eye

ドクダミ

深海の外側(脚本)

eye

ドクダミ

今すぐ読む

eye
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇水中
  ──深海の夢を見た。──
  ──何処までも沈む。体の浮遊が心地よくもあり確かな「死」への道でもある──

〇血まみれの部屋
名前のない男「・・・」
  昔、外村と呼ばれた男がそこにはいた。齢50を目前に控え、いかに死のうか考えて生きるようなっていた
  刑期を終えて更に5年が過ぎでいた。
  この惨劇の部屋・・・彼は血の部屋の心地よさ感じて、自身が殺めた女を吊し上げていた
名前のない男「ねぇ・・・何で腐乱してきてるの?そうやって終わったみたいになくなっていってさ・・・名前も知らないじゃん」
名前のない男「名前・・・別にいらないけどね」

〇住宅街
  ──30数年前──
セリの友達「もう!セリの読む漫画観たけど全然意味わからん!何焼きプリンとかさ(笑)」
雪代 セリ「ぶーぶー!アレこれからめちゃくちゃ楽しくなるんだよ!村から出た勇者が殿様って呼ばれるんだけど・・・etc」
セリの友達「え〜あの1巻のあの田舎の人? 殿様なっても田舎くさそうでありえないわ(笑)」
雪代 セリ「すごいカッコ良いんだってば! トノ様トノ様♫」
セリの友達「何だっけ?その主人公の名前さ〜」
雪代 セリ「うん。シュウ・キョウだよ♪ 三国を平定すんだから」
セリの友達「中国のファンタジーとかマニア過ぎだって」
名前のない男「・・・」

〇血まみれの部屋
名前のない男「馬鹿馬鹿しい」
名前のない男「本当に本当に、腹が立つくらいに馬鹿馬鹿しい」

〇田舎の駅舎
雪代 セリ「おまたせ〜」
外村 秀匡「つかれたじゃん?どっかいこか?」
雪代 セリ「うん♫」

〇見晴らしのいい公園
外村 秀匡「寒いだろ?こっちきなよ」
雪代 セリ「えっ?」

〇黒
  セリといると楽しいよ

〇血まみれの部屋
名前のない男「ケタ・・・ケタケタケタケタ」
名前のない男「下らん・・・」
  彼は腐敗の進む女性の指をプチプチシートを潰すかのように「ぱきっ!ぱきっと!」と骨を1本ずつへし折る
  心はいつも空っぽだ・・・。そろそろこの部屋も出なきゃマズい。孤独に廃墟で生涯を終えよう

〇荒廃した教室
名前のない男「逝ってくるよ。ここで待っててセリ」
  胎児のようなネズミに名付けた名前だ
名前のない男「僕は、幸せな人生だった!沢山の不幸を見れたしさ」
名前のない男「・・・」
外村秀匡「名前を付けてくれてありがとう。 セリ」
外村秀匡「・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
  ──名前のない男が最期の贈り物に付けた名前──
  この人は何も知らない
天音 セリ「朝ごはんくらい食べていきなさい!」
天音 セリ「やれやれ。困った子だ」
  天音セリ(旧姓 雪代)
  昔のトラウマで記憶障害を引き起こし、30代まで廃と化していたが奇跡的に回復をし
  遅咲きだが、つつましい家庭を築いていた
天音 セリ「ったく、私と違って明るく育っちゃって」
  今でも断片的な記憶が彼女の心を蝕む時がある。
天音 セリ「外村くん・・・?」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:それぞれの道

ページTOPへ