恋に落ちたスライム

在ミグ

第4話 アンシー王国(脚本)

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〇王妃謁見の間
侍女「ここが謁見の間」

〇貴族の応接間
侍女「ここが応接室」

〇大広間
侍女「ここが大広間」

〇華やかな広場
侍女「ここが裏広場」
侍女「というより⋯⋯」
リン「ふんす! ふんすっ!!」
侍女「姫様のトレーニング場ですね」
ライム「楽しそうだね」
侍女「そ、そうですね⋯⋯」
侍女「程々にして頂きたいのですが⋯⋯」
リン「珍しい組み合わせね。何してんの?」
侍女「ライム様に城内の案内を」
リン「あら、そう」
リン「折角来たんだから、ゆっくりしていってね」
ライム「う、うん⋯⋯」
侍女「⋯⋯宜しいのですか?」
ライム「?」
侍女「デートにお誘いしなくても」
侍女「もうみんな知っていますよ」

〇城の客室
侍女「まあ、それで人間になりたいと?」
ライム「うん。ニンゲンになれば、リンが好きになってくれるかも知れないって」
ライム「ブタさんが言ってた」
侍女「ブタさん⋯⋯」
侍女「は、よくわかりませんが⋯⋯」
侍女「聖樹の花なら知っていますよ」
ライム「本当?」
侍女「そもそも、この国は聖樹の花を使って、建国されたと言われています」
侍女「建国者の名はアン⋯⋯」

〇赤い花のある草原
  名も無い村で育った娘だった、と言われています。
  決して裕福ではない生活の中で、彼女は健気にも、
  清く、美しく、育ったと言われています。
  当時は近隣諸国との間で争いが続いていました。
  アンのいた村も、幾度となく争いに巻き込まれました。
  しかしそんな生活の中で、彼女は偶然にも聖樹の花を手に入れるのです。
  そして、こう願いました。
アン「チカラをよこせ⋯⋯」
聖樹の花「は?」
アン「チカラをよこせって言ってんのよーー!!」
聖樹の花「えぇ⋯⋯」
聖樹の花「そこは『世界を平和にしてください』とか、『悪い奴をやっつけてください』とかじゃ⋯⋯」
アン「うるさい!」
アン「チカラこそパワー!」
アン「悪いヤツなんて、あたしが全員ブッ飛ばしてやるわーーッ!!」
聖樹の花「いや、構わないが⋯⋯ もうちょっとその⋯⋯」
アン「叶えるの? 叶えないの? どっち!?」
アン「さっさとしなさい!!」
聖樹の花「し、承知である⋯⋯」

〇城の客室
侍女「こうしてアンはチカラを手に入れ、」
侍女「またたく間に戦争を終結に導き、」
侍女「自らの王国を平定したのです」
ライム「リンってさ、その人の⋯⋯」
侍女「はい。とても色濃く血を受け継いでらっしゃいますね」
「⋯⋯」
ライム「⋯⋯でも花のチカラは本当なんだね」
侍女「ええ。ですが、あくまでも伝説です」
侍女「あまり現実的ではないかと⋯⋯」
侍女「それより姫様をお誘いする方が確実ですよ」
ライム「う〜ん⋯⋯」
ライム「聖樹の花か⋯⋯」
ライム「デートか⋯⋯」
ライム「う〜ん⋯⋯」
ライム「デート⋯⋯」

〇美しい草原
人間ライム(妄想)「アハハハ」
リン「ウフフフフ」

〇海辺
リン「ほ〜ら捕まえてごらんなさ〜い」
人間ライム(妄想)「こ〜いつぅ〜」

〇西洋の市場
ライム「っていう感じ?」
「いや古っ!!」
ライム「え?」
店主「いや、絶望的なまでに古いぞ」
店主「それが魔物の愛の育み方なのか?」
ライム「ナウなアベックはそうやってランデブーするって⋯⋯」
ライム「森の友達が言ってたんだけど⋯⋯」
看板娘「どんだけ田舎なのよ⋯⋯」
店主「そうか。価値観が昔のままなんだな」
看板娘「ヤバいわね⋯⋯」
店主「ヤバいな⋯⋯」
ライム「えぇ⋯⋯ そんなに?」
店主「これじゃ、いくらあのお姫様でも⋯⋯」
店主「おい、ちょっとデートプラン考えてやれよ」
看板娘「そうね。任せといて!」
ライム「お願いします⋯⋯」

〇黒

〇華やかな裏庭
リン「お出かけしたい?」
ライム「うん。そう」
リン「助けてくれたお礼だよ?」
リン「そんな事で良いの?」
ライム「いいの! いいの!」
リン「う〜ん⋯⋯」
リン「まあ、そんな事で良いなら⋯⋯」
リン「じゃあ、お弁当でも作ってもらってぇ⋯⋯」
ライム「うん!」
リン「薬草を沢山持ってぇ⋯⋯」
ライム「うん?」
リン「毒消しと、聖水と⋯⋯」
ライム「え?」

〇原っぱ
リン「そりゃああああ!!」
リン「よっしゃあっ!」
ライム「違う。そうじゃない⋯⋯」
リン「え?」
リン「遠征って言わなかったっけ?」
ライム「お出かけです」
ライム「遊びに行こうって意味です」
ライム「戦う事から離れてください」
リン「なぁ〜んだ、そういう事かぁ」
リン「私ったら、てっきり⋯⋯」
ライム「ぼくは、びっくりです⋯⋯」
リン「じゃあ、どうしよっか?」
リン「ライムはどこに行きたい?」
ライム「ん〜と⋯⋯」

〇西洋の市場
看板娘「良い? ライムちゃん」
看板娘「デートは女の子を楽しませてナンボよ!」
ライム「う、うん⋯⋯」
看板娘「自分より、姫様を優先して!」
看板娘「退屈させない」
看板娘「危険な場所は避ける」
看板娘「もし何かあったら、キミが姫様を守るんだからねっ!」

〇原っぱ
リン「そいやっ!!」
リン「どっせぇぇいっ!」
ライム(全然参考にならねぇ⋯⋯)
リン「ぬほほほほっ!」
リン「うひょぉーーっ!!」
リン「ライムぅーーッ!」
リン「危ないから離れててねーーッ!!」
ライム「⋯⋯」
ライム(楽しそうだし⋯⋯)
ライム(まあいっか⋯⋯)
ライム(でも⋯⋯)
ライム(もし、ぼくがニンゲンだったら一緒に⋯⋯)
リン「⋯⋯」
リン「ねえ⋯⋯」
リン「お腹、空いたね」
リン「お弁当、食べよっか?」

〇黒

〇上官の部屋
リヴァル「そう。花は本物だ」
リヴァル「そうでなければ一介の村娘が建国など、」
リヴァル「到底出来なかっただろう」
宮廷魔術師「恐ろしいチカラですね⋯⋯」
宮廷魔術師「お陰で魔術師はその地位を奪われた」
リヴァル「花がなければ同じ事だ」
宮廷魔術師「花は今どこに?」
宮廷魔術師「おお⋯⋯」
リヴァル「残りの一枚も、この近くにあると占いに出ている」
宮廷魔術師「しかし⋯⋯」
リヴァル「これだけ人がいても見つけられない⋯⋯」
リヴァル「という事は?」
宮廷魔術師「人の手が及ばない場所⋯⋯」
宮廷魔術師「魔物の森か」
宮廷魔術師「しかし簡単に攻略出来る場所じゃありませんよ?」
リヴァル「チカラを合わせれば何とかなるさ」
宮廷魔術師「そんな簡単に⋯⋯」
リヴァル「ふふふ⋯⋯」

〇霧の立ち込める森
「⋯⋯」
「人間?」
魔物「何の用だ?」
宮廷魔術師「アンシー王国王女、リン様の命により⋯⋯」
宮廷魔術師「貴様らを殲滅する!」
「なっ!?」
宮廷魔術師「おい! やりすぎるなよ!」
宮廷魔術師「わかっている!」
宮廷魔術師「適当な所で引くぞ」
宮廷魔術師「ああ!」

次のエピソード:第5話 襲撃

コメント

  • ピュアになりに来ました!😇
    ライムを見てるだけで魂が浄化されそうです!✨
    ナウなアベックがランデヴー!
    リンと出かけたらそうなっちゃいますよね〜w
    しかし妄想のライム(人間)、まともな髪型がなかったですね🤣 ライムの想像する人間とは一体…!?w
    魔術師達はリンの名前を騙って不届者ですね!
    一波乱ありそうですね〜。

  • 建国の母、アンのパワフルさに爆笑でした😂リンのルーツ🤣🤣🤣
    そして何やら森では不穏な動きが……😱
    妄想だけでなく、全く息が合わないのに「好き」だけでそばに居て一喜一憂するライム本当に可愛いです!
    もう完結なさっているのに…全然追いつかず申し訳ないです💦引き続き楽しませて頂きます!

  • チカラこそパワー!
    脳筋過ぎて面白い🤣
    王女もその血を引いているが故の脳筋w

    人間イメージ髪型がモヒカンだったりアフロだったり中々ロックなものを感じましたよ😂

    魔物の森がどうなるのかハラハラします。

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