幸せの味

夏目心 KOKORONATSUME

3 新しい生活(脚本)

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〇豪華なベッドルーム
桐宮霧斗「う、う〜ん・・・」
桐宮霧斗「あ、もう朝・・・」
  女社長、鮫島花恋さんに雇われる事に成った俺は鮫島家に誘われる事と成った。今まで金持ちの家で寝ると言った事はして無いので、
  何だか凄い違和感だった。
桐宮霧斗「ぼさっとして無いで、料理やるか」

〇広い厨房
桐宮霧斗「良し、こんな所かな」
桐宮霧斗「サヤカちゃん、起きてるかな」

〇洋館の廊下
桐宮霧斗「お、あれは・・・」
鮫島サヤカ「あ!お兄ちゃんお早う!」
鮫島花恋「お早う御座います霧斗君。昨日は良く眠れたかしら?」
桐宮霧斗「んまぁ、こう言う雰囲気慣れて無いから凄い違和感有りましたが、ぐっすり寝れました」
鮫島花恋「そう!それは良かったわ!」
桐宮霧斗「丁度良かった。サヤカちゃんにこれ渡そうと思ってました」
鮫島サヤカ「おぉ!!お兄ちゃんお料理上手なんだね!!」
桐宮霧斗「今日のお昼にって思って作って見たんだ。俺の料理は全て師匠直伝だから」
鮫島花恋「本当、無理言って此処に来て貰って有難いわ」
桐宮霧斗「大した事無いです。俺も師匠も料理が大好きなんで。これから朝食ですよね?続きは向こうで話しませんか?」
鮫島花恋「はい!!」
工藤信宏「・・・・・・」

〇城の会議室
鮫島サヤカ「お兄ちゃんはどうしてお料理しようと思ったの?師匠のおじさんのご飯が美味しかったから?」
桐宮霧斗「そうだね・・・あの時俺、中学生だったし、家追い出されたの3年生に成る前にだったから、凄く追い詰められちゃってて」
桐宮霧斗「そしたら俺の目の前に師匠が現れて、俺はお前見たいに自分は世界で一番不幸ですって顔した奴が大嫌いって言われて」
桐宮霧斗「無理矢理店に連れてかれて、その時師匠が出してくれたおにぎりが物凄く美味しくて感動しちゃってね」
桐宮霧斗「帰る所も無いから、思い切ってやって見た。毎日しんどかったけどね」
鮫島サヤカ「それじゃあ、おじさんは命の恩人さんなんだね!」
桐宮霧斗「そうだよ。サヤカちゃんって小学生だよね。好きな科目とかって有る?」
鮫島サヤカ「そうね・・・算数と理科が一番好きだよ。国語は苦手だからあんまりやりたく無い」
鮫島花恋「こらサヤカ、学校の授業で好き嫌いしない」
鮫島サヤカ「は〜い・・・」
桐宮霧斗「何だか楽しそうですね」
鮫島花恋「そんなんじゃ無いわ。 余り甘やかし過ぎちゃうと後々取り返しが付かないから。お金持ちなら尚更ね」
桐宮霧斗「あはは、何処の家庭も色々有りますね」
鮫島花恋「まぁ、ウジウジしても仕方無いわ!さぁサヤカ、早く食べちゃって!早くしないと遅刻するわ!」
鮫島サヤカ「はーい!」

〇ファンタジーの学園
桐宮霧斗「それじゃあ二人共気を付けて。後片付けは大丈夫なので」
鮫島サヤカ「うん!お弁当楽しみにしてるね!」
鮫島花恋「霧斗君、今日仕事終わったら話したい事有るから、時間作ってくれる?」
桐宮霧斗「分かりした」
セバスチャン「花恋お嬢様、サヤカお嬢様、お車の用意が出来ました」
鮫島花恋「有難うセバスチャン。それじゃあ霧斗君、また後で」
桐宮霧斗「さて、後片付けの後は仕込みの用意と・・・」
工藤信宏「おいお前!」
桐宮霧斗「ん?俺に何か?」
工藤信宏「俺はこの屋敷でシェフをやってる工藤信宏だ。お前昨日入って来た新入りだろ?」
桐宮霧斗「そうですが何か?」
工藤信宏「俺はなぁ、高校卒業してから調理専門学校に通っててな。資格も取って夏目ホールディングスって一流尽くしで修行して」
工藤信宏「この屋敷に雇われて一番腕が良いって評判なんだ。だけど、そんな俺の腕を持ってしてもあのガキが俺の料理を食べる事は無かった」
工藤信宏「だけど聞いた話・・・ガキはお前の料理を食った!お前一体何をしたんだ?」
桐宮霧斗「いや、何もしてませんが、師匠に教えて貰った通りの事しかやって無いし」
工藤信宏「そんな訳無いだろ!鮫島財閥はどんな高級食材も手に入れられるし、僕の腕が有ればどんな料理にも負けはしない!」
工藤信宏「そんな僕が、ぽっと出のお前に負けた。僕は認めないならな!」
桐宮霧斗「あの、言いたい事は分かったから退いてくれないかな?まだ仕事が残ってるし、料理で勝ち負け決める趣味無いから」
工藤信宏「何だと!?まぁ良い見てろよ。お前がどんなイカサマしたか、花恋お嬢様に見せ付けてやる!!」
  変な奴に足止めされたが、正直そんな事はどうでも良かった。あいつの事は気にせず、俺は厨房に戻って仕事に掛かるのだった。

〇豪華なベッドルーム
鮫島花恋「霧斗君、今日は私からの我儘聞いてくれて有難う」
桐宮霧斗「大丈夫ですよ。今日はどうしたんですか?」
鮫島花恋「あのね、私が貴方にお願いしたいのは・・・」

〇広い厨房
桐宮霧斗「料理を覚えたいって、花恋さん、今からやるんですか!?」
鮫島花恋「えぇ!私は貴方に教わりたいの!」
桐宮霧斗「でも、流石に仕事終わりで疲れてますよね?明日とか、休日でも・・・」
鮫島花恋「霧斗君、その言い方は駄目だよ!明日とか、休日とかって言ったら、私は何時料理教われば良い訳?今やれる事をやらなかったら、」
鮫島花恋「何時に成ってもやれないから!サヤカにも何時もそう言ってるわ!」
鮫島花恋「何より、こう見えて私タフな方だから心配しなくて大丈夫!だからお料理教えて!ね!」
桐宮霧斗「わ、分かりした。でも無理は本当しないで下さいね。ついで、俺師匠見たいに教えられるか分からないので」
鮫島花恋「大丈夫よ!師匠に教えて貰った事を教えれば良いから!」
桐宮霧斗「・・・分かりした」
  花恋さんが俺に話したい事とは俺に料理を教わる事だった。立場上、多忙な花恋さんに負荷を書けるのは気が引けたが、
  彼女の意外な頑固さには勝てないと感じて教える事に成ったのだが、
桐宮霧斗「花恋さん!待った待った!!」
鮫島花恋「どうしたの霧斗君?」
桐宮霧斗「包丁の構え方が違います!何で左手はそのままなんですか!?」
鮫島花恋「な、何を言ってるの?」
桐宮霧斗「え?猫の手、知らないんですか?」
鮫島花恋「猫の手・・・・・・にゃあ・・・」
  一体この人は何をしてるんだと突っ込みたく成ったが、俺は自分を落ち着かせた。猫の真似をした花恋さんが可愛いと
  思ったのは内緒だ。
桐宮霧斗「質問です。料理の経験は有りますか?」
鮫島花恋「学生の頃、調理実習何度もやったわ。でも私、他の子に役を取られてばっかで」
桐宮霧斗「な、成る程。分かりした。そしたら、形から教えましょう」
  取り合えず俺は花恋さんに基礎から教える事と成った。包丁の使い方、火の加減等、丁寧に教えながらやって見たが、
  俺が師匠に教わりながらやってた事を思い出しながらやってて、相手に料理を教えるのが何だか楽しく、何処か感慨深かった。
  前は自分が教わる側だったのに、今は自分が誰かに教えてるのが何だか不思議な気分だった。
鮫島花恋「で、出来た!私本気で料理したの初めてなのに、こんなに美味しそうに!」
桐宮霧斗「あ〜・・・やっぱ初めてでしたか。でも実際やって見ると楽しいですよね」
鮫島花恋「霧斗君有難う!後は経験を積むのが大事なのよね!?」
桐宮霧斗「はい。やり方を覚えたら後は繰り返す事です。基礎が出来れば、レシピを見ながら一人でも出来る様に成ります」
桐宮霧斗「後、洗い物は絶対に忘れないで嫌がらずにやって下さいね。昔それで怒られた事有りますから」
鮫島花恋「分かったわ。今日は本当に有難う!」
  その後、花恋さんは教わった料理を食べ、洗い物をして俺達は解散した。今後も料理を覚えたいとの事で俺はこれから毎日
  料理を教える事と成った。

次のエピソード:4 師匠の秘密

コメント

  • ほっこり日常会ですね。
    師匠から弟子にそして
    弟子が師匠となり、また弟子にと受け継ぎが・・・ちょっと違いますが・・・
    努力家故に嫉妬や劣等感はあるものですが・・・
    工藤の発言・・・イカサマを暴く発言は一流ではないですね・・・
    料理人なら料理で見せないと・・・
    一時的なほっこり・・・でしょうけどどう動くのか楽しみです。

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