〇謁見の間
カリン「アレックス様、こんな所でどうされました？」
黒騎士アレックス「カリン殿か、ちょうど良いところに、聞きたい事が？」
カリン「はい、何でしょう？」
黒騎士アレックス「カリン殿は、正統継承だが、国王の血筋では無いのか？」
カリン「はい、私は国王の血筋ではありません、実はこの国は貴族院と騎士院という二つの政治機関がございます」
カリン「その二つの政治機関をまとめて、国王に進言するのが、私の家系でございます」
黒騎士アレックス「なるほど珍しいな、国王の血筋で無い者が正統継承者とはな」
カリン「そうかもしれませんね」
黒騎士アレックス「所で、この国の街を見てきたいのだが、よろしいか？」
カリン「わかりました、何かあればご連絡致します」
黒騎士アレックス「ありがとう」

〇西洋の街並み
黒騎士アレックス「ほう・・・コレがライボルトの城下町か・・・なかなかいい所だ」
「あ、あのアレックス様!?」
黒騎士アレックス「ん？何だ、お前らは!?」
「ライアス　　　　　　　　　　　トーマス 　　　　　　　　と申します 是非、アレックス様のお供に加えてもらえませんか？」
「何だお前は!?アレックス様のお供になるのは、俺だ!?」
黒騎士アレックス（何だ、こいつら・・・？）
黒騎士アレックス「待て待て、こんな町中で喧嘩するな、そもそも何で俺のお供に？」
トーマス「はい、この前の戦の戦いに感動しまして」
ライアス「あれだけの数の敵を一人で倒すのに、すげぇ感動したっスよ」
「だから、是非お供に加えて ほしいっす　　　　　　　　　　　下さい」
「だから、お供になるのは、俺だ!?」
黒騎士アレックス（一体なんだって言うんだ、コイツらは・・・しかも、俺のお供にって・・・？）
黒騎士アレックス「なぁお前ら、俺が元帝国に居たのは知っているよな？それでも付いて来るって言うのか？」
「もちろんです!!」
黒騎士アレックス「わかった・・・付いてこい」
「はい!!」

〇桜並木
ライアス「なんすか、ここは？」
黒騎士アレックス「ここか？城から見えたものでな、ちょうど来たいと思ってた所だ」
トーマス「ここで一体何をしようというのです？」
黒騎士アレックス「ここで契りを、お前たち二人と交わしたい」
ライアス「え？いいんスか!?」
黒騎士アレックス「ああ、よろしく頼む」
「やったー」
黒騎士アレックス「さあ、契りを交わそう」
「我ら三人、これから苦楽を共に生きていく事を誓わん!!乾杯!!」
ライアス「あの、アレックス様？これから『兄貴』って呼んでもいいっスか？」
トーマス「おいライアス、それは失礼だぞ!!」
黒騎士アレックス「ああ、俺は別に構わんぞ、お前達は部下ではなく戦友だからな」
ライアス「戦友!?嬉しいっす兄貴!!俺、こんな感じですが、よろしくっス!!」
黒騎士アレックス「ああ、期待してるぞ!!」
ライアス「はい!!」
トーマス「では、私も『兄者』って呼んでもいいですか？」
黒騎士アレックス「もちろん、いいぞ」
トーマス「ありがとうございます、兄者」

〇武骨な扉
黒騎士アレックス「お勤めご苦労、国王にお会いしたいのだが？」
雷国兵士「少々お待ちください」
雷国兵士「お待たせ致しました、どうぞ」
黒騎士アレックス「すまない」

〇謁見の間
サンドフォン国王「アレックス殿、今日は何用だ？」
黒騎士アレックス「は!!折言って相談がございます」
サンドフォン国王「どうした、急に改まって？」
黒騎士アレックス「申し訳ないのですが、部下共々旅に出て見聞を広げたいって思ってまして」
サンドフォン国王「ほう？そうか、あいわかった、今日まで大義であった」
黒騎士アレックス「急な事で申し訳ない」
サンドフォン国王「いや、お主は元からこの国の人間ではないからな、よいよい」
カリン「アレックス様？旅に出るのですか？」
黒騎士アレックス「カリン殿か、貴殿にも世話になった」
カリン「寂しくなりますね」
黒騎士アレックス「今生の別れではないから、また会えるさ」
カリン「そうですね、今までありがとうございました」
黒騎士アレックス「こちらこそ、ではサラバだ」

〇草原の道
ライアス「ねぇ、兄貴？これから何処へ行くんスか？」
黒騎士アレックス「いや、特に決めてないが・・・それよりお前達、国を出るがよかったのか？」
トーマス「ええ、俺達も外の世界を見たいと思ってましたので」
ライアス「そうそう、それに兄貴に付いて行くって決めたんっスから」
黒騎士アレックス「ふ・・・そうだったな、では雲の流れるままに行こうか」
「はい!!」