感情に支配されるな、マモル」
舘マモル「バラバラに見える点を拾い集めて、線を結ぶのよ」
でも──だとしたら
私は、Petロスを捕まえることが出来るの?
〇屋敷の書斎
菜七子(ナナコ)「失礼します。 朝食、こちらに置いておきますね」
舘マモル「・・・」
街田シノグ「マモル」
街田シノグ「マモルってば!」
舘マモル「な、何よシノグ。 何時からそこに?」
街田シノグ「5分前くらいね」
街田シノグ「朝から資料と、1日中睨み合いをしているけど」
街田シノグ「ゴハンくらい食べなさいよ〜!」
舘マモル「後で食べるわよ」
街田シノグ「だからあ、 後って何時なのよ?」
街田シノグ「そのサンドイッチ、朝からずーっと置いてあるじゃない!」
舘マモル「今、何時?」
街田シノグ「20時よ」
街田シノグ「いい加減にしなさい。 身体壊しても良いことないわよ!」
舘マモル「プッ」
舘マモル「まるでオカンね」
舘マモル(もし)
舘マモル(私の考えが確かならば、シノグが事件に関わっている)
舘マモル(ストレートに聞くべき? それとも・・・)
街田シノグ「また難しい顔しちゃって!」
舘マモル「Petロスとキョウカが繋がっていたとしたら」
舘マモル「Petロスがキョウカを恨んで殺害した理由は何かしら」
舘マモル「ヒビキの匂わせに反発したツイートをして」
舘マモル「余計に騒ぎを大きくしたことへの制裁?」
街田シノグ「ったく、アンタは」
街田シノグ「それが分かるまで、何も喉を通らないのね!」
街田シノグ「残念ながら、これ以上ヒビカシたちから引き出せる話も無いし」
街田シノグ「ココから出る手段も無い」
街田シノグ「4日後に脱出したら、改めて帳場を立て直して出直すしかないわ」
街田シノグ「場合によっては、知能犯専科の捜査二課に流しても良い案件かもね」
舘マモル「それだけは嫌よ」
舘マモル「この事件は捜査一課が・・・いえ、」
舘マモル「私が請け負ったヤマなのよ!!」
舘マモル「私が必ずキョウカの無念を晴らす!」
街田シノグ「マモル」
街田シノグ「あまり死者に感情移入するのはどうかと思うわ」
街田シノグ「タダでさえアンタはあの事件以来、情緒が──」
舘マモル「止めて」
舘マモル「それ以上は言わないで」
街田シノグ「ゴメン」
舘マモル(シノグは優しい)
舘マモル(バディを疑わなきゃならない自分に、嫌気がする)
舘マモル(でも、私が動かなきゃ、この事件は終わらない)
舘マモル「ねえシノグ」
舘マモル「ワンピースに刺繍があったのだけど」
舘マモル「オカリカって、シノグのお姉さんのリカさんの名前よね?」
街田シノグ「刺繍?」
街田シノグ「そんなの・・・知らなかったわ」
舘マモル「リカさんて、苗字はオカさんなの?」
舘マモル「シノグの苗字と別姓なのは、何か理由があるの?」
街田シノグ「リカは・・・家が双子を嫌悪する家だったから、」
街田シノグ「小さい頃に親戚の家に里子に出されたのよ」
街田シノグ「ずっと従姉弟として認識はしていたのだけど」
街田シノグ「成人と同時に父に打ち明けられて、驚いたわ」
舘マモル「それは驚くわね! まるでドラマよ」
街田シノグ「お互いアイドルヲタクだったから話はしていたけど」
街田シノグ「事実は小説よりも奇なり・・・! というヤツよ」
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やっぱりシノグ犯人なんですかね〜💦
(大体遅れてやってくる人が犯人という可能性😅)
だとすると動機が気になりますね。
物語の紐が解けていくと思ったら最後に盛大にこんがらがってしまいました。
え、じゃないの?でも嘘つきそうだし、でもそっちの展開も全然ありそうだしうわーーーん😭😭😭
もう分からない事だらけで闇の中を彷徨っています。ポンコツ推理力が憎い😭😭😭😭😭
タイトルの頭文字…気づきませんよ!
漢字からカタカナ変換、面白いですね。犯人も無事しぼられて…と思ったら待ってくれヒビキの謎??それは完全に想定外です。
誰?誰とかあるの?
グラデーションと文字を使ったスチルもきれいに決まってますね。次も楽しみです。