ぼくらの就職活動日記

大杉たま

エピソード43(脚本)

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〇大企業のオフィスビル
リポーター「あ、来ました!」
リポーター「エリートピア社の最終選考に残っている、最後の一人、真田紅音くんが今到着しました」
リポーター「真田くん、今の心境は」
リポーター「他の受験生たちと違って、真田くんだけ一体何に一億を使っているのか、皆わからなかったんだよね」
リポーター「というか、普通に日常生活を送ってるだけにしか見えなかったんだけど」
リポーター「実は裏で何かやってたとか?」
真田紅音「あ、荷物に割れ物入ってるから気をつけて」
リポーター「あ、すみません」
  紅音はリポーターが少し身を引いた隙に、本社の中へと入っていった。
リポーター「なんだ、あの荷物?」

〇豪華な社長室
  面接の控室では、豪華なソファに瑚白を含む四人の受験生が待機していた。
  ようやく到着した紅音が瑚白の隣に座る。
真田紅音「ふー」
中園瑚白「人にお金稼がせておいて、自分は優雅にお買い物?」
真田紅音「五億稼げた?」
中園瑚白「十億稼いだ」
真田紅音「意味が分からない・・・」
中園瑚白「普通の人には踏み込めない世界があって、そこでは十億円なんて流しそうめんみたいにサラサラ流れていくから」
真田紅音「一生縁がなさそうな世界だ」
中園瑚白「エリートピアに入れば、縁があるかもね」
真田紅音「だから、縁がなさそうだって言ったんだ」
  瑚白が紅音の言葉に首をかしげたとき、戸川が部屋に入ってきた。
戸川仁「お待たせしました、参りましょう」

〇オフィスの廊下
戸川仁「このドアの向こうに、弊社社長の大富(おおとみ)がおります」
戸川仁「その他には誰もおりません」
戸川仁「ただ据え置きのカメラが何台もおかれており、みなさんと社長のやりとりは全て全国に動画配信されています」

〇おしゃれなリビングダイニング
  雅美と博史はテレビで放映されている最終選考の様子を見ている。

〇たこ焼き屋の店内
  一茶もスマホで最終選考の様子を見ていた。
  テーブルに置かれたたこ焼きには、『瑚白』『ファイト!』と書かれた旗が刺されている。

〇田舎の役場
  柿之介の住む山奥の村では、一つのテレビを何十人もの村人が囲んでいた。
  柿之介はなかなか点かないテレビのアンテナや配線をいじっている。
若山柿之介「あ、ついたべ!」
村人「ふおぉ、やっぱ東京さいぐとちげぇなー」
村人「電気に強くなっぺ」

〇オフィスの廊下
戸川仁「発表方法は問いません」

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