〇モヤモヤ
朝夢ミキ「ここは？」
「私は何もない」
朝夢ミキ「だれ？」

〇手
闇のミキ「貴方は何もない」
闇のミキ「だから、何も感じない」
朝夢ミキ「わっ、私？」
闇のミキ「そう、私はあなた・・・」
闇のミキ「あなたの心を写した私・・・」
朝夢ミキ「私の心？」
闇のミキ「あなたは嘘つき」
闇のミキ「『誰かを守る』、『必ず助ける！』、『私が救う』、そうしてずっと戦っている」
闇のミキ「それは自分の気持ちを隠すためについた、 嘘の言葉・・・」
闇のミキ「あなたは人を守りたいんじゃない、本当は守られたいと感じている」
朝夢ミキ「私に感情はいらない」
闇のミキ「あるわ」
闇のミキ「あなたの言葉の裏には誰かを求めるものがある」
朝夢ミキ「私は嘘をついていない、今までもこれからもやることは何も変わらない」
闇のミキ「そうかしら？」
闇のミキ「本当は寂しいんでしょ？」
闇のミキ「お母さんもいない、おばあちゃんもいない、 兄も帰ってこない」
闇のミキ「誰もあなたのそばにいない」
闇のミキ「苦しみ、悲しみの日々。喜びのないあなたは孤独な子・・・・・」
朝夢ミキ「やめて・・・」
闇のミキ「どうして、あなたは生きてるの？」
朝夢ミキ「やめてっ！」

〇黒
　　『誰もお前を救えない・・・・・・』

〇女性の部屋
朝夢ミキ「ハッ！」
朝夢ミキ「夢・・・？」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・」

〇高架下
　　駅前────────
アムロ「いやぁ〜今日も無事に依頼解決だな！」
朝夢ミキ「よく言うわよ」
朝夢ミキ「何もせずただ突っ立ってたくせに」
アムロ「うっ・・・！」
アムロ「まっまあまあ、細かいことは気にするなよ」
朝夢ミキ「『細かいこと』って・・・・・・」
朝夢ミキ「じゃあ、終わったから帰る」
アムロ「たまには飯でも食いに行かないか？」
朝夢ミキ「デートならほかでしなさいよ」
アムロ「違うわっ！」
朝夢ミキ「アンタとそんな暇あるなら修行でもしてる」
朝夢ミキ「じゃあね」
アムロ「つまんねぇ奴」
アムロ「じゃ、たまにはキャバにでも繰り出すか！」

〇綺麗な一戸建て
　　朝夢家──────
朝夢ミキ「アムロってば、相変わらず口だけ達者なんだから」
朝夢ミキ「ハァ〜疲れるわ」

〇シックな玄関
朝夢ミキ「ただいまー」
朝夢ミキ「誰か来てるのかな？」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・」
朝夢ミキ「この靴、もしかして・・・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
「よお、ミキ」
朝夢 零「お帰り」
朝夢ミキ「おっお兄ちゃん!?️」
朝夢 零「久しぶりだな」
朝夢ミキ「久しぶり〜どうしたの？」
朝夢 零「妹の顔を見たくなってな」
朝夢ミキ「嘘でしょ？」
朝夢 零「可愛い妹に会いに来ちゃいけないのか？」
朝夢ミキ「そんな暇あるなら、いいかげん彼女でも作ったらどう？」
朝夢 零「くっ！相変わらずの毒舌ぶり・・・」
朝夢ミキ「それで？」
朝夢ミキ「本当は何しに来たの？」
朝夢 零「あっ！そうだったな」
朝夢 零「・・・・・・・・・」
朝夢ミキ「何？」
朝夢 零「・・・・・・・・・」
朝夢 零「お前に聞きたい事がある」
朝夢ミキ「何よ？」
朝夢 零「お前、いつまで妖術師を続けるつもりだ？」
朝夢ミキ「えっ？」
朝夢 零「実力は認める。お前の持つ能力は非常に高いし、その年で妖術を使いこなしている」
朝夢 零「実際、お前に救われた人が何人もいるだろう」
朝夢 零「だが・・・、」
朝夢 零「力を持つ奴ほど脅威に晒される危険がある」
朝夢 零「お前も知っているだろ？戦いに身を投じた奴がどんな結末を迎えるかを・・・」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・・・・」
朝夢 零「お前は心を閉ざしている」
朝夢 零「喜びも、楽しみも、悲しみも、何も感じないまま戦っていたら、いずれ──」
朝夢ミキ「お兄ちゃん・・・」
朝夢ミキ「じゃあ、お兄ちゃんは？」
朝夢 零「えっ？」
朝夢ミキ「お兄ちゃんは私達、家族を置いて一人で戦ってる」
朝夢ミキ「お兄ちゃんがいない間、私がどれだけ寂しかったか考えた事あるの？」
朝夢ミキ「私を心配してくれるのは嬉しい」
朝夢ミキ「でも、私は・・・」
朝夢ミキ「私は決めたの。あの時と同じ悲劇を繰り返さないために立ち向かう。どんな奴が相手でも負けるつもりはない」
朝夢ミキ「私と同じ思いをさせないために妖怪と戦う、 それが・・・、私の決めた道なの！！️」
朝夢 零「・・・・・・・・・」
朝夢 零「そうか、悪かったな・・・・」
朝夢ミキ「用は済んだ？」
朝夢 零「・・・あぁ。じゃあ、また」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・」

〇綺麗な一戸建て
朝夢 零「ミキ・・・」
「よぉ」
ミキの父「元気そうじゃねぇか」
朝夢 零「父さん！」
ミキの父「久々に妹と会えて嬉しいか？」
朝夢 零「・・あぁ」
ミキの父「その様子じゃ、まだ和解は無理そうだな」
朝夢 零「俺は、ミキには普通に生活を送ってほしい ただそれだけなのに・・・」
ミキの父「今、アイツは戦っている」
朝夢 零「妖怪とだろ？」
ミキの父「自分自身ともさ」
朝夢 零「・・・・・・・・・」
朝夢 零「父さんは何も言わないのか？」
ミキの父「俺はな、アイツのやりたいようにやらせて やりてぇんだよ」
朝夢 零「ミキが死ぬことになってもか？」
ミキの父「零・・・」
朝夢 零「フッ」
朝夢 零「変わらないな、父さんは・・・・・・」
ミキの父「ハァ〜」
ミキの父「変わってねぇよ」
ミキの父「今も、昔も・・・・・・」

〇綺麗な一戸建て
　　その夜──────

〇おしゃれなリビングダイニング
朝夢ミキ「じゃあ寝るね」
ミキの父「あぁ」
ミキの父「・・・・・・・・・」
ミキの父「ミキ」
朝夢ミキ「何？」
ミキの父「その・・大丈夫か？」
朝夢ミキ「大丈夫って何が？」
ミキの父「色々・・・」
朝夢ミキ「心配しないで、私は平気だから！」
朝夢ミキ「おやすみなさい」
ミキの父「・・・・・・・・・・・・」
ミキの父「心配させろよ・・・・・・」

〇女性の部屋
朝夢ミキ「明日の支度しないと」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・」
朝夢ミキ「おじいちゃん、おばあちゃん・・・・・・」
朝夢ミキ「ダメダメ！」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・・・・」
朝夢ミキ「私は、一人でも大丈夫・・・・・」

〇部屋の扉
ミキの父「・・・・・・・・・・・・」

〇綺麗な一戸建て
　　翌日────────

〇シックな玄関
朝夢ミキ「行ってきまーす」
「おう」
ミキの父「ミキ・・・・・・・・・」
ミキの父「お前は、何でもかんでも抱えすぎだ・・・」

〇店の事務室
アムロ「今日は特に依頼なさそうだし、早めに終わりにするか」
朝夢ミキ「・・・・・・・・・」
アムロ「ミキ？」
朝夢ミキ「あっ！ごめん」
アムロ「どうした？今日、なんか変だぞ」
朝夢ミキ「そっそんなことない」
朝夢ミキ「じっじゃあまた」
アムロ「・・・・・・・・・・・・」

〇街中の道路
朝夢ミキ「はぁ・・・・・・・・・」

〇電車の座席
　　お兄ちゃんとの話を振り返りながら一人でボーっと歩いていて、しばらくして気がつく電車の中にいて、椅子に座っていた。
朝夢ミキ「どうして電車に？」
朝夢ミキ「まあいいか」
朝夢ミキ「・・・・・・」
朝夢ミキ「はぁ・・・・・・」
「いやぁ〜」
朝夢ミキ「何？」
女子高生「あっ・・・」
朝夢ミキ「はっ！」
朝夢ミキ「大丈夫？しっかりして！」
朝夢ミキ「なんで花火？」
朝夢ミキ「嘘・・・っ」

〇電車の座席
朝夢ミキ「停電？」
朝夢ミキ「誰？出てきなさいっ！」
「・・・・・・・・・」
朝夢ミキ「何？」

〇暗い洞窟
朝夢ミキ「アァァァー！！️」

〇地下道