第41話 カオス、虫歯に苦しむ!②(脚本)
〇空
カオス「頼りたくねえけど仕方ねえ」
カオス「アイツなら、飲めば虫歯が治る薬くらい持ってんだろ!」
〇古いアパート
〇古いアパートの部屋
嘉成光「飲むだけで治るなんて、そんな虫のいい薬あるわけないでしょ」
カオス「なんでだよ! 忍者のくせに!」
嘉成光「忍者は魔法使いじゃないの」
カオス「はぁ~期待外れかよ・・・」
嘉成光「なんなんだよ突然」
カオス「そうだ! オマエの里って、見かけはボロいけど結構ハイテクだったよな!?」
カオスがおもむろに光を担ぎ上げる。
嘉成光「ちょ、ちょっと! 俺、これから仕事なんだけど!?」
カオス「ドリルを使わねえ方法があるに違いねえ!」
〇山間の集落
〇近未来の手術室
カオス「うん、ドリルなし! 予想通りだぜ!」
嘉成光「里の虫歯治療を見せろって・・・いつも唐突なんだよカオスは」
嘉成静「ちょうど虫歯の人間がいてよかったよ」
真坂亨「あ、どうも。虫歯患者の真坂亨です」
カオス「患者だけか? 医者は?」
嘉成静「今来ます」
馬「ブルルッ」
カオス「ウマ・・・?」
嘉成光「彼が医者だよ」
カオス「ハァ!?」
嘉成静「口を開けなさい。糸を結ぶから」
真坂亨「あ~~ん」
カオス「よかった、さっきのは聞き間違いか。 静が治療すんだな」
嘉成静「いや、私はアシスタントだ」
カオス「じゃあ医者は・・・」
嘉成静「彼は馬の中でも名医なんですよ」
カオス「意味わかんねえ! 落ち着けよ!?」
嘉成光「落ち着くのはそっちだよ」
嘉成静「では先生、お願いいたします」
馬「・・・ヒヒィン」
嘉成静「では、よーい」
カオス「!? ま、まさか・・・」
嘉成静「ドン!」
馬「ヒヒヒイィィン!」
真坂亨「あががっ!!」
カオス「真坂―!!」
〇空
カオス「信じらんねえ、野蛮な忍者め・・・」
〇公園のベンチ
柴崎麻衣「ん~ドーナツ、美味しい!」
カオス「・・・・・・」
〇川に架かる橋の下
若井茂蔵「甘いねえ、ばあさん」
若井梅子「このドーナツは絶品だ」
カオス「・・・・・・」
〇街中の道路
ミチル「・・・・・・」
カオス「・・・・・・」
ドーナツを食べるミチルの後を、カオスは無言でついて歩いた。
ミチル「さ、さっきから何ですの!? 不気味ですわ!」
カオス「知ってるか。その「堂奈津亭」って、伝説のドーナツ屋なんだぜ」
ミチル「はぁ?」
カオス「それを食える幸せ、大事にしろよ」
ミチル「あなた、キャラ変わってませんこと?」
カオス「オレ様は一生、そのドーナツ食えないまんまかもしんねえ・・・」
ミチル「・・・・・・」
カオス「オレ様・・・世界で一番不幸なロボットだぜ」
ミチル「わかりましたわよ! そんなに食べたいなら差し上げます!」
カオス「・・・・・・」
ミチル「ほら、お食べなさいよ」
カオス「・・・食えるもんなら食ってる」
ミチル「ん?」
カオス「食えねーから、オレ様は不幸なんだよ!!」
〇住宅街の公園
カオス「食いたいドーナツも食えないこんな世の中じゃ・・・」
高原みこ「あっ、カオス! こんなとこで何してるの?」
カオス「それはこっちのセリフだ。バイト中だろ」
高原みこ「配達の帰りなんだよ~、私もちょっと遊んで行こう」
みこがブランコに腰かける。
カオス「遊んでんじゃねーよ・・・」
高原みこ「うん? なんか言った?」
カオス「早くバイト戻れ」
高原みこ「大丈夫、大丈夫! アテナがいるもん!」
カオス「・・・・・・」
高原みこ「それにカオス、なんか変だし」
カオス「・・・別に変じゃねえ。 一人で考えたいことがあるんだ」
高原みこ「私も一緒に考えるよ」
カオス「・・・・・・」
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