Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

「第六話 □み直しの世界 『ジン視点』」(脚本)

Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

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〇古民家の居間
  前回、ギルガメッシュの家に着いたジン達、ジン達はギルガメッシュからティアマトの話を聞こうとするが
  分霊の発言やこの星には現在滞在している群島以外に陸が存在しないことを知り、なかなか話しが進まずにいた
  それに加え分霊が正直に目的を話してしまったこと、何者かの乱入もあり場は混乱を極めていた
アオイ「おじいちゃん・・・」
ギルガメッシュ「なんだテメェ!!どっから現れやがった!?」
?「待ってくださいよー!!誤解なんですよー!!」
ジン「また何か現れた・・・今度はなんなんだ?」
?「離れてジン!!横浜でのあいつらの仲間かも!!」
?「待ってください!!驚かせてしまったのは謝りますが敵ではありません!!」
?「嘘だー!!」
?「嘘じゃないですー!!」
ジン「・・・ん?」
ジン「なんかどこかで見たようなシルエット・・・」
ジン(・・・)
ジン「・・・あぁぁぁぁ!?」
?「にゃあ!?」
ジン「お、お前は確か!元居た世界で見た奴!」

〇研究機関の会議室

〇海辺
?「・・・」

〇古民家の居間
ジン「な、なんでここに居るんだ!?どうやってゲートを通って来たんだよ!?」
?「あぁ確かに!!なんで!?」
?「えっと・・・そうですね、詳しいお話は長くなるんですが、実は私達元々はこの世界出身でして・・・」
ジン「えぇ!?」
?「えぇ!?」
ギルガメッシュ「おいおい待て!!俺達を置いていくな!!それと俺はお前みたいな全身真っ青の生き物なんぞ見たことないぞ!!」
?「えぇ酷いですよー!!アオイちゃんもギルガメッシュ君も忘れるなんて!!」
?「いつも加護を与えて回ってるじゃないですか!!」
ギルガメッシュ「なんだと?」
ジン「なんだって?」
ジン「え・・・じゃあつまり貴方は?」
ラッキー「もしかして・・・!!」
アオイ「・・・」
アオイ「ティ・・・ティアマト様!?」
?「あ、ごめんなさい私達はお母さんではないんですよ」
ギルガメッシュ「いや違うのかよ!!」
ジン「ん・・・?お母さんって?」
?「あ、そうですね・・・それもお話しますので、とりあえず話を聞いてもらえますか?」
ジン「そうですね・・・とりあえずこのまま話しが進まないのもあれだし、僕達はティアマトの話も聞きたい」
ジン「敵意も感じないし、一旦落ち着いて話を聞いてない?みんなはどうかな?」
?「俺良いと思うよー!!」
アオイ「あ、あの・・・私も良いと思います、それに・・・」
アオイ「さっきから色々と驚くお話しが多くて・・・少し落ち着かないんです」
ギルガメッシュ「・・・ったく」
ギルガメッシュ「良いぜ、文句はねぇ」
?「──!!」
?「えへへ・・・なんでも聞いてくださいね!」
ギルガメッシュ「はぁ・・・」

〇古民家の居間
?「あ、このクッキー美味しい!」
?「あ、美味しい?良かったー!!」
?「俺がアオイちゃんと一緒に作ったんだよ!!」
アオイ「えへへ・・・嬉しいな、猫さんも作り方教えてくれてありがとうね」
?「材料は何で出来てるの?」
?「えっとね・・・」
?「──」
?「へぇ・・・?」
?「今度の配給の時に加えようかしら?」
アオイ「え?どういうこと?」
?「あれ?アオイちゃんは知らなかった?」
?「私達が加護をあげる時に畑じゃ取れない食材とかをみんなに配ってるんだよ?」
アオイ「えー!!そうだったの!?」
アオイ「私加護貰ってないから知らなかったー!!」
?「えぇ!?」
ジン「・・・」
ジン(あれはなんなんだ?なんか茶会に混ざってのんびりしてるし・・・?)
ジン(あれが本当に海の水位が上がってきてることに関係してるのか?)
ジン(ん?)
ジン「ねぇ?そろそろ一つ聞きたいんだけどさ」
?「早速ですね!!なんでしょう?」
ジン「さっきから「私達」って言ってるけどどう見ても一人しか居ないよね?」
ジン「どういうこと?」
?「ふむ・・・まずは「私」の存在について説明させてください」
?「皆さん加護についてのお話は既に知っていますね?」
ギルガメッシュ「おう」
ジン「まぁ・・・はい」
?「島民達はティアマト神本人が加護を与えてくれているという認識ですがこれは違います」
?「実際は私が加護の付与を行っています、ティアマト神はとある理由により「活動を制限しています」」
ジン「活動を制限?どういうこと?」
?「そうですね・・・ティアマト神は今とても不安定な状況にあります」
?「それ故ににティアマト神は自身をほぼ機能停止にすることで自身が暴走しないように抑えています」
?「しかしそれだと島民達を守ることが出来ません、なのでティアマト神は自身の分身」
?「つまり私の様なものを作り自身の代わりとして活動をしてもらっている状況です」
?「それでその分身こと私、いっぱいいるんですよねー!!それに全て同一個体なんですよー!!」
?「なのでつい一人称が「私達」になっちゃうんですけどなんか紛らわしいですよね!! ごめんなさい!!」
ギルガメッシュ「いちいちうるせぇ奴だな、そんなことよりお前がここに何をしに来たのかをさっさと言いやがれ」
?「あ、はいすみませんさっさと話しちゃいますね」
?「ジンさんはティアマト神を止める・・・殺す為にこの世界に来たと言っていましたね?」
ジン「そうですね」
アオイ(・・・)
?「それは今は不可能であると言わせてもらいます」
ジン「え・・・」
?「ティアマト神は暴走を防ぐ為に今は話し合うことが不可能な状態」
?「加え私達分身にはティアマト神の代わりに貴方に力を託す権限はありません」
ジン「じゃあ落ち着くまで待てば・・・」
ギルガメッシュ「それはやめた方が良いと思うぜ」
ジン「え?」
ギルガメッシュ「ティアマトは今は暴走を防ぐ為に出てこれねぇんだろ?」
ギルガメッシュ「そんな奴が起きてくることがあるとしたらそれは暴走してる時じゃねぇか?」
ギルガメッシュ「頭が湯田ってる奴に話し合いを望むなんぞ無駄だと思うぜ」
?「そうです、故にジンさんはティアマトを殺す為には実力行使でいくしかありません」
?「しかし今のジンさんは使役している感情神、または力を有してはいませんね?」
ジン「・・・はい」
?「ジンさん、貴方はティアマト神を殺す為に力を得る必要があります」
?「貴方はまだここに来る資格がありません」

〇草原の一軒家
  ギルガメッシュ宅の裏、皆の元を離れ庭の木の下で一人ジンが座り込んでいた。
ジン「・・・はぁ」
ジン「何がここに来る資格がないだよ・・・」
ジン「こっちはなんか変な奴らに襲われて、異世界行って神を殺せとか言われて」
ジン「それにあの変な三人のせいで急にこっちに来ちゃうわ、連絡手段無し帰る方法も分からない・・・」
ジン「あぁもうやってらんないよ!!」
ジン「・・・」
?「ジン・・・大丈夫?」
アオイ「あの・・・大丈夫ですか?」
ジン「あぁ君達か・・・大丈夫なわけないよ・・・」
?「あらら・・・」
アオイ「えっと・・・そうだ!!気分転換にジンさんが元いた世界のお話を聞かせてくれませんか?」
ジン「ごめん・・・僕は過去の記憶がほとんど無くて、それにあっちではまだ日が浅いからそんなに話せないかな」
アオイ「少しでも良いんです!!私にとっては知らない世界のワクワクする知らないお話なんです!!」
ジン「えぇ・・・白猫君の方が僕より知ってるんじゃないかな?能力も情報収集だって言ってたし」
?「俺もあんまり知らないから話せないよ!!だって俺まだ生まれて二ヶ月だもん!!」
ジン「え、まだ幼い子猫同然じゃないか」
ジン「はぁ・・・分かったよ、でもあんまり話せないよ?」
アオイ「──!!」
?「──!!」
ジン「・・・」
ジン「まず・・・僕が居た世界はね、昔に異世界同士を繋ぐ「扉(ゲート)」が突然現れたんだ」
ジン「それから色々あって異世界から来た人はどの世界でも「旅人」って呼ばれてなんやかんや仲良くやってるみたい」
アオイ「へぇー!!良いなー」
アオイ「私もゲートを通って知らない世界を旅してみたい!!」
アオイ「ジンさん達もそのゲートを通ってこっちに来たんだよね!!」
ジン「そうだね、ティアマト神みたいな神様に開いてもらったゲートを通って来たんだ」
ジン「まぁなんか変な奴らが来て色々めちゃくちゃになったけど」
アオイ「その変な人達ってもしかして最初に会った時に居た人達?」
ジン「そうだよ」
?「俺最初はびっくりしたけど今思い出したら面白いよね!!」
ジン「面白い〜?」
アオイ「分かる!!なんか冒険するお話の本みたい!!」
ジン「えぇ・・・?」
アオイ「それにジンさん達はこれから色んな世界を冒険しに行くんだよね!!」
アオイ「良いな〜」
?「そう?じゃあアオイちゃんも一緒に来なよ!!」
アオイ「え!?」
ジン「いや、そうだよ?」
ジン「ティアマトはこの世界の神様でアオイちゃんもあんまり関わらなかったとはいえ馴染み深い神様だよ?」
ジン「僕達がこれからする旅はそのティアマトを殺す為の旅だ、気軽に私も一緒に行くなんてさすがに言えないよ」
?「あ、そっか・・・ごめんね、困らせちゃう様なこと言って」
アオイ「い、いや・・・私も連れて行ってください!!」
ジン「えぇ!?」
?「えぇ!?」
ジン「良いの!?だってこれからやることあれだよ!?」
アオイ「良いんです、私がここを離れて冒険をしてみたいのもあります」
アオイ「でも・・・私がみんなと一緒に行っても行かなくても・・・」
アオイ「結局ティアマト様は暴走しちゃうし、ジンさん達はそんなティアマト様を止める為に殺すんですよね?」
アオイ「だったら・・・私何かしたいです」
アオイ「私そんな話を聞いて気にならない子には育ってません」
ジン「・・・」
?「アオイちゃん・・・」
アオイ「多分・・・私がジンさん達に出会ったのはこの為なんだと思います」
アオイ「私にしか出来ない何かでジンさん達を助ける・・・その為にあの時出会ったんだって」
アオイ「・・・」
アオイ「・・・ってなんか私恥ずかしいこと言ってませんか?」
アオイ「あの・・・!!わ、忘れてください!!」
ジン「いや・・・良いよ」
アオイ「え?」
ジン「ちゃんと両親に許可をもらった上なら良いよ」
?「俺も!!アオイちゃんが来てくれるなら嬉しい!!」
アオイ「──!!」
アオイ「はい!!私早速両親に話してきます!!」
ジン「あ、アオイちゃん待っ・・・って行っちゃた・・・」
?「ねぇねぇジン!!アオイちゃんが仲間に来てくれるのどう思う?俺すっごく良いと思う!!」
ジン「そうだね・・・まぁ良いと思うよ」
  ・・・
ギルガメッシュ「・・・」

〇古民家の居間
?「私はお仕事があるのでそろそろお話は終わりということで・・・」
?「あ、ジン君はギルガメッシュ君のお家で寝泊まりしてくださいね?」
ギルガメッシュ「はぁ!?なんでだよ!?こいつらはアオイの家があるじゃねぇか!!」
ギルガメッシュ「なんで俺の家で寝泊まりする必要がある?」
?「だって〜アオイちゃんの家じゃなくてこの家の方が都合が良いんですもの」
?「ギル君は村の方に絶対に来ないでしょう?」
?「アオイちゃんも最近はここによく来てるみたいだし!!」
?「ならここを集合場所にした方が良いじゃない?」
ギルガメッシュ「そ・・・れはそうだな・・・」
ギルガメッシュ「ったく・・・」
?「じゃあジン君!!私は貴方達が元いた世界に戻る手段を探してみます」
?「安心して!!たとえ代わりの分身でも私はこの世界の神様です!!」
?「ティアマト神の名にかけて貴方達をきっとすぐに元の世界に戻してみせます!!」

〇古民家の居間
ギルガメッシュ「おい、そろそろ明かり消すぞー」
ギルガメッシュ「アオイの家じゃ寝間着を貸してもらえただろうがあいにく俺は身体がこんなんだ」
ギルガメッシュ「それにお前よりもでかい、だから寝間着は貸してやれねぇ、だからそのままかそれでも嫌なら素っ裸で寝てくれ」
?「ジンも俺みたいに裸で寝る?」
ジン「いや、このままで良いよ・・・それに君はモフモフの毛皮があるじゃないか」
?「そっか〜じゃあおやすみ!!」
ジン「うん、おやすみ」
ジン「・・・ふぅ」

〇黒背景
  あ、また夢だ・・・今度は何が見えるんだろう・・・?
  ?「・・・で」
?「・・・ハハッひっでぇ顔してんな」
  ?「だめ、だめ・・・喋らないで!!」
?「・・・んだよ、こんなんじゃもう助からねぇだろ」
?「あーあ・・・やっぱり神なんぞに関わったらろくなことがねぇな・・・」
?「・・・」
  ?「ねぇ・・・返事して・・・」
  ?「だめ・・・だめ・・・だめ・・・!!」
  ?「あ・・・あぁ・・・あぁ!!」
  ?「あぁぁぁぁァァァァァ!!!!!!!!!!」
  ・・・
  これもティアマト神の夢なのか?
  かなり揺れてる・・・なんか意識も昨日よりはっきりとしてるし・・・明晰夢か?
  なんか風の音もしだした・・・だんだん状況が酷くなっていってる・・・
  ?「きて・・・きてよ・・・!!」
  今度はなんだ・・・?
  ?「起きてよー!!ジン!!」
  !?

〇古民家の居間
?「起きてよー!!ジン!!」
ジン「はっ!?」
?「ジンー!!なんか外の様子が変だよー!!怖いよー!!」
ジン「なんだって!?」

〇草原の一軒家
ジン「なんだこれ!?一体なんでこんな嵐になってるんだよ!?」
  To Be Continued

次のエピソード:「第六話 □み直しの世界 『エム、ヤン視点』」

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