黒い人

おけの

知らなければならないこと(脚本)

黒い人

おけの

今すぐ読む

黒い人
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇中庭
  昨日の女の子は、ベンチに座って
  落書き帳にお絵描きをしていた
静子「おはよう。 昨日はありがとね」
  女の子は、辺りを窺うように
  きょろきょろと見回す。
女の子「お姉ちゃん、おはよう」
静子(病院で話せる人がいるって 嬉しいな)
静子「隣に座るね。 何を描いてるの?」
女の子「見ていいよ」
  最初のページをめくると、看護師さんだ。
  あんまり上手くなくとも、
  ナースキャップや制服で
  なんとなくわかる。
  その手には、注射器まで持っている。
  次をめくると、男の人らしく
  点滴を押している人が描いてあった。
静子「何だか、見覚えがあるような──」
  次をめくると、真っ黒に塗られた、
  人型のもの。
  女の子の顔を見た。
  にんまりと笑っていて、
  何も感じてないようだ。
  どうやら、この子には黒い人だけでなく、
  普通に幽霊が見えているらしい。
  どれも描かれているのは、
  私が病院内で見ている幽霊だ。
  次をめくる。
  顔は赤く、それ以外は真っ黒に
  描かれた人型。
  髪の毛が長く、辛うじて
  女の人だとわかる。
  何て酷い幽霊なのだろう。
静子「これじゃ、成仏出来ないはずよね・・・」
静子「でも、見たことのない幽霊だ。 ねぇ、これはどこにいる幽霊?」
女の子「目の前にいる、お姉ちゃんだよ」
静子「な、何を言っているの? ──これが、私だなんて・・・」
静子「そんなはず──」
静子「い、いや──思い出した・・・」

〇田舎の病院の病室
母「静子・・・手術、頑張ってね」
静子「うん! すぐに終わるようなものらしいから、 そんなに心配しなくて大丈夫だよ」

〇田舎の病院の病室
静子「う・・・あつ、い」
静子「え・・・燃えて、る?」
静子「まだ・・・麻酔が効いてて 身体が動かない!!」
同室の男「熱いー!! 誰か!! 誰かー!! 助けてくれーーーー!!」
同室の男2「もう・・・だめだ 逃げられん── あの男だけは許さんぞ!!」
静子「い、いやーーーー!! 熱い!! 熱いよ!! 誰か助けて!!!!」
同室の男2「許さん、許さんぞ──絶対に」
同室の男「最後にみち子と会いたかった・・・ くそっ!!」
静子「お母さん、ごめんなさい」

次のエピソード:別れ

コメント

  • これはかなり怖かった!最後まで展開が目まぐるしくて、かなり面白かったです!☺️👏👏👏👏

成分キーワード

ページTOPへ