第二話「惑星イルカ」(脚本)
〇宇宙空間
なんとか宇宙空間に出発した
リンゴとミミズは
惑星イルカに向かっていた
惑星イルカにいる物知りな男なら
リンゴが元の惑星に帰る方法も
知ってるかもしれない
ミミズがそう言ったからだ
〇コックピット
ミミズ「眠れ~、眠れ~♪ バナナの夢見て眠れ~♪」
リンゴ「なんなの? その歌」
ミミズ「昔、お母さんがよく歌ってくれた子守歌」
ミミズ「ま、お母さんの顔は あんまり覚えてないんだけど」
リンゴ「ふーん・・・ それより、方角はこっちでいいの?」
ミミズ「多分ね」
リンゴ「多分!? ちょっとしっかりしてよ!」
ミミズ「いい子は眠れ~♪ バナナを食べて眠れ~♪」
リンゴ「もう! 歌なんか、なんの役にも 立たないんだから黙ってて!」
ミミズ「役に立たないようなものが 役に立つこともあるよ・・・」
ミミズ「あ、惑星イルカ!」
リンゴ「! あの青い星が・・・」
リンゴ「って、宇宙船落下してない!?」
ミミズ「もしかしたら重力が強めの星なのかもね」
〇地球
リンゴ「さ、先に行ってよ~!」
〇沖合
広大な海にたくさんの
ゴミが浮かんでいる
ミミズ「落下した場所が海で良かったね」
リンゴ「ったく・・・それにしても この星もゴミばかりね」
リンゴ「! 海が光ってる!?」
ミミズ「いや、違う! 船だよ 潜水艦が浮上してくる!」
宇宙船の真横に小型の潜水艦が浮上した
ビン「なんだ。人か」
ビン「上のほうで音がすると思って 浮上したんだが・・・」
ミミズ「あ、ビンだ!」
ミミズ「リンゴ、物知りな人ってこの人だよ 海のゴミをいつも清掃しているんだ」
ビン「お前、小惑星バナナのミミズじゃねえか こんなとこで何してんだ?」
リンゴ「ね、ねえ。あなた、惑星フルーツに 帰る方法を知ってるの?」
ビン「ん? 誰だお前は?」
リンゴ「私は惑星フルーツに帰りたいの 方法を知っていたら教えて」
ビン「なんで俺がお前なんかに 教えなきゃならないんだ」
リンゴ「お願い! なんでもするから」
ビン「なんでもか・・・」
ビン「なら一つ、条件がある」
リンゴ「条件?」
〇水中
リンゴが潜水艦を操縦し
ミミズが助手席に座る
ミミズ「良かったね、リンゴ これで元の星に帰れるかも」
リンゴ「冗談じゃないわよ。こんな広い海で 光るサカナを捕まえて来いなんて・・・」
リンゴ「見つかりっこないわよ」
リンゴ「しかも、光るサカナは巨大なタコに 守られてるとか言ってたし・・・」
リンゴ「下手すれば私たち海のゴミになるわよ」
ミミズ「リンゴは泥棒なんだし大丈夫」
リンゴ「泥棒じゃない! トレジャーハンター!」
ミミズ「あ、リンゴ! ス、ストップ! ストーーーップ!」
潜水艦を急停車するリンゴ
正面に、巨大タコが眠っている
巨大タコ「グー、スピー。グー、スピー・・・」
リンゴ「な、何あの大きさ・・・ まるで山じゃない・・・」
ミミズ「でも眠っているみたいだよ チャンスかも」
ミミズ「ほら、タコの後ろのほうに 光るサカナも見えてる」
リンゴ「くっ・・・! 万が一起きちゃったら 私たちなんか一口で食べられるわよ」
ミミズ「大丈夫だよ。きっと」
リンゴ「あんたの楽観主義は どこからくるわけ・・・?」
ミミズ「ゆっくり進もうー」
リンゴは操縦桿を握り
ゆっくりと潜水艦を進めて行く
巨大タコの真横を通り過ぎ、潜水艦から
伸びる網で光るサカナをゲットした
ミミズ「やった・・・!」
リンゴ「なんだ・・・案外簡単じゃない」
リンゴ「なんでこんなことをあの大男は 私たちに頼んだわけ?」
ミミズ「あ、リンゴ。右見てよ。おっきいね」
ガラス窓の外では
巨大なタコが睨みつけている
巨大タコ「グルオウヌガウアァァァァ!」
リンゴ「うわぁぁぁぁぁ!!! なんかめっちゃ怒ってるぅ~!」
ミミズ「リンゴ 急発進したほうがいいんじゃない?」
リンゴ「もぉぉぉ!!!」
〇水の中
潜水艦が猛烈なスピードで
岩陰に逃げ込む
巨大タコが岩全体に絡みつき
全てを飲み込もうとしている
巨大タコ「ガギブオグビガィァァァ!!」
リンゴ「ひぃ・・・! なんなのよ、このタコ」
ミミズ「多分、この光るサカナに 反応しているんだよ」
ミミズ「このサカナを元に戻せば落ち着くのかも」
リンゴ「冗談じゃない。せっかく捕まえたのに!」
ミミズ「どうするの?」
リンゴ「仕方ない・・・」
リンゴ「ロケットランチャーをぶっ放す・・・!」
ミミズ「えー! そんなの付いているの?」
リンゴ「いや付いてたらいいなって」
ミミズ「なあんだ。楽観主義か」
リンゴ「あー、もうどうしよう・・・!」
ミミズ「リンゴ、少し落ち着きなよ 歌でも歌うからさ」
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