Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

「第六話 □み直しの世界 『エム、ヤン視点』」(脚本)

Odyssey「胎内回帰ティアマト」

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〇古民家の居間
  無理やりジンの旅に同行した二人姉弟のエムとヤン。
  二人はジンと同様にアオイ宅とは違う島民の家に世話になっていた。
ヤン「んおー!!なんだこの料理!!うめー!!」
エム「はぁー!!こんなに美味しいものをタダで食べさせてくれるなんてあんた達良い奴らねー!!」
若い女性島民「んまぁー!!貴方達ほんとに美味しそうに食べてくれるわね〜」
若い女性島民「おかわりもあるわよ?」
エム「十杯頂戴!!」
若い女性島民「えぇ良いわ・・・えぇ!?十杯!?」
ヤン「あぁ姉ちゃんはその・・・大食いなんだわ」
若い女性島民「へぇ・・・こんな小さい身体の中にそんなに入るのね・・・?」
エム「うまぁい!!」

〇集落の入口
エム「はぁ〜食べたわ〜」
エム「何よここ〜畑仕事してるだけで病気にならない、長生き出来る、美味いものをお腹いっぱいに食べられる!!」
エム「あんなクソみたいな世界とは大違いだわー!!」
ヤン「姉ちゃんご機嫌だねー」
エム「そりゃご機嫌よ!!あたしは雨風凌げる場所と美味いご飯さえあれば大体ご機嫌な女よ!!」
エム「・・・っと」
エム「いけないいけない・・・目的を忘れちゃダメね」
エム「さっさと情報を集めちゃいましょ!!」
ヤン「そうだなーとりあえず子供にでも聞いてみるか?なんか俺達歓迎されてるし話してくれんだろ」
エム「そうするかねー」
エム「あ、いいところに来たわね!!ねぇちょっとあんた!!」
子供達「どうしたの?あれぇ?君達だれぇ?」
子供達「なんか変な見た目してるね?」
エム「はぁ?なんなのよあんた?いきなり失礼なガキね?」
子供達「ほんとうだもん、だって島のみんなはみんな髪が青いもん!!」
子供達「それに僕達君達みたいな子供見たことないもん!!」
エム「んなー!!ちょっと、あたしはあんた達人間で言う大人よ!!立派なレディなのよ!!小さくてもね!!」
ヤン「そうだぞ!!俺も大人・・・」
ヤン「ではねぇけど、お前達よりは年上だ!!」
子供達「そうなの?じゃあ何歳なの?」
ヤン「俺?15だぜ」
エム「・・・」
エム「20代と言っておくわ」
子供達「なぁんだ、君達やっぱり赤ちゃんじゃないか?」
エム「は?」
ヤン「うん?」
子供達「僕達はみんな356歳だよ!!」
エム「・・・」
エム(これが・・・異世界カルチャーショック)

〇海辺
エム「正直驚いたわ・・・まさかここに居るほとんどの奴らがあたし達より年上だなんて・・・」
ヤン「産まれたての赤ん坊に見える奴さえも俺達より50も年上だなんてな・・・」
エム「・・・でもこれは良い兆しよヤン!!」
エム「もしかしたらこの世界で「お目当てのもの」が見つかるかもしれないわよ!!」
エム「他の島民の話じゃティアマトの加護は凄いものらしいじゃない?」
エム「これであたし達の努力が報われるかも〜!!」
ヤン「まぁでも、多分あのジンって奴の協力が必要になるんじゃないかと思うけどなぁ」
子供達「あー!!見つけた!!」
子供達「ねぇねぇ貴方達遠くから来たっていう旅人さんなんだよね?」
エム「何よ?あたし達になんか用?」
ヤン(・・・)
ヤン(ここで俺達が探してるものがほんとに見つかるのかな・・・)
ヤン(正直なんか気になるな・・・ティアマトって奴、ほんとに見返りも無しに島民に色々与えて回ってるのか?)
ヤン(島民からの見返りが必要ないとしたら何が理由なんだ?)
ヤン(・・・まぁ今考えても仕方ねぇか)
ヤン(あのジンって奴に会ってみるべきかもな)

〇海辺
子供達「ありがとう二人共ー!!魔法楽しかったー!!」
女の子「ねぇねぇ?二人共今日は私のお家に来ない?」
女の子「もっと魔法見せて欲しいな!!」
ヤン「あぁ良いぜ、美味い飯食わせてくれんならな」
エム「沢山よ?最初に言っておくけどあたし大食いよ?」
女の子「うん、大丈夫!!食料はティアマト様がいっぱいくれてるから心配ないよ!!」
ヤン「本当か?油断してると俺の姉ちゃんに食料全部食われちまうぞ?」
エム「おいこら、さすがのあたしもちょっとは残すわよ」
女の子「あ、ほんのちょっとなんだ」

〇古民家の居間
エム「はぁ〜もう食べられないわ〜」
女の子「すごーい!!丼物を十五杯も食べちゃうなんて!!その小さなお腹のどこに入ってるの!?」
エム「ふふふ・・・それは秘密よ・・・」
エム「・・・ほわぁ」
エム「それじゃああたし寝るわ、寝床は何処なのよ?」
女の子「あれ?眠くなっちゃった?寝室はこっちだよ、付いてきて!!」

〇畳敷きの大広間
ヤン「・・・」
ヤン「・・・姉ちゃんは俺の為にいつも頑張りすぎだよ」

〇黒背景
  ・・・
  ・・・
  ヤン「姉ちゃん・・・!!」

〇畳敷きの大広間
エム「ん・・・何よぉ?」
ヤン「なんか外が変なんだ!!しかもこの家に誰も居ねぇし!!」
エム「えぇ・・・?」
ヤン「うわぁ!?」
エム「え?ちょっと!?何よ!?」
エム「雷!?嵐にでもなってんの!?だとしてもなんで急に!?」
エム「地震まで!?」
エム「あぁもう!!ヤン!!ここを出るわよ!!あのジンとかいう奴の所行くわよ!!」
ヤン「えぇ!?なんで!?」
エム「あいつなら何とか出来るかもしれないでしょ!!なんか神が暴走するから殺す的な話だったはず!!」

〇集落の入口
エム「何よこれぇ・・・!!」
  To Be Continued

次のエピソード:「第六話 □み直しの世界 『セベク視点』」

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