〇屋敷の寝室
瑚蓮(これん)「・・・諦めないわ!!」
瑚蓮(これん)「佐須良も菖さんも・・・ きっと来てくれる!! それまで私は 諦めないわ!!」
紫苑(しおん)「・・・・・・ねぇ・・・」
紫苑(しおん)「イイねぇ！イイねぇ・・・!!!!!!」
紫苑(しおん)「どうしてくれるの!?」
紫苑(しおん)「もっと欲しくなっちゃうじゃんっ!!!!!!」
紫苑(しおん)「もっと・・・ 壊したくなっちゃうじゃん・・・」
瑚蓮(これん)「来ないでっ!!!!」
紫苑(しおん)「何？ その鎖で遊ぶの!?」
瑚蓮(これん)「・・・」
紫苑(しおん)「・・・そんな事より・・・ もっとキミが知りたいなぁ・・・」
紫苑(しおん)「ねぇ？ 教えてよ・・・」
紫苑(しおん)「ねぇ？ どうしたら・・・」
　　ボクに・・・
　　
　　堕ちてくれる？

〇後宮の庭
　　あなたの幸せを願った
　　あなたとの未来を願った
　　あなたと出逢って・・・
　　あなたに惹かれ・・・
　　あなたに”恋”をした・・・
　　ねぇ？
　　ずっと・・・
　　
　　待っていてくれた人
　　あなたの”一番”は・・・
　　まだ今でも・・・
　　私のままですか？

〇古びた神社
萱草(かんぞう)「フハハハッッッ!!!!!! この程度か!?」
菖(しょう)「くそっ!!!! 斬っても斬っても・・・ キリがねぇ!!!!!!」
佐須良(さすら)「菖・・・我が囮になる!! その隙に瑚蓮の元へ!!」
菖(しょう)「いや・・・オレが囮になる!!」
菖(しょう)「はあぁっ!!!!!!!!」
萱草(かんぞう)「グッッッ!!!!!!」
佐須良(さすら)「すまぬ・・・!!!!!! 菖・・・!!!!!!」
佐須良(さすら)「瑚蓮！ 今、行く!!!!!!」

〇後宮の廊下
佐須良(さすら)「瑚蓮ー!!!!!!!!」

〇屋敷の寝室
瑚蓮(これん)「・・・あなたに・・・ 堕ちたりしないわ・・・!!!!!!」
瑚蓮(これん)「・・・確かに・・・ ここには・・・ 『聖河さん』も『槿迦さん』も『玖露』も・・・いない」
瑚蓮(これん)「・・・みんながいない世界だけど・・・」
瑚蓮(これん)「私は・・・ この過去が蘇って・・・ 良かったって思ってる！」
紫苑(しおん)「・・・」
瑚蓮(これん)「・・・だって・・・ 『祈る事』も『別離』も『恋』も・・・」
瑚蓮(これん)「・・・どれも・・・ 私にとっては 『大切な想い』だから」
瑚蓮(これん)「悲しいけど・・・絶望はしない・・・!!」
瑚蓮(これん)「私は・・・ この世界で・・・ この『かけがえのない想い』と 一緒に生きていく!!」
紫苑(しおん)「・・・じゃあ・・・ ボクも混ぜてよ？」
瑚蓮(これん)「え？」
紫苑(しおん)「今回の世界では・・・ ボクを・・・ 愛してよ？」
紫苑(しおん)「・・・どの平行世界でも・・・ ずっと・・・ ボクはね・・・」
紫苑(しおん)「キミを視てた・・・」
紫苑(しおん)「・・・でも・・・ もう視るだけはやめて・・・」
紫苑(しおん)「キミを手に入れたいんだよね」
紫苑(しおん)「平行世界の記憶が・・・ かけがえのない想いって言うなら・・・」
紫苑(しおん)「最後の記憶を想いながら・・・ ボクと・・・」
紫苑(しおん)「愛し合おうよ・・・!!!!」

〇大樹の下
？？？「瑚蓮・・・」
？？？「俺は いつだって・・・ お前の味方だからな」
？？？「もう・・・ 幼なじみをやめて・・・ 俺の妻になってくれ・・・」
瑚蓮(これん)「・・・ああ・・・ これは・・・」
瑚蓮(これん)「本当の兄のように・・・ いつも守ってくれてた・・・ 『葫蘆（ころ）』の記憶・・・」
瑚蓮(これん)「幼なじみをやめて・・・ 私の・・・父さまと母さまのお墓の前で・・・ 愛を誓ってくれた・・・」
瑚蓮(これん)「大切な家族で・・・ いつも私を支えてくれてた・・・ 大切な人・・・」
瑚蓮(これん)「・・・!?」

〇屋敷の寝室
佐須良(さすら)「瑚蓮ッッッ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「!!!?」
紫苑(しおん)「あーあ・・・ せっかく楽しんでいる所を・・・ 邪魔しないでくれる？」
佐須良(さすら)「・・・紫苑!!!!!! 瑚蓮から手を離せッッッ!!!!!!!!」
瑚蓮(これん)「・・・う・・・!? ・・・佐須良？ ・・・葫蘆・・・？」
佐須良(さすら)「!!!?!?」
佐須良(さすら)「そなた!! 『葫蘆（ころ）』の記憶まで 瑚蓮に蘇らせたのかっ!!!?」
紫苑(しおん)「クククククッッッ!!!!!! 佐須良ならわかるよなぁ!? この歪んだ表情!!」
紫苑(しおん)「サイッコーに・・・ 愛しいだろう!!!!!?」
佐須良(さすら)「この・・・ 下衆めっっ!!!!!!」
紫苑(しおん)「・・・っとっと・・・!! 危ないなぁ・・・」
佐須良(さすら)「・・・瑚蓮!!」
瑚蓮(これん)「・・・佐須良・・・」
佐須良(さすら)「・・・迎えに来たぞ・・・!! 帰るぞ？」
瑚蓮(これん)「・・・うん・・・」
紫苑(しおん)「・・・って・・・ 何、横取りしようとしてんの!?」
佐須良(さすら)「ぐっッッッ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「・・・どこまでも・・・ 邪魔しやがって・・・!!!!」
佐須良(さすら)「ガッ・・・!!!!!!」
佐須良(さすら)「!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「グハッッッッ!!!?」
佐須良(さすら)「瑚蓮に・・・ 足枷など!! 似合わんわっ!!!!!!」
瑚蓮(これん)（足枷が・・・!! 動ける!!）
佐須良(さすら)「瑚蓮・・・ 後退するぞ・・・!! 我にしがみつけ!!」
瑚蓮(これん)「うん!!」
紫苑(しおん)「待てよッッッ!!!!!!」
紫苑(しおん)「瑚蓮ッッッ!!!!!!!!」

〇古びた神社
萱草(かんぞう)「・・・」
菖(しょう)「ハァ・・・ハァ・・・!!!! これで・・・終わったか!?」
菖(しょう)「早く・・・ 瑚蓮の元へ行かねぇと・・・!!」
？？？「菖!!!!!! 一旦、引くぞ!!!!!!」
菖(しょう)「佐須良!! 瑚蓮!!!!」
菖(しょう)（・・・このまま萱草を残して後退するのは・・・ 癪だけど・・・）

〇草原
佐須良(さすら)「・・・瑚蓮・・・ 大丈夫か？」
瑚蓮(これん)「・・・うん・・・」
菖(しょう)「・・・大丈夫って顔じゃないわよ・・・？」
菖(しょう)「・・・佐須良・・・ ちょっと休憩しましょ？」

〇睡蓮の花園
菖(しょう)「・・・ここまで来れば・・・ 大丈夫でしょ？」
瑚蓮(これん)「あ・・・ここは・・・」
佐須良(さすら)「菊の水源だ・・・」
菖(しょう)「・・・瑚蓮・・・ 大丈夫？」
菖(しょう)「・・・平行世界の記憶を・・・ 無理矢理・・・ 四つも思い出させられたんだもの・・・」
菖(しょう)「・・・キツイなら正直に 言いなさい・・・」
瑚蓮(これん)「・・・ん・・・ありがとう・・・ ちょっと頭が痛いっていうか・・・ 頭の中が・・・ ぐちゃぐちゃで・・・」
佐須良(さすら)「・・・体は・・・ 大丈夫か？ 彼奴に・・・ 変な事をされてないか？」
瑚蓮(これん)「・・・うん・・・ 大丈夫!! ありがとう・・・──って・・・」
瑚蓮(これん)「二人の方が・・・傷だらけだから・・・ ゆっくりして？」
瑚蓮(これん)「助けてくれて・・・ 本当にありがとう!!!!」
瑚蓮(これん)「・・・ごめんね・・・」
瑚蓮(これん)「私の不注意で・・・」
菖(しょう)「アンタは悪くないわよ!?」
佐須良(さすら)「そうだ・・・!! 悪いのは彼奴らと・・・」
佐須良(さすら)「我の・・・身勝手な想いだ・・・」
瑚蓮(これん)「???」
菖(しょう)「・・・佐須良・・・ 瑚蓮はアタシが食べた全部の記憶を 取り戻してしまったのよ・・・？」
菖(しょう)「全部・・・ 伝えてもいいんじゃない？」
瑚蓮(これん)「菖さんが・・・食べた・・・？」
佐須良(さすら)「・・・」
瑚蓮(これん)「どういう事？」