彼女面接!! 俺の恋人を面接で決めることになってしまった……

鉄火キノコ

第七話 面接番号三番 独占欲強め妹 雪根佳乃子 その1(脚本)

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〇一軒家
  俺は、あの水族館デート(仮名)のあと、ハートの家に立ち寄ることにした。
  ハートの家は、うちの家から、徒歩圏内で、それほど遠くない。
  小田浜さんの件もそうだが、この雰囲気のまま学校生活を続けるのは、非常にばつが悪い。
  俺は、苦手な虫を触るときのように、彼女の家のインターホンを、そっと押した。
「はーい」
ハートママ「あぁ、サトシ君!」
雪根サトシ「どうも」
雪根サトシ「こんな、夜分遅くにすみません」
雪根サトシ「ハートさんとお話したいのですが・・・・・・」
ハートママ「あぁ、今さっき、ハートちゃんが買い物から帰ってきたんだけど・・・・・・」
ハートママ「すぐに寝ちゃって」
雪根サトシ「そうですか・・・・・・」
ハートママ「ごめんなさいね。せっかく、来てもらったのに」
雪根サトシ「いえいえ、こちらこそ、こんな時間に訪問してしまって、すみません」
雪根サトシ「では、今日は失礼します」
ハートママ「はーい」
ハートママ「老婆心だけれども、もしよかったら、送っていくわよ?」
雪根サトシ「あぁ、いや、大丈夫です」
雪根サトシ「ご親切に、ありがとうございます」
雪根サトシ「では、失礼します」
ハートママ「はーい」
ハートママ「気をつけて帰ってね」

〇並木道
雪根佳乃子「おにーちゃん、デート!デート!!」
雪根サトシ「はい、はい」
雪根佳乃子「おにーちゃん、手ぇつなぐぅぅ」
雪根サトシ「はい、はい」
雪根佳乃子「ねぇ、」
雪根サトシ「どうした?」
雪根佳乃子「大きくなったら、かのこ、おにーちゃんとケッコンするぅぅ」
雪根サトシ「そうか!じゃ、結婚するか!!」
雪根佳乃子「する!する!!」
雪根佳乃子「約束!」
雪根サトシ「あぁ、約束だ!」

〇シックなリビング
  なんだか、ノスタルジックな夢をみていた気がする・・・・・・
  もう、思い出せないけど・・・・・・
  あの水族館デート(仮名)から一日がたった朝。
  昨日寝る前、ハートにメールを入れたのだが
  音信不通である。
  これに関しては、俺がデート(仮名)中に彼女の方から連絡が来ていたのだが、見ていなかった、俺の方に落ち度がある。
  そして、今日は日曜日なので、勉強したいのだが・・・・・・
  もう一度、ハートの家に行って、話をしたいと思っている。
  宮坂さんがいないときに、じっくりとな。
雪根佳乃子「こんばんわぁぁ」
雪根サトシ「おはようだろ」
雪根サトシ「朝だぞ」
雪根佳乃子「おにーちゃん、今日こそ、おべんきょ?」
雪根佳乃子「かのこも一緒に・・・・・・」
雪根サトシ「いや、今日も、ちょっと外出ないと・・・・・・」
雪根佳乃子「今日は何するの?」
雪根サトシ「今日も、友達と・・・・・・遊びにな」
雪根佳乃子「女の人?」
雪根サトシ「い、いや・・・・・・男だよ」
  正直、ハートとの今の関係をこいつには知られたくない。
  佳乃子も、ハートと仲がよく一緒に遊んでいた。
  だから、この状況を知られるのは、なんだか、非常に気まずい。
雪根佳乃子「なんかさぁ、」
雪根佳乃子「最近、かのこと、全然遊んでくれなくなったよね」
雪根サトシ「いや、勉強が忙しくてな・・・・・・」
雪根佳乃子「遊びに行く余裕があるのに??」
雪根サトシ「・・・・・・」
雪根サトシ「かっ、佳乃子?どうしたんだ??いきなり・・・・・・」
  痛い所を突かれてしまった
  いきなり、何があったのかは、わからないのだが・・・・・・
  佳乃子の声音や態度からは、彼女なりの憤りを感じる。
  雹(ひょう)のような、音もない、ただただ冷え切った憤慨。
雪根佳乃子「勉強しないなら」
雪根佳乃子「佳乃子と遊んでよ」
雪根サトシ「いや、でも、約束してるしな・・・・・・」
  まっぴらな嘘だがな・・・・・・
  ごめんな、佳乃子
雪根佳乃子「そんなに、あの女の人と遊びたいの?」
雪根佳乃子「かのこと遊ぶより、あの人と遊ぶ方がたのし?」
雪根サトシ「いや、だから女じゃなくて・・・・・・」
雪根サトシ「・・・・・・」
  ???????
雪根サトシ「なぁ、佳乃子、それ・・・・・・」
雪根サトシ「なんで・・・・・・」
雪根サトシ「佳乃子がそれを持ってるんだ・・・・・・」
  佳乃子が見せてきたそれは、俺が、これまでに何度も見てきた”それ”だった。
雪根佳乃子「おにーちゃん!!」
雪根佳乃子「今日は、公園で遊ぼ!!」

次のエピソード:第八話 面接番号三番 独占欲強め妹 雪根佳乃子 その2

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