恋に落ちたスライム

在ミグ

第6話 迫害(脚本)

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〇結婚式場前の広場
町人「あ! ライムちゃんだ!」
町人「こんにちは」
ライム「こんにちわ!」

〇噴水広場
衛兵「お、スライム君」
衛兵「お使いかな?」
ライム「ふっこーしえんのお手伝いだよ」
衛兵「そうか。偉いな」

〇西洋の市場
ライム「しょるい、っていうの持ってきたよ」
店主「おお。サンキュー」
ライム「あとこれはお城からだって」
看板娘「まあキレイ」
店主「嬉しいな」
店主「姫様にも宜しく言っといてくれよ」
ライム「うん!」

〇城の客室
侍女「もうすっかり人気者ですね」
侍女「城の者達にも評判です」
ライム「えへへ⋯⋯」
侍女「その後、姫様とはいかがですか?」
ライム「あんまり会ってない」
ライム「忙しいみたい」
侍女「確かに⋯⋯」
侍女「街の被害は少なくありません」
侍女「流石にデートしている場合ではありませんね⋯⋯」
侍女「ああっ!」
侍女「こういう時こそ、殿方がフォローして差し上げればっ⋯⋯!」
ライム「フォ、フォロー?」
侍女「失礼。つい興奮してしまいまして⋯⋯」
侍女「ライム様にこんな事を申し上げても、仕方ありませんね」
ライム「⋯⋯」
ライム「もし⋯⋯」
ライム「もしぼくがニンゲンだったら⋯⋯」
ライム「少しは役に立てたのかなぁ?」
侍女「ライム様は十分にお役目を果たしてますよ」
ライム「ううん」
ライム「デートもそうだし、」
ライム「戦いの時だって⋯⋯」
ライム「ぼくがニンゲンだったら、もっとリンや街の人達にも喜んでもらえたかも知れない」
ライム「もっと、うまくやれたかも知れない」
侍女「⋯⋯」
侍女「ライム様は優しいのですね」
ライム「えへへ⋯⋯ そうかなぁ?」
侍女「私は今のままでも十分立派だと思いますよ」
侍女「それでも人間になりたいですか?」
ライム「⋯⋯」
ライム「⋯⋯うん」
ライム「ぼく、ニンゲンになりたい」
ライム「ニンゲンになって、もっとみんなに喜んでもらいたい!」
侍女「じゃあ、聖樹の花を探しませんとね」
ライム「でも、どこにあるんだろう?」
侍女「私も一緒に探します」
侍女「まずは城にある文献を調べてみましょう」
ライム「ブンケン?」
侍女「本の事です」
ライム「ぼく、字、読めないよ?」

〇噴水広場
店主「何の騒ぎだ?」
衛兵「それが⋯⋯ その⋯⋯」
リヴァル「皆さん、よくぞお集まりいただきました」
リヴァル「今日は皆様へ、ご報告と謝罪をさせていただきます」
リヴァル「まず、先日の魔物の襲撃事件について」
リヴァル「被害に遭われた方には、心からお見舞い申し上げます」
店主(よく言うぜ。自分達は何もしなかったくせに⋯⋯)
リヴァル「長きに渡って魔物の襲来などなかった事から、」
リヴァル「この度の事件は、我々にとっても予想外の出来事でした」
リヴァル「しかし何故、今回このような事が起きたのでしょうか?」
リヴァル「これは皆様に謝らなければなりません」
リヴァル「見過ごしていた我々の失態です」
リヴァル「ご存知の方もおられると思いますが、」
リヴァル「先日より、この国にはある魔物が住み着いております⋯⋯」
店主(住み着いている魔物?)
店主(おい! まさか⋯⋯)
リヴァル「そう、城にも出入りしている、あのスライムです」
リヴァル「奴こそが今回の⋯⋯」
リヴァル「魔物襲撃事件の黒幕なのです!!」
店主「バ、バカ野郎ッ!!」
店主「ライムがそんな事するわけねぇだろっ!!」
リヴァル「⋯⋯」
リヴァル「皆さん、惑わされてはいけません」
リヴァル「外見こそ愛らしいかも知れないが、」
リヴァル「奴は紛れもない魔物です」
リヴァル「我々とは違う生き物だ」
リヴァル「これは事実です」
店主「⋯⋯」
リヴァル「そして魔物の襲撃など久しくなかったにもかかわらず、」
リヴァル「奴がこの国に来た途端、事件は起きた」
リヴァル「これが何を意味するのかは明白でしょう」
リヴァル「奴は森に住む魔物と共謀し、この国を滅ぼそうとしている!!」
リヴァル「無論、そのような暴挙を許してはなりません⋯⋯」
リヴァル「奴を追い払いましょう!」
リヴァル「そして武器を取り、戦いましょう!」
リヴァル「平和は自らの手で勝ち取るのです!」
看板娘「そんな⋯⋯」
看板娘「ライムちゃんが⋯⋯」
店主「待ってくれよ!」
店主「ライムはそんな奴じゃない!」
店主「みんなだって見ただろう!?」
店主「あいつが巨大化して火を消したのを!」
リヴァル「そうだ! 巨大化した!」
リヴァル「恐ろしい姿だ」
リヴァル「あんなものが襲いかかってきたら大変な事になる!」
店主「なっ⋯⋯!?」
リヴァル「さあ、戦いましょう!」
リヴァル「二度と悲劇を繰り返してはいけない!」
店主「ダメだ⋯⋯」
店主「みんな、不安と恐怖に支配されてる⋯⋯」
看板娘「でも⋯⋯」
看板娘「どうしたらいいの?」
看板娘「このままじゃライムちゃんが⋯⋯」

〇貴族の部屋
リン(う〜ん⋯⋯)
リン(復興資金が足りない⋯⋯)
リン(どこから捻出したら⋯⋯)
侍女「姫様! 大変です!!」
リン「何? どうしたの?」
侍女「街の者が城に押し寄せています!!」
侍女「ライム様を引き渡せと!」
リン「なんですって!?」

次のエピソード:第7話 別れ

コメント

  • 街の人たちがライムを認めていると思いきや〜!
    そう来ましたかリヴァルめ!w
    でも一部でも理解者がいてくれて嬉しい🥲
    自分たちと一部でも違うと迫害を受けるのは、どの世界でも時代でも一緒ですね…

  • 前回の件でどうなることかと思ったけどライム君が受けいられて良かったー、からのやっぱりダメだったーでした😭😭😭
    そのまま魔物討伐に行ってくれないかなと思ったんですが、キッチリ悪役としての務めをはたしてくれましたね😡😡😡
    憎き悪役は必要だし、それを倒すからこそのカタルシスもあると思いますが、優しい世界でこんな展開が起きるとシリアスな展開よりダメージが😵💥😵😵💥😵

  • バ(ピーッ)
    バ(ピーッ)
    リヴァルのバ(ピーッ)
    城、一揆勢が攻めて来たのか⁉️😱

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