魔法少女は眠らない

夜缶

第一夜:悲劇の始まり(脚本)

魔法少女は眠らない

夜缶

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〇通学路
七瀬楓「いてて・・・!!」
七瀬楓(頭痛・・・かな??)
七瀬楓(何か朝から調子悪いなぁ──)
七瀬楓「やばっ!?」

〇研究所の中
???「・・・ほう?」
???「これはこれは」
???「なるほど」
???「またあの『惨劇』が始まるんですねぇ」
???「フフッ」
???「いやまぁしかし」
???「何度見ても飽きないものですよねぇ」
???「本当に」
???「フフフッ」

〇教室
七瀬楓「うぅ」
七瀬楓「気持ち悪い」
相田愛子「ねぇねぇ聞いてよ楓──」
相田愛子「って、どうしたの?」
七瀬楓「愛ちゃん」
七瀬楓「何か気持ち悪くてさぁ」
相田愛子「保健室行く?」
七瀬楓「だ、大丈夫!」
七瀬楓「気合いで何とか治すから」
相田愛子「あんま無理しない方がいいわよ?」
七瀬楓「大丈夫だって!」
七瀬楓「むしろここにいたいし」
相田愛子「何で」
七瀬楓「そ、それは──」
???「あぁっ!? お前この野郎!?」
山田健太郎「俺の唐揚げ食べやがったなっ!?」
松井優斗「何だよ大声出すなって」
山田健太郎「出すよそらぁっ!!」
山田健太郎「最後に取っておいたのにぃ」
松井優斗「ガキかよお前は」
山田健太郎「うるせぇよ! 第一な──」
山田健太郎「人の物を取るんじゃねぇよっ!!」
松井優斗「わ、悪かったって」
松井優斗「お詫びにこれあげるから」
山田健太郎「食べかけじゃねぇかっ!!」
松井優斗「美味いぞ?」
松井優斗「カスタード味」
山田健太郎「聞いてねぇしほぼ残ってねぇだろそれ!」
相田愛子「何やってんだか」
相田愛子「ん?」
相田愛子「なるほど」
相田愛子「ふふ」
相田愛子「面白いわね松井君」
七瀬楓「うん」
相田愛子「カッコいいよね松井君?」
七瀬楓「うん」
相田愛子「好きなんだよね?」
七瀬楓「うん!」
七瀬楓「ち、違う違う!! 今のナシ!」
相田愛子「えー?」
七瀬楓「べ、別に好きとかじゃなくて」
相田愛子「ほんとぉ?」
七瀬楓「そ、それより!!」
七瀬楓「何か聞いてほしいんじゃないの愛ちゃん!」
相田愛子「あぁそうだったわね」
相田愛子「ネットニュースのことでね」
七瀬楓「ニュース?」
相田愛子「これこれ」

〇一軒家
  小田区上丸町(おだくかみまるちょう)の
  住宅街に住む男性(29)から
  『黒い何かが襲ってきた』と
  警察へ110番があった。
  警察が駆けつけた所、既に黒い何かは逃亡。
  幸い、上丸町の住民に怪我はなかった。
  警察は調査を進めており──

〇教室
七瀬楓「──ってこれ」
七瀬楓「うちの近くじゃ・・・!?」
相田愛子「そうなの」
七瀬楓「黒い何かって一体なんだろ・・・」
相田愛子「分からない」
相田愛子「それにしても急に物騒よね」
相田愛子「治安がいいっていうのがうちの取り柄だったのに」
相田愛子「いずれにせよ」
相田愛子「気をつけた方がいいわね」
相田愛子「特に楓!」
七瀬楓「は、はい!」
相田愛子「あなた、ただでさえお人好しなんだから」
相田愛子「変な奴見かけたらすぐ逃げなさいよ」
七瀬楓「だ、大丈夫だって」
七瀬楓「それよりも愛ちゃんの方が心配だよ」
相田愛子「だからそういうところが心配なのよ」
七瀬楓「へ、へへ」
相田愛子「褒めてないからね?」

〇女の子の一人部屋
七瀬楓「ふぅ」
七瀬楓「疲れた」
七瀬楓「・・・」
七瀬楓(黒い何か、か)
七瀬楓(黒・・・)
七瀬楓「あっ!」
七瀬楓「始まっちゃうじゃん!」
七瀬楓「【クロエ】ちゃんの配信!」

〇幻想
???「周囲の目が冷たくても」
???「どんなことを言われても」
???「私はここに咲き続けるっ!!」
クロエ「Vtuber界に革命を起こすのは私っ!!」
クロエ「みんなこんばんわぁっ!!」
クロエ「クロエだよっ!!」
クロエ「今日も一緒に楽しもうねっ!!」

山田健太郎「くそ・・・!!」
山田健太郎「何なんだよ・・・!?」
山田健太郎「何だってんだよ・・・!?」
山田健太郎「アイツ一体何なんだよ──」
山田健太郎「ヒッ・・・!?」
山田健太郎「く、来るなぁっっ!?」

〇幻想
クロエ「そろそろ終わりにしよっか!」
  もうちょっと話そうよー(´・ω・`)
クロエ「私も話したいよー?」
クロエ「でもキリが無くなっちゃうからねー」
クロエ「また明日も配信するから」
クロエ「その時にいっぱい話そうね!」
クロエ「それに早く寝ないと」
クロエ「ニュースの奴に襲われちゃうよー?」
クロエ「なーんちゃって!」
  怖いこと言わないでよw
  怖い怖い((((;゚Д゚)))))))
クロエ「怖いなら早く寝なきゃねー」
クロエ「うふふ」
クロエ「それじゃ、また明日っ!」

〇女の子の一人部屋
七瀬楓「終わっちゃった・・・」
七瀬楓「そろそろ寝なきゃ・・・」

〇女の子の一人部屋
七瀬楓(やばい)
七瀬楓(寝れない!)
七瀬楓(うーん)
七瀬楓(どうせ明日休みだし)
七瀬楓(よし!)
七瀬楓(散歩でもしよっ!)

〇土手
七瀬楓(あーあ)
七瀬楓(次から気をつけないと)
七瀬楓「ん?」
七瀬楓「何だろ?」

〇川に架かる橋の下

〇土手
七瀬楓(あれ?)
七瀬楓(山田君?)
七瀬楓(どうしたんだろこんな夜中に)
七瀬楓(陸上部・・・とかでもないよね)
七瀬楓(山田君も眠れないのかな──)
七瀬楓「!?」

〇川に架かる橋の下

〇土手
七瀬楓(な、何あれ・・・!?)
七瀬楓(まさか)
七瀬楓(ニュースの・・・!?)

〇川に架かる橋の下
山田健太郎「来るなっ!!!」
山田健太郎「くるなくるなくるなっ!!!!」

〇土手
七瀬楓(け、警察に電話しなきゃ!)
七瀬楓(?)
七瀬楓「携帯忘れた!?」
七瀬楓(どうしよう!?)
七瀬楓(このままじゃ山田君が──)
???「おやおや」
???「大変ですねぇ」
七瀬楓「えっあっえっ?」
七瀬楓(誰!?)
???「おっと申し遅れました」
メルン「私、メルンと申します」
メルン「何卒よしなに」
七瀬楓「あぁこれはご丁寧に──」
七瀬楓「ってそれどころじゃないんです!」
七瀬楓「助けて下さい!」
メルン「何故です?」
七瀬楓「人が襲われてるんですよ!?」
七瀬楓「何言って──」
メルン「別にいいじゃないですか」
メルン「我々はのんびり鑑賞してましょうよ」
七瀬楓「なっ!?」
七瀬楓「本気で言ってるんですか!?」
メルン「本気も何も」
メルン「私は常に鑑賞する側ですからねぇ」
七瀬楓「人の命が懸かってるんですよ!?」
メルン「じゃあ助けに行けばいいじゃないですか」
メルン「そこまで人が大事なら」
メルン「今すぐになら間に合うと思いますよ?」
七瀬楓(警察に頼りたい・・・)
七瀬楓(でも、そうしてる間に山田君が・・・!)
メルン「一つだけ方法がありますよ?」
七瀬楓「え!?」
七瀬楓「勿体振らずに教えて下さい!」
メルン「失礼」
メルン「貴方に力を与えましょう」
メルン「まずこれを」
七瀬楓「へっ?」
メルン「魔法の杖です」
七瀬楓「ふざけてるんですか!?」
メルン「紛れもない本物ですよ」
メルン「そう焦らないで下さいよ」
メルン「後は」
メルン「三枚のカードも渡しておきましょう」
七瀬楓「遊んでる場合じゃ──」
メルン「別に信じないならいいですよ」
メルン「その場合は」
メルン「あの人が犠牲になりますがね」

〇川に架かる橋の下
山田健太郎「誰か助けてっ!!」

〇土手
メルン「最後のチャンスです」
メルン「貴方に覚悟があるなら」
メルン「この杖を使っても構いません」
メルン「もちろん自己責任ですがね」

〇教室
相田愛子「あなた、ただでさえお人好しなんだから」
相田愛子「変な奴見かけたらすぐ逃げるのよ」

〇土手
七瀬楓(確かにこの人は信用できない)
七瀬楓(でも)
七瀬楓(ここで逃げたら・・・)

〇教室

〇土手
七瀬楓(日常が)
七瀬楓(私たちの日常が)
七瀬楓(壊されちゃうっ!)
七瀬楓(ごめんね愛ちゃん)
七瀬楓「やります!」
メルン「へぇ」
メルン「本当に?」
七瀬楓「やらせて下さい!」
メルン「フフッ」
メルン「言質」
メルン「頂きましたよ?」
メルン「ならば受け取って下さい」
  何で・・・!?
  何でこんなことするのっ!?
七瀬楓(な、何!?)
七瀬楓(今の・・・!?)
メルン「使い方を教えましょう」
メルン「杖を天に翳して下さい」
七瀬楓「は、はい」
メルン「それから」
メルン「先程渡したカードも一枚」
メルン「杖の先端に近づけて下さい」
七瀬楓「えっと」
七瀬楓(よし!)
メルン「そしたら変身できますよ」
七瀬楓「へ、変身ですか!?」
メルン「そう言いましたが?」
七瀬楓「分かりました」
七瀬楓「変身!」
ガンナー「!」
メルン「できたようですね」
ガンナー「こ、この姿は・・・?」
メルン「ガンナーですね」
ガンナー「がんなー?」
メルン「遠距離攻撃が得意な子ですよ」
メルン「良いカードを選びましたねぇ」
ガンナー「あ、ありがとうございます?」
メルン(まぁ別に)
メルン(【変身!】と叫ぶ必要はないのですが)
メルン(滑稽ですねぇ)
ガンナー「あ、あの・・・?」
メルン「失礼」
メルン「変身したらこちらのものです」
メルン「後は感覚でどうにかなります」
ガンナー「え、えぇ!?」
メルン「急いでください」
メルン「恋人を助けるんでしょう?」
ガンナー「ち、違います! 友達です!」
メルン「そうですか」
ガンナー「本当に違いますから!」
メルン(フッ)
メルン(やはり貴方は『道化』ですねぇ)
メルン(『隣人』さん)
メルン(楽しんでくれますかねぇ)

〇川に架かる橋の下

〇土手

〇川に架かる橋の下
山田健太郎「な、何がどうなって──」
ガンナー「山田君!」
ガンナー「大丈夫!?」
山田健太郎「は、はい」
ガンナー「よ、良かったぁ」
山田健太郎「あの」
山田健太郎「貴方は一体・・・?」
ガンナー(そ、そうだった!)
ガンナー(変身してたんだった!)
ガンナー「えっとぉ」
ガンナー「そのぉ」
ガンナー「い、今はできるだけ遠くに逃げて!」
山田健太郎「は、はい!」
ガンナー(まずはアイツをどうにかしないと!)

〇川に架かる橋の下

〇川に架かる橋の下
ガンナー(──当たれっ!!)

〇川に架かる橋の下

〇川に架かる橋の下
ガンナー「消えた・・・?」
ガンナー「倒せたんだよね・・・?」
ガンナー(こ、怖かったぁ・・・!)
ガンナー(本当に感覚で動けた・・・!)
ガンナー(でも)
ガンナー(山田君を助けられて良かった──)
  やめて・・・!
  やめてよっ!!
ガンナー(また、だ)
ガンナー(誰の声なの・・・!?)
ガンナー(そもそも──)
ガンナー(あの人も・・・)
ガンナー(あの化け物も)
ガンナー(この力も)
ガンナー(一体・・・)
ガンナー(・・・っ)
ガンナー(何なの・・・?)
ガンナー(この胸騒ぎ・・・)

〇黒
松井優斗「もしもし・・・?」
山田健太郎「松井ぃっ!!」
松井優斗「声でけぇよ。朝だぞ・・・」
山田健太郎「ごめん」
松井優斗「で、どうしたんだよ?」
山田健太郎「お前の声が聴きたかったんだ」
松井優斗「切るわ」
山田健太郎「ちょっ何でさっ!?」
松井優斗「勘弁してくれ」
松井優斗「俺、そっちじゃないんだ」
山田健太郎「俺もねぇよっ!!」
山田健太郎「真面目な話だってのっ!」
松井優斗「何があったんだよ・・・」
山田健太郎「俺、会ったんだよ」
山田健太郎「黒い何かに」
松井優斗「ニュースの?」
山田健太郎「そう!」
松井優斗「ドッキリ──」
山田健太郎「ちげぇって!」
松井優斗「あー分かった」
松井優斗「続けてくれ」
山田健太郎「俺、そいつに追われてたんだ」
松井優斗「おう」
山田健太郎「もう駄目だっていう時に」
山田健太郎「銃持った女の子が助けてくれてさ──」
松井優斗「ラノベ?」
山田健太郎「本当の話だっつってんだろ!」
松井優斗「分かったって」
山田健太郎「そりゃさ」
山田健太郎「俺だって信じられないよ」
山田健太郎「でも本当なんだって!」
松井優斗「分かった」
松井優斗「信じる」
松井優斗「お前、滅多に嘘言わないし」
山田健太郎「松井・・・!」
松井優斗「でも嘘なら」
松井優斗「友達辞める」
山田健太郎「や、約束する!」
松井優斗「んで」
山田健太郎「お前には同じ目に遭ってほしくない・・・」
山田健太郎「なるべく外出はしないでほしいんだ・・・」
松井優斗「あぁ」
松井優斗「了解した」
松井優斗「ん?」
松井優斗「もう切っていいのか?」
山田健太郎「いや・・・」
山田健太郎「あのさ」
松井優斗「今度は何だ?」
山田健太郎「あの子」
山田健太郎「俺の名前、知ってたみたいでさ」
山田健太郎「山田君って呼ばれた」
松井優斗「知り合い・・・?」
山田健太郎「半分合ってる・・・かも?」
松井優斗「は?」
松井優斗「どういうことだよ?」
山田健太郎「変なこと言っていいか・・・?」
松井優斗「おう・・・?」

〇黒
  俺、前にも・・・
  あの子に・・・
  助けられた気がするんだ・・・

次のエピソード:第二夜:虫に間違われる魔法少女

コメント

  • カードの絵柄によって様々な武装が出来る不思議なステッキ!
    それを持っていたマスク男の目的は一体…🤔
    時折聴こえる謎の声…
    山田君を襲っていた怪物は…?
    銃以外のカードも気になります✨
    事件後の山田君の電話やり取りが微笑ましかったです☺️

  • デメリットを言わずに進めていく謎のマスク男。これってど不幸一直線じゃないですかー😱気になるセリフもでてきて、どうなってしまうんだろうと謎を楽しみながら作品を追わさせていただきます!

  • 胸糞、展開…!!😳
    怖いけど気になってしまいます!
    仮面の男は何者?
    やめて!という声の正体は?
    他のカードで変身するキャラも気になります♪

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