全クリおめでとう(脚本)
〇仮想空間
ここは、ゲームの住人が集う場所
たった今、ゲームのプレイヤーが全クリしたようです
全クリ後のゲームの世界の住人の様子をご覧下さい
寿限無「どうも、みなさん」
大樹の亡霊「お、このゲームのラスボス様が来たぞ」
ファイアーキル「『ああああ』、全クリしたんだってな」
寿限無「はい、彼は見事にクリアしました」
寿限無「今、彼はネット民にゲームを全クリした事を自慢しています」
シャーク丸「っつー事は、お前負けたんか。 俺らみたいに」
寿限無「はい、やられちゃいました」
ムキーラ「このゲームの悪役の俺らが言うことじゃないが、やったな『ああああ』」
寿限無「えぇ、彼は本当によく頑張りました」
妖魔人「・・・にしても『ああああ』は驚いただろうね」
妖魔人「まさか、最初の町で出会った街人の『寿限無』が、ラスボスだったなんて」
霊太郎「僕もびっくりしました!寿限無さんは全然悪い人に見えないのに」
スノーケルトン「けどああああに対する攻撃は、見た目に反して超邪悪だよな」
寿限無「まぁラスボスですから。 そう簡単に倒される訳には行きません」
寿限無「けど、僕的には霊太郎くんの方が敵には見えませんがね」
霊太郎「まぁ僕はみんなみたいに世界を乗っ取ろうと企むモンスターではなく」
霊太郎「倒せばお金や経験値がたくさんもらえるレアモンスターみたいなものですから」
霊太郎「悪役とは言えませんね」
大樹の亡霊「むしろ、ああああにはありがたい存在だな」
霊太郎「はい!彼僕がダンジョンをお散歩してたら喜んでくれるんです!」
ムキーラ「喜んでくれるってお前な・・・ボコボコにされるんだぞ?よくそんなことが言えるな」
霊太郎「でも僕はすばしっこい上に地味に防御力高いので殺られる前に逃げますよ」
霊太郎「僕を倒せなかったとしても、経験値やお金は普通のダンジョンのモンスターよりは貰えるので別にいいでしょ」
ムキーラ「お前、可愛い顔して強かなやつだな」
霊太郎「・・・まぁ、魔王城をウロウロしていたらああああさんに見つかっちゃって」
霊太郎「その時のああああさん、かなり強くなっていて僕殺られちゃいました・・・」
霊太郎「でも僕を倒した時のああああさんの表情、すごくイキイキしてました!」
寿限無「・・・そういや彼と戦っていた時思ったより強いなと思っていたのですが」
寿限無「それはきっと霊太郎くんを倒したからでしょうね」
寿限無「ああああさんがクリア出来たのは霊太郎くんのおかげですね!」
霊太郎「いやいやそんなことは・・・」
ファイアーキル「あのさぁ・・・ちょっといいかな?」
ファイアーキル「ここってさぁ・・・ゲームだけじゃなくいろーんなネットの様子見れんじゃん」
ファイアーキル「例えばああああの検索履歴とかSNSのアカウントとか・・・ああああのパソコンにあるものはなんでも」
ファイアーキル「そん中にさぁ・・・『寿限無攻め』ってのがあったんだけど」
霊太郎「寿限無ぜめ・・・?」
大樹の亡霊「おーい霊太郎〜!今からスノーケルトンとシャーク丸と一緒にトランプするんだけどお前も来いよー!」
霊太郎「わあい!やるやる!」
大樹の亡霊「バカッ!オマエ、幼い霊太郎の前でそんな話すんな!」
ファイアーキル「悪い・・・霊太郎が子供設定なの完全に忘れてた」
寿限無「寿限無攻めの事なら知ってますよ」
寿限無「今までそれに関するたくさんの二次創作イラストや二次創作小説を見てきましたから」
寿限無「ああああさんが寝てる間にゲームの世界を抜け出してこっそりと・・・ね♡」
ファイアーキル「何やってんだお前」
寿限無「二次創作物の投稿サイトでは、『#妖魔人×ムキーラ』が人気みたいでしたよ」
ムキーラ「・・・どう反応すりゃいいんだ」
妖魔人「僕たちはこのゲームをプレイしてくださってる皆様に愛されてるということでしょうね」
寿限無「中でもお気に入りなのは僕と妖魔人さんに攻められるムキーラさんのイラストです」
寿限無「僕たちにいろいろされて攻められるムキーラさんのあの表情・・・♡」
寿限無「書いた人は僕たちの特徴をよく掴めているなと思うと同時に・・・」
寿限無「ゾクゾクしちゃいました♡」
寿限無「なんか話してたらムラムラしてきました。今から一緒にやりませんか?」
ムキーラ「お巡りさんこいつです!」
妖魔人「寿限無はゲイですからねぇ・・・」
ムキーラ「俺にそんな趣味は無いからな」
妖魔人「LGBTの否定はしませんが・・・私も恋愛対象は女性です」
ムキーラ「寿限無はまともそうに見えて実はこの中で一番やべぇ奴だからな」
妖魔人「ゲームの世界でもリアルの世界でも寿限無は頭がおかしいです」
寿限無「みんな酷いですねぇ、僕一応ラスボスですよ?」
エリーザ「BLの気配を察知して、エリーザ参上いたしました!」
ムキーラ「腐女子は帰れ!BLはもうたくさんだ!」
妖魔人「エリーザ・・・この話ももう終盤ですよ、どこに行ってたんです?」
エリーザ「ああああのネッ友にすごい腐女子いるじゃん?」
エリーザ「その子とああああのトーク履歴を遡ってBLイラストを拝んできたの!」
妖魔人「あなたはまたそんなことを・・・」
エリーザ「ああああってBL興味あるのかな?」
妖魔人「腐女子の友人の為にBL関連を調べることはあるみたいですが、実際は分かりません」
スノーケルトン「・・・前から思ってたんだけど、なんでプレイヤー名『ああああ』にしたんだろうな?」
大樹の亡霊「・・・特に名前にこだわりなかったんじゃね?」
シャーク丸「にしても適当すぎだろ・・・小学生かよ」
シャーク丸「・・・けど待てよ?ああああって、真昼間もゲームしてるよな?」
寿限無「彼は今年で36歳になる自宅警備員です」
「働かんかーい!!!!!!」
霊太郎くんの存在感!すごいです。寿限無はゲイ疑惑ありかもしれないけど、なんだか憎めないキャラクターでした。・・・そのムラムラ、どう処理したんでしょう!?
後半からの怒涛のBL展開がすごかった。二次創作物を本人たちが見ていてさらにラスボス寿限無が「ゾクゾク」「ムラムラ」とか会話をしてることがわかったら、その界隈の住人たちは狂喜乱舞しそうですね。さりげなく霊太郎をトランプに誘う大樹の亡霊はいい人だなあ。