4 面接(脚本)
〇研究施設のオフィス
数カ月後、俺達のアウトドア作成所は地道に成果を上げて行き、遂に新人を雇えるまでに至った。俺は麗華と共に
新人の面接に打ち込んでいた。
黒澤友樹「お早う御座います!」
小野寺圭一「やぁ、先輩さん、調子はどうだい?」
黒澤友樹「快調です!今日から始まるんですよね、新人の面接!」
小野寺圭一「あぁ、相棒の奴、確りやれると良いんだけどな」
〇豪華な社長室
黒崎瞬「それでは、我が社への志望動機をお聞かせ願えますか?」
男性職員1「はい、最近機械整備士の資格を取りまして、この技術を活かしたい事と、私自身の技術能力の向上をさせたいと思い、」
男性職員1「応募させて頂きました」
黒崎瞬「成る程、通勤手段はどうお考えで?」
男性職員1「はい。自宅から電車と歩きで此処まで行こうと考えてます」
黒崎瞬「分かりました。こちらからの質問は以上と成ります。何か質問は有りますでしょうか?」
男性職員1「はい!御社では、どの様な商品を開発してますか?」
黒崎瞬「最初に説明した通り、アウトドアに使うテント、ロードバイク、ヘルメットやプロテクター。遠征用の調理キットを」
黒崎瞬「取り扱っております」
男性職員1「有難う御座います!私からは以上です!」
黒崎瞬「分かりました。では、結果は後程、お電話にてお知らせ致します」
男性職員1「有難う御座いました!」
黒崎瞬「面接官って、案外しんどいんだな」
葛城麗華「本当、じっとしてるのも楽じゃ無いわね。次変わるわよ?」
黒崎瞬「あぁ、すまん」
女性職員2「失礼致します」
葛城麗華「初めまして。どうぞお座り下さい」
女性職員2「はい」
葛城麗華「それでは、面接を初めさせて頂きます。先ずは志望動機をお聞かせ下さい」
女性職員2「はい、私の志望動機は・・・・・・」
俺達は10人以上来ていた面接希望者の相手をひたすらやり続けた。夕方に成る頃にはやっと全員の面接は終わり、今日は徹夜で
新入りの厳選をするのだった。
〇研究施設のオフィス
黒崎瞬「この人は即戦力に成りそうだな。こっちは何か微妙なんだよなぁ」
葛城麗華「瞬」
黒崎瞬「ん?」
葛城麗華「それ!」
黒崎瞬「うわっ!?」
黒崎瞬「あぁ、有難う」
葛城麗華「あれ?珍しいわね。投げるなって怒らないなんて」
黒崎瞬「いや、言ってもどうせ聞かないし」
葛城麗華「そっか。でも今日は本当お疲れ様」
黒崎瞬「お互い様だよ」
麗華が物を投げて渡した事に突っ込みは入れずにお礼を言った俺は、一人で履歴書を読んで誰を入社させるか考えていた。
葛城麗華「良さげな人は見つけた?」
黒崎瞬「あぁ、後は明日俺が直接電話して報告するだけさ」
葛城麗華「手伝おうか?」
黒崎瞬「あぁ、頼む」
葛城麗華「分かったわ」
葛城麗華「ふむふむ・・・こうして見ると全員採用したく成るわね」
黒崎瞬「あ、分かる?」
葛城麗華「えぇ、これで落選させるのは何か気が重いって成るし、何とも言えないわね」
黒崎瞬「まぁ、昔と違って、俺達が確りしないとだから、いい加減な事して会社潰したく無いからな」
葛城麗華「そうね。ねぇ瞬。昔と今だったらどっちが良かった?」
黒崎瞬「え?急にどうした?」
葛城麗華「ほら、私達も子供の頃とかは無邪気に遊んでたじゃ無い?それが今じゃこんな風に色んな責任を背負ってるでしょ」
葛城麗華「私は昔も今も何だかんだ楽しいと思ってるけど、瞬はどうかなって」
黒崎瞬「成る程、こりゃまた難しい質問だな」
黒崎瞬「まぁ、一言言わせて貰えば、これまでの事が有ったから俺達は今を手に入れた訳だろ?良くも悪くも、全ての経験が有ってこそ、」
黒崎瞬「今が出来上がった訳だし。俺としては今目の前に在る物を大切にしたいかな。楽しいかどうかは何とも言えないけど」
葛城麗華「そっか。でもこう言うの決めるのって確かに難しいよね」
黒崎瞬「あぁ、正直結論付けるのはまだ早い。今でこそアウトドア製品取り扱ってるが、これで良かったかどうかはこれから決めれば良いし」
黒崎瞬「今は出来る事をやって行こう」
葛城麗華「うん、それが一番だね!」
俺達二人はその後も徹夜で入社希望者の厳選を続け、翌日には彼等に結果を伝えるのだった。
会社の話としては、すごくリアリティがありますね!
ファンタジー物が多いタップノベルの中では 、こういった大人の物語は貴重ですね!!