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第六涙 愛執(脚本)

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〇屋敷の牢屋
紫苑(しおん)(兄者・・・ やっぱりここで寝てたな・・・)
紫苑(しおん)(・・・兄者に・・・ 瑚蓮を見つけられると・・・ すぐに喰べちまいそうだから・・・)
紫苑(しおん)(兄者には・・・ 悪いけど・・・)
紫苑(しおん)(ボクは・・・ もうちょっと瑚蓮で 遊びたいんだよね・・・)

〇水中
  欲しい
  欲しい
  キミが欲しい・・・
  キミの
  
  絶望に塗れた表情が・・・
  愛しくて・・・
  たまらない・・・
  いつかくれた
  キミの優しさが・・・
  ボクを・・・
  囚えて離さない

〇古びた神社
紫苑の手下「ココ! シオンサマト カンゾウサマノ ネグラ!」
菖(しょう)「ここね!!」
佐須良(さすら)「正面突破するか!?」
紫苑の手下「オ、オデ・・・ アンナイシタ!! ジャアナ!!」
菖(しょう)「瑚蓮には悪いけど・・・ 燻し出してやるわ!!」
菖(しょう)「弾いたっ!?」
佐須良(さすら)「小癪な!!」

〇屋敷の寝室
瑚蓮(これん)「う・・・!?」
瑚蓮(これん)「ここ・・・どこ?」
紫苑(しおん)「お? お目覚め!?」
瑚蓮(これん)「痛っ!!!!!!」
紫苑(しおん)「って──やっぱり痛いよねー」
瑚蓮(これん)(ん? 体から痛みが消えた!?)
紫苑(しおん)「こうして・・・この世界で顔を合わせるのは・・・ハジメテかな?」
紫苑(しおん)「・・・ボクは知ってて・・・ キミは知らないなんて・・・」
紫苑(しおん)「・・・ああ・・・ ゾクゾクするねぇ!!!!!!」
瑚蓮(これん)「・・・えっと・・・ ・・・どこかで?」
紫苑(しおん)「会ってるけど・・・ 教えない」
瑚蓮(これん)「・・・」
瑚蓮(これん)(!? 足に鎖が──!?)
紫苑(しおん)「ああ、ソレ? 逃げられちゃ困るからね」
瑚蓮(これん)「あなたは・・・誰!? 助けてくれたり・・・ 縛ったり・・・ どうして・・・こんな・・・!?」
紫苑(しおん)「ボクは・・・紫苑」
紫苑(しおん)「・・・勘違いしないで欲しいなぁ・・・」
紫苑(しおん)「キズを癒したのは・・・こっちの手違いだったから治してあげたまでのこと・・・」
紫苑(しおん)「・・・ボクはね・・・瑚蓮・・・ キミの絶望に塗れた表情が 見たいだけなんだぁ・・・」
瑚蓮(これん)「・・・あ、生憎!! 絶望する予定はないけど!?」
紫苑(しおん)「クククッ! 今から ボクが絶望を与えてあげるんだよ・・・」
瑚蓮(これん)「け、結構です!! いりません!!」
紫苑(しおん)「まあまあ、そう言わずに・・・」
紫苑(しおん)「絶望に・・・!! 浸してあげる!!」

〇睡蓮の花園
???「瑚蓮・・・」
???「・・・アンタが好き・・・」
???「・・・二番目は、もう嫌なんだ・・・」
???「・・・アンタだけだ・・・ オレの瞳をキレイだって・・・ 言ってくれるのは・・・」
瑚蓮(これん)「『玖露(くろ)』・・・」
瑚蓮(これん)「これは・・・ お月様のような瞳で・・・ 真っ直ぐに 私を想ってくれた・・・」
瑚蓮(これん)「『玖露』の記憶・・・」
瑚蓮(これん)「恋する心を・・・ 与えてくれた・・・」
瑚蓮(これん)「大切な・・・『玖露』・・・」

〇時計
菖(しょう)「今度は『玖露(くろ)』の記憶まで!!!!」
菖(しょう)「アイツら!!!! 瑚蓮をどこまで苦しめる気!?」

〇屋敷の寝室
瑚蓮(これん)「・・・いやぁ・・・!! 玖露・・・!!」
紫苑(しおん)「ハハハハッッッ!!!!!!!!」
瑚蓮(これん)「玖露・・・!! 玖露・・・!!!!!! 戻って来て・・・!!!!!!」
紫苑(しおん)「クハハハッッッ!!!!!! やっぱり間近で見るのはサイッコーだなぁ!?」
紫苑(しおん)「あと一つ・・・ 記憶を蘇らせるのが 惜しいねぇ・・・!!!!」
紫苑(しおん)「そうだ!!!!!!」
紫苑(しおん)「ボクのヨメになっちゃいなよッ!!!!」
紫苑(しおん)「そうすれば・・・ 最後の記憶を小出しにしながら・・・ ずっと 可愛がってあげれるし!?」
紫苑(しおん)「・・・そうなると・・・ 兄者が邪魔だなぁ・・・」
紫苑(しおん)「・・・それと・・・ さっきから・・・ 外でウルサイ 二匹の虫も邪魔だしなぁ・・・」
紫苑(しおん)「そうだ!! 良い事思いついた♪」

〇屋敷の牢屋
萱草(かんぞう)「・・・チッ・・・ 開かねー!!」
紫苑(しおん)「兄者・・・起きてたの!?」
萱草(かんぞう)「どういうつもりだ? 紫苑!?」
紫苑(しおん)「どーもこーもないよ・・・ 兄者・・・」
紫苑(しおん)「瑚蓮を捕まえたんだけどさぁ・・・」
萱草(かんぞう)「何っ!?」
紫苑(しおん)「外で・・・ 瑚蓮を追って来た ウルサイ虫が 二匹いるんだよねぇ」
萱草(かんぞう)「む! そいつらは儂に任せておけ!!」
萱草(かんぞう)「お前は、瑚蓮を喰べる準備をしておけっ!!!!」
紫苑(しおん)「はーい♪」
紫苑(しおん)(クククッ! これで、相殺してくれれば・・・!!)

〇古びた神社
菖(しょう)「あともう少しって所かしら!?」
佐須良(さすら)「この障壁の硬さ・・・!! くっ・・・!! 奴等の力も侮れんな!!」
菖(しょう)「急がないと瑚蓮が危ないわ──」
萱草(かんぞう)「煩い・・・!!!! 羽虫共が!!!!」
佐須良(さすら)「あれは・・・萱草!!」
菖(しょう)「・・・萱・・・草・・・!!!!!!!!!!」
佐須良(さすら)「はっ!! 菖!!!! 待て!!!! 落ち着け!!!!!!」
菖(しょう)「落ち着けるわけ!!!! ねぇだろッッッ!!!!!!!!」
萱草(かんぞう)「ん? 美味そうな匂いが紛れてると 思ったら・・・」
萱草(かんぞう)「お前・・・ 瑚蓮の倶生神の片割れだな?」
萱草(かんぞう)「あの時は、馳走になった!!!!!!!!」
萱草(かんぞう)「さすが、瑚蓮の倶生神!!!!!! 瑚蓮の父母もなかなかの味だったが・・・ お前の片割れもなかなかの美味だったなぁ・・・」
萱草(かんぞう)「ああ・・・ 瑚蓮自身は・・・ 更に極上の味がするのだろうなぁ・・・」
菖(しょう)「黙れッッッ!!!!!!!!」
佐須良(さすら)「相変わらずのクズだな・・・!!!!!!」
萱草(かんぞう)「・・・そして・・・ 佐須良!!!!!! どの平行世界でも邪魔しおって!!!!!!」
萱草(かんぞう)「今度こそ叩き潰してやるッッッ!!!!!!!!」
萱草(かんぞう)「おっと・・・!!」
萱草(かんぞう)「グハッ!!!!!!」
萱草(かんぞう)「ガッ!!!!!!」

〇屋敷の寝室
瑚蓮(これん)「・・・」
紫苑(しおん)「瑚蓮・・・待たせたね・・・」
瑚蓮(これん)「・・・ない・・・で・・・」
紫苑(しおん)「ん?何て?」
瑚蓮(これん)「近寄らないでっ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「アッハッハッッッ!!!!!!!!」
紫苑(しおん)「ククッッッ!!!! イイねぇ!! その目!!」
瑚蓮(これん)「近寄らないでっ!!!!!!」
紫苑(しおん)「他には? もっと喋ってよ?」
瑚蓮(これん)「触らないでッッッ!!!!!!」
紫苑(しおん)「いいじゃないか・・・ アイツらは撃ち合って・・・ どうせこの部屋まで来れないよ?」
紫苑(しおん)「ボクはね・・・瑚蓮 キミと もっと喋ってみたかったんだよね」
瑚蓮(これん)「・・・鎖を・・・ 外して!!」
紫苑(しおん)「・・・ああ・・・ごめんごめん 鎖で繋いでたら・・・ 邪魔だよね?」
瑚蓮(これん)(・・・なんとかここから抜け出さないと・・・!!)
紫苑(しおん)「・・・でも気丈だね? 記憶を三つも立て続けに思い出して・・・ もっと泣き叫ぶかと思った・・・」
瑚蓮(これん)「・・・」
紫苑(しおん)「・・・これなら・・・ いっそ最後の記憶も 蘇らせてみる?」
紫苑(しおん)「容量超えた・・・ キミの・・・狂った姿も・・・ かわいいんだろうなぁ・・・」
紫苑(しおん)「誰も助けに来ない・・・ なす術もなかった過去を頭に抱えて・・・ どこに行くあてもない・・・」
紫苑(しおん)「・・・目の前にいるのは・・・ ボクだけ・・・」
紫苑(しおん)「・・・縋れるのも・・・ ・・・ボクだけ・・・」
紫苑(しおん)「ねぇ?瑚蓮? 諦めなよ?」
瑚蓮(これん)「・・・諦めないわ!!」
瑚蓮(これん)「佐須良も菖さんも・・・ きっと来てくれる!! それまで私は 諦めないわ!!」

次のエピソード:第七涙 奪還

コメント

  • ストーリーの広大さと、詳らかな心情描写にゾクゾクしっ放しの第六話でした😆(※紫苑のゾクゾク感とは違うはずです……たぶん😅)

  • 紫苑が1番ヤバい奴だったんですね?
    コレン頑張れ!
    今度はクロの記憶が…。
    今回は並行世界では繰り返し同じ戦いが起きているということが分かりました。
    だとしたら、今の世界でも忘れているだけで、コレンの愛しい人は存在する?
    壮大な世界観に、脱帽です。

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