狐とヘビ(脚本)
〇田舎町の通り
私が子どもの頃に
友人の家の前でバトミントンを
していたときのお話です──
おけの「サンダー!」
もじゃこ「じゃ──サンダガ!!」
おけの「え、えっとー」
おけの「──だめだぁ。 もう思いつかないよー」
もじゃこ「じゃ、おけのちゃんの負けー!」
おけの「魔法を唱えながらの バトミントンは難しいな」
おけの「ね、もう一回、もう一回! 勝負しよう」
もじゃこ「いいよ! 負ける気がしないね」
おけの「今度こそ、もじゃこに勝つ!」
もじゃこ「受けてたーつ!」
おけの「じゃ、行くよー!」
おけの「エアロガ!!」
もじゃこ「あ──」
おけの「ごめん! チカラ入りすぎちゃった!」
シャトルがもじゃこを通り越して、
2人ともその方向に顔を向けた。
もじゃこ「飛ばしすぎだよー」
おけの「ごめん、ごめ──」
おけの「わっ!!」
おけの「あの黄色いの、なに?」
もじゃこ「わわ! なんだろう?」
一本道の道路の真ん中で
細長い生き物がくねくねと
左右に動いていた。
おけの「きつね色が横にクネクネ動いてる!」
もじゃこ「少しふわふわしてる?」
おけの「きつね・・・かなぁ?」
もじゃこ「その割には細いなぁ。 ねぇ、近くで見てみよう」
おけの「なんの動物か見てみよ」
おけの「あれ?」
もじゃこ「いなくなっちゃった・・・」
おけの「きつねみたいなの、見ながら走ったのに」
もじゃこ「どこに行っちやったんだろ・・・」
おけの「あ、近くに小川が流れてるね。 ここから逃げちゃったのかな」
もじゃこ「本当だ。 もういないから、戻ろっか」
おけの「バトミントンの続きやろう!」
もじゃこ「あれ・・・」
おけの「どうしたの?」
もじゃこ「私の家の塀に──」
もじゃこ「ヘビがいる! しかも真っ黒!!」
おけの「ほ、ほんとだ・・・ どうする?」
もじゃこ「石を投げて追い出す!」
おけの「だ、大丈夫なの?」
もじゃこ「このままじゃ、危ないもん」
もじゃこ「ほら! 出て行って!!」
おけの「動かないね・・・」
もじゃこ「出ていかないとだめー」
おけの「ねぇ、やめよう。 石が当たったら悪いこと起きそう」
もじゃこ「そう言えば・・・ ヘビは神様と言うもんね」
おけの「じゃ、続きやろう!」
もじゃこ「そうだね!」
このままバトミントンをしていたら、
塀にいたヘビはいなくなっていました。
狐みたいな生物は
それ以来見ていません。
今思うと、
もしも投げた石が
ヘビに当たっていたら──
何かあったのではないかと
思ってしまうのです
狐もヘビも、怪異の定番にして神様と関わりのある生き物ですから、ひょっとしたら……って思いますよね。大人になって思い返すと。。
魔法の種類が、某RPGを想起させるもので、思わずニヤリとしてしまいましたw
バドミントン中の繋がりでヘビと黄色いくねくねがストーリー中にあったのですね。
関連なかったのかー。
それにしてもなんだか不思議ですね。
子供の頃の記憶を掘り起こすと、不思議だったけど「わかんなーい」で済ませていたことが結構ありますよね。