Fラン大でも愛してる!!

ななん

第1話(脚本)

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〇昔ながらの一軒家
桜田林檎「神様」
桜田林檎「仏様」
桜田林檎「今日もあたしのことを見守っていてください」
桜田林檎「それから──」
桜田林檎「我が母校のことも!!」
桜田林檎「ずっとずっと御守り下さい!!」
ももちゃん「何言ってるの?」
桜田林檎「よくぞ聞いてくれました」
桜田林檎「大衆文化大学に」
桜田林檎「有り余る愛を注いでいるのよ!」
ももちゃん「大衆文化大学?」
桜田林檎「母校よ!!」
桜田林檎「別名・学生の楽園!!」
「おばちゃーん」
「スイカまだあるー?」
桜田林檎「逃げられたか・・・」

〇テレビスタジオ
アナウンサー「大学全入時代ってなんニャ?」
アナウンサー「希望すれば誰でも大学に入学できる時代のことね」
アナウンサー「少子化で子供が減っているから」
アナウンサー「どの学校も生き残りをかけて必死なのよ」

〇実家の居間
桜田林檎(全入学ね・・・)
桜田林檎「ま、『大衆文化大学』」
桜田林檎「あたしの母校には関係ないけど」
ももちゃん「林檎ちゃん出かけるの?」
桜田林檎「うん」
桜田林檎「龍彦が遊びに来たからね」
ももちゃん「せっかくアタシが来たのに?」
桜田林檎「うん」
桜田林檎「従妹はいつでも会えるけど 龍彦はあんま会えないから」
桜田林檎「大人になると 友達ってできないし」
桜田林檎「大事にしないとね!」
「行ってきまーす!」

〇渋谷のスクランブル交差点
桜田林檎「・・・」
桜田林檎(なんちゃって)
桜田林檎(大学とももちゃんを比べたら 大学を選ぶに決まってるじゃない)
富士宮龍彦「久しぶりだな、林檎」
桜田林檎「龍彦!!」
桜田林檎「わーい龍彦ー!!」
富士宮龍彦「ちょっ」
富士宮龍彦「近いって」
桜田林檎(同じ大学出身の龍彦を 優先するに決まってるじゃん)
桜田林檎「会いたかったよ、龍彦ー!」
桜田林檎「早く・・・見せて?」
桜田林檎「龍彦の──」
桜田林檎「一眼レフ!!」
富士宮龍彦「・・・」
桜田林檎「あたしのために、 いっぱい写真撮ってね!!」
桜田林檎「期待してるからね!!」
富士宮龍彦「はぁ・・・」
富士宮龍彦「どうしてそんなに大学が好きなんだ?」
桜田林檎「秘密~」
  今日は
  大学の建物を写真に納めに来たのだ
  待ち受けと、ロック画面にするために!!
富士宮龍彦「ほら、着いたぞ」
富士宮龍彦「大衆文化大学だ」

〇おしゃれな大学
桜田林檎「何の音?」
警備員「ダメダメ!!」
警備員「工事してるから入らないよ!」
桜田林檎「建て替えかなぁ」
富士宮龍彦「10号館古かったもんな」
桜田林檎「新しくなって羨ましいー!!」
警備員「何言ってんだ」
警備員「このご時世、建て替えなんかするわけねぇだろ」
警備員「ボロくなったモン壊して終わり」
警備員「んなに学生がいるわけねぇだろ」
「え──?」
桜田林檎「どういうこと?」
桜田林檎「新しく建てないってことはつまり・・・」
富士宮龍彦「林檎!!」

〇研究施設の玄関前
大学事務員「どうかしました?」
桜田林檎「あ・・・あの・・・」
桜田林檎「もしかして、 経営状況が思わしくないとか・・・」
大学事務員「もう学生にまで噂が広がっているんですね」
大学事務員「実は閉校の話も出ているのよ」
大学事務員「これ以上、もたないんじゃないかって──」

〇研究施設の玄関前
桜田林檎「・・・っ!?」
桜田林檎(持たないの!?)
桜田林檎(大学が!?)
桜田林檎(これ以上無理なの!?)
富士宮龍彦「林檎・・・」
桜田林檎「あぁ・・・ アクキーが・・・」

〇研究施設の玄関前
桜田林檎「ヴァンちゃん」
「こんな時に落ちるなんて・・・」
桜田林檎「縁起悪・・・」
富士宮龍彦「・・・ヴァンちゃん?」
桜田林檎「知らないのぉ!? 大学のマスコットキャラクターだよ!!」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎「使えない」
  あたしがなんとかしなくちゃ!!

〇実家の居間
桜田林檎「あたしが最後の砦・・・」
桜田林檎「あたしがキーパーソン」
桜田林檎「大学の魅力を全力でPRよ!!」

〇黒

〇実家の居間
桜田林檎「あれ?」

〇黒

〇実家の居間
桜田林檎「・・・」

〇神社の本殿
富士宮龍彦「それでわざわざうちまで来たのか」
桜田林檎「大変だったんだから」

〇ホームの端
「各駅停車しか通ってないし」

〇神社の石段
「石段はクッソ長いし」

〇神社の本殿
桜田林檎「なのにエアコンないし」
富士宮龍彦「つまりねぎらえということだな」
桜田林檎「幸せー!」
富士宮龍彦「配信なら」
富士宮龍彦「うちにあるものを使えばいいよ」
富士宮龍彦「こっち来て」

〇配信部屋
桜田林檎「おぉー!!」
富士宮龍彦「うちの神社の紹介用に」
富士宮龍彦「兄が色々買ったんだ」
桜田林檎「神!!」
富士宮龍彦「はいはい」
富士宮龍彦「兄がね」

〇ポップ2
桜田林檎「また見てね!」
桜田林檎「ばいばーい!」

〇配信部屋
富士宮龍彦「良かったぞ」
富士宮龍彦「林檎は顔がいいし」
富士宮龍彦「すぐにフォロワーが増えるだろうな」
桜田林檎「そうかなー!?」

〇商店街

〇昔ながらの一軒家
桜田林檎「なによう」
桜田林檎「朝からうるさいな・・・」
富士宮龍彦「動画のコメント見てみろ!!」
桜田林檎「コメント?」

〇SNSの画面
  Fラン大学か
  廃校不可避
  サボってた奴挙手www

〇実家の居間
桜田林檎「なによこれ!!」
桜田林檎「こんなこと言っていいと思ってるわけ!?」
富士宮龍彦「・・・間違ってはいないけどな」
桜田林檎「龍彦まで!!」
富士宮龍彦「偏差値的にはそうだろう?」
富士宮龍彦「経営難も嘘じゃない」
富士宮龍彦「代返してるヤツだって」
富士宮龍彦「林檎も見たことあるだろう?」
桜田林檎「うぐ・・・」
桜田林檎(でも・・・このままじゃ)
桜田林檎(大学が死んじゃうのに・・・!!)
桜田林檎「・・・龍彦はあといいわ」
桜田林檎「スマホで配信するから、 たまに手伝ってくれれば」
富士宮龍彦「・・・」

〇ドラッグストア
桜田林檎「いらっしゃいませー!」
桜田林檎「ただいまキャンペーン中でーす!」
桜田林檎(もう)
桜田林檎(悠長なこと言ってられないのに)
桜田林檎(今、大学をPRしなきゃヤバイのに!!)
桜田林檎(さっさと仕事終わして配信しなきゃ!)

〇大衆居酒屋
桜田林檎「歓送迎会で学生が御用達の居酒屋!!」
桜田林檎「お値段もとってもお手頃なんだよ!」
桜田林檎(何としても色んな人に知ってもらわなくちゃ)

〇実家の居間
桜田林檎「卒アルでーす!」
桜田林檎「黒歴史?」
桜田林檎「人の日常をバカにするやつは許さーん!!」
桜田林檎(大衆文化大学に入りたくなるように)
桜田林檎(頑張んなきゃ)
桜田林檎(頑張んなきゃ)

〇実家の居間

〇黒背景

〇実家の居間
桜田林檎「──は、配信!!」
桜田林檎「龍彦・・・?」
富士宮龍彦「まだ寝てろよ」
桜田林檎「あたし・・・」
富士宮龍彦「倒れたんだよ」
富士宮龍彦「配信中に突然画面から消えたから 様子を見にきた」
桜田林檎「・・・ごめんね・・・」
桜田林檎「わざわざ埼玉から」
  ※ここは府中(東京都)です
桜田林檎「いい人だね・・・」
富士宮龍彦「・・・」
富士宮龍彦「林檎は頑張りすぎだ」
富士宮龍彦「配信に夢中になって身体を壊したら 元も子もないだろう」
桜田林檎「それはそうだけど・・・」
桜田林檎(大学に貢献したかったけど)
桜田林檎(これ以上は無理なのかな・・・)
富士宮龍彦「視聴者数 +1 ?」
富士宮龍彦「+3・・・+5・・・!?」
桜田林檎「増え・・・てる?」

〇実家の居間
富士宮龍彦「あぁっ!?」
富士宮龍彦「お前これ、 配信しっぱなしじゃねぇか!!」
桜田林檎「え・・・」
富士宮龍彦「どうすんだよこれ・・・」
桜田林檎「・・・」
桜田林檎(何が違う?)
桜田林檎(今のは何が良かったのかな)
桜田林檎(ただ日本家屋が映ってただけなのに)
桜田林檎(有益な情報も)
桜田林檎(面白いことも)
桜田林檎(何も喋ってないのに・・・)
富士宮龍彦「何見てんだよ」
富士宮龍彦「早く止めろ・・・」

〇実家の居間
桜田林檎「止めないで!!」
富士宮龍彦「何言って・・・」
桜田林檎「龍彦が、必要だったんだ・・・」
富士宮龍彦「お、俺?」
桜田林檎「求められていたのは」
桜田林檎「『林檎』と」
桜田林檎「『誰か』のコミュニケーション」
桜田林檎「付き合ってくれる? 龍彦」
富士宮龍彦「は・・・はぁ!?」
富士宮龍彦「そんな急に言われても」
富士宮龍彦「心と身体の準備が・・・」
桜田林檎「カップル枠よ!!」
富士宮龍彦「え?」
桜田林檎「カップル配信者枠で、 大衆文化大学の名を世に知らしめるのよ!!」
富士宮龍彦「・・・」
富士宮龍彦「いいアイディアだな・・・」

〇コミケの展示スペース
「こんにちはー!!」
「りん⭐️りゅ~チャンネルの!!」
桜田林檎「りん と、」
富士宮龍彦「りゅうです」
桜田林檎「今日はですねー、」
桜田林檎「久しぶりにオタクの聖地に 赴いてみようと思いましてー!」
富士宮龍彦「聖地?」
桜田林檎「そ!」
桜田林檎「大衆文化大学ではー、」
桜田林檎「授業の一環として オタクの一大イベントを体験するのが 必修になってるんだよ!」
富士宮龍彦「そういや行ったかも知れない」
桜田林檎(あたしは)
桜田林檎(あたしができることで母校を救う)
  絶対に潰れさせない!!
桜田林檎(どんな手を使ってでも)
桜田林檎(繋ぎ止めてみせるんだから!!)
???「・・・・・・」

〇神社の本殿
富士宮龍彦「奇跡的な数値だ・・・」
富士宮龍彦「まさか1ヶ月でここまで伸びるとは・・・」
桜田林檎「あたしが可愛いからね!」
富士宮龍彦「あぁ」
富士宮龍彦「可愛いって得だな」
桜田林檎「・・・」
富士宮龍彦「学校存続に一歩近づいたな!」
桜田林檎「うん!!」
桜田林檎「メッセージだ」
桜田林檎「学校から!」
桜田林檎「あたしたち」
桜田林檎「大衆文化大学の 公式インフルエンサーになれるかも!!」

〇おしゃれな大学
  経営状況が厳しく
  閉校の話も上がっております
  つきましては
  百余年の歴史のフィナーレを
  あなたがたと共にできたら──

〇神社の本殿
桜田林檎「ちがーう!!」
桜田林檎「そうじゃない!!」
桜田林檎「エンディングにはさせないよ!!」
  to be continued・・・

次のエピソード:第2話

コメント

  • 新年おめでとうございます!!
    こちらが本編ですね😃
    なるほど素晴らしい切り口で斬新ですね!!!
    他の方も言ってるように、これからどう大学を立て直し、応援していくのか楽しみですね。本格的なドラマ作品って感じがしました!!

  • 林檎ちゃんの素直さとかわいさが魅力たっぷりでした!
    龍彦もいいヤツですね。
    こういうドタバタした感じ結構好きです。

  • キャッチーなタイトルに惹かれてずっと読もうと思ってた作品でした!遅くなりスミマセン…😖
    林檎の行動も母校愛とっても可愛いくて、応援したくなっちゃいます😆時代の波に逆らうようですが、動画配信で母校を守る林檎、頑張れ!
    色々勘違いしちゃう龍彦も可愛くて、ラブが芽生えないかなぁ、なんて期待してます(笑)
    ゆっくりになってしまいますが、続きも楽しませていただきますね✨

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