私って

L-eye

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〇公園の砂場
我孫子「今回私だけでなく、『ボスを含めた我々全員が』貴方様に興味を持っておりますので・・・」
我孫子「貴方様の技量では早々な事では負けないでしょうが、くれぐれも油断は禁物です。万が一──」
我孫子「万が一、貴方様がやられてしまっては、康孝様も辛い思いをされるでしょう」
由加「・・・」
由加「あ、電話だ」
由加「・・・パパからだ。もしもし」
  もしもし由加。今、無事か?
由加「無事は無事だけど・・・」
由加「それより大変な事になったよ!お母さんと光は今帰ってきてないの」
  帰ってきてないだと?
由加「今、二人は『ボス』の所にいるんだって。今会った我孫子とかいう人はそいつの部下で、逆らえなかったらしい」
  我孫子・・・今、ソイツはいるか?
由加「うん。そこに──」
由加「・・・あれ?」
  ・・・逃げられたか
  お母さんや光に関してはすまない・・・私の読みが甘かった
由加「・・・良いよ別に。私も我孫子の事逃しちゃったし」
  そうか。優しい子に育ったな
由加「褒めても1セントしか出せないよ」
  1・・・セント?
  ・・・で、だ。先程の我孫子太一の件だが
  ヤツは興味を持った者をしつこく狙う習性がある
  だが・・・『ボス』が出てきた以上、お前に興味を持ったのが我孫子だけとは言い難い
  恐らく、次の相手がすぐにでも出て良い頃合いだ
由加「うん」
由加「何となくそんな予感はした。私って変な意味で『引き寄せ体質』みたい」
  ・・・
  いや、違う。元はと言えば私が・・・
  ・・・・・・・・・・・・
由加「・・・とにかく、次の相手だね。残りの相手の情報もわかってたりする?」
  ・・・ああ。少なくとも次に来るであろう相手の目星は付いている
  次の相手は、ほぼほぼ『情報』の山岡佳菜で決まりだろう
由加「『情報』・・・」
  ヤツは、自分の揃えた情報に全幅の信頼を寄せている
  だが・・・この世界は事前情報だけが全てではない
由加「というと?」
  ・・・つまり、此方の『成長性』を見る事は出来ない
  我々人間の真価は、そこにあると私は思っている
由加「・・・・・・」
  不安か?
由加「もう私って完成してるような気がするんだけど」
由加「成長性ってあるのかな?」
  自惚れるな。まだお前は強くなる。望めば叶う、何事もだ──
由加「・・・そう」
由加「・・・そろそろ遅くなってきたし、切るねパパ」
  ああ
由加「望めば叶う、何事も・・・か」

〇アパートのダイニング
由加「・・・・・・」
由加「えっ!もう7時!?」
由加「ヤバい!!!」
由加「行かないと!」

〇アパートの台所
母「あら?」
由加「おはよお母さん。急いでるから!」
母「急いでるからって・・・今日は土曜日じゃない」
由加「そ、そんな冗談・・・」
由加「・・・・・・え?」
由加「・・・あ」
由加「・・・・・・・・・・・・」
母「まあ、いいじゃない。行く前に気付けて」
母「折角早く起きた事だし・・・ちょっと出掛けてくれば?勿論・・・」
母「朝ごはん食べてからね!」

〇ゆるやかな坂道
由加「とは言われたものの」
由加「気分転換よりもまずは事を済ませたいんだよね・・・」
由加「結局皆『ボス』に誘拐されたまま帰ってこないし。光も、お母さんも──」
由加「・・・えっ」
由加「お母さんが・・・『帰ってきてた』?」
由加「昨日の寝る時までは確かにいなかった。どうして──」
???「伊吹由加さんですよね?」
由加「・・・?」
佳菜「初めまして。私、山岡佳菜と申します。以後、お見知りおきを」
由加「よろしく!」
佳菜「ええ、よろしくお願いします。早速ですが・・・あなたを『捉えに』来ました」
由加「わー、やられたー。悪の女帝、クイーンカナにさらわれるー」
佳菜「ふざけてるんですか?これはおままごとじゃありません!第一、私は女帝とか、そういうタイプじゃありません」
佳菜「私は『情報』を司るボスの右腕です!あなたの事だって、しっかり予習しています!」
由加「よかったね」
佳菜「それ、絶対「どうでもよかったね」じゃないですか!」
佳菜「まったく・・・ちょっと会っただけなのに、既に気が狂いそうです」
佳菜「・・・先程の話は本当です」
佳菜「昨日、あなたのお母様と弟様が解放されました。ボス曰く、「もう必要ない」そうです」
佳菜「ただ、代わりにあなたがどうしても欲しくなったらしく、こうして私が遣わされたという訳です」
由加「そう・・・」
佳菜「興味なさそうですね・・・」
佳菜「では、ちょっと興味のそそる提案をしましょうか」
由加「?」
佳菜「今から私とあなたで『ゲーム』をしませんか?」
由加「やっぱりおままごと?」
佳菜「違います!私はそんな子ども騙しでは喜びません!」
佳菜「・・・ゴホン。詳細を話しますね」
佳菜「これから、私が『とある情報』を幾つか出します」
佳菜「あなたは、その答えを『1日以内』に導き出す。そうしたら、あなたの勝ちです」
佳菜「ですが・・・」
佳菜「もしあなたが答えを導けなかった場合は、最新型の『バーチャル戦闘機兵』の圧倒的な力を使い無理矢理にでも捕縛します」
佳菜「どうです?やる気になりましたか?」
由加「・・・なんか、どっちに転んでも私に有利過ぎない?」
佳菜「フッフッフ・・・『バーチャル戦闘機兵』の力を見くびらない方が良いですよ」
佳菜「紛争地域など、第一線で活躍中の優秀な兵士の戦闘データをこれに全て詰め込んであります」
佳菜「あらゆる局面を想定した行動が出来るこれに死角はありません!」
佳菜「いくらあなたが戦闘面で抜きん出ているとはいえ、結果はこちらの圧勝でしょう」
由加「よかったね」
佳菜「何が『良かった』なんですか!最早会話にもなってないですよ!」
佳菜「・・・ああ、そうですか。私なんて、眼中にないと。そう言いたいんですね?」
由加「結構喋るよね。普段からこんな感じ?」
佳菜「・・・・・・・・・」
佳菜「まあ、良いですよ。せいぜい今の内に気取っていてください。どうせ私が勝つんです」
佳菜「この『情報』は、あなたには荷が重すぎる──」

〇川に架かる橋
由加「あの子から渡された『情報』は3つ」
由加「1つ目。『かつて大きな期待を胸に一人の赤子が生まれた。赤子は☓☓を☓☓し、一人の☓☓を☓した』」
由加「2つ目。『すくすく育つ赤子を、その☓☓は☓れた。赤子の☓☓を☓めるべく、☓☓を☓みた』」
由加「3つ目」
由加「『☓☓に☓てられた赤子は異常な☓を有していた。☓☓は嘆く。自分が☓☓を☓えなければ、☓☓に☓を☓われる事もなかった』」
由加「・・・まずは1つ目からかな。『赤子』は何をしたんだろ」
由加「・・・これ、ヒントとかあるのかな」
由加「佳菜ちゃんからだ。最近やけにタイミングよく色んな人からメッセージが来る・・・」
  すみません、忘れてました
  ヒントはお出しする予定でした。このままあなたを放置しても何をしでかすかわからないので
由加「何をしでかすかわからないって・・・そんなに常識ないように見えてたかな」
  まず1つ目の情報ですが
  これは赤子の生まれた原点に立ち寄るのが一番の近道です
  という事で、赤子の生まれた場所の座標と写真を送るのでそこへ向かってください
由加「『これって実話なの?』」
由加「・・・」
由加「お」
  世界には何億もの歴史があり、それが生まれた者の数と同じく存在します
  この事象が作り話であるとは、その歴史を全て知っていない限りはとても言えないでしょうね
由加「・・・」
由加「わかりにくいけど、「過去にこういう事があった可能性があるから、作り話だと断定は出来ない」って事かな」
  2つ目の情報も同じ場所に答えはあります
由加「『もう全部そこで良いのでは?』」
  いえ、3つ目は・・・その内容を知っている当人にしかわからないでしょう
由加「『やっぱり実話?』」
  まあ、実話を踏襲してはいますが・・・
  3つ目の情報は、1つ目と2つ目の答えを導き出せたなら、私が『とある人物』と繋ぎます
  そして全ての情報を揃えた後、私に正しいこの3つの歴史を教えられたらあなたの勝ちです
由加「・・・」
由加「『ありがとう!(⋈◍>◡<◍)。✧♡』」
  あと
  これらの情報を知る前にこの本を読んでください。導入のようなものです。位置と本の外観は写真を添付しておきます
  147ページからです
  長々とすみません。では、私はこれで。LINEはこの要件でのみいつでも許可します

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