蜂須賀陽菜①(脚本)
〇一階の廊下
男の子「ねぇ・・・?僕を置いて行かないで」
「「男の声」 お前も5歳だ!モノの分別が分かる歳だろ。父さんはこれから大事な用があるんだ」
「「女の声」 アンタまた女のトコでしょ?私の稼ぎ使わないで欲しいんだけど・・・」
「「男の声」 るせー!ギャアギャア騒ぐんじゃねぇってのクソ」
パタン・・・
体格の良い女「ほんとダラシない男・・・」
体格の良い女「お前もお前で機嫌損ねるから悪いんだよ! このっ!このっ!」
手に持った旦那らしい男のゴルフクラブで男の子を打ち付ける
ゴスっ!ゴスっ!と鈍い音。
顔に傷がつかぬよう目立たない様に体を狙う。手慣れたもんだ
男の子「くそっくそっ」
男の子「ヤッてやる!僕1人で生き延びる。 力が欲しい。力がない」
ケタケタケタケタケタケタケタケタ・・・・・・
男の子「ケタケタケタ」
〇黒
外村秀匡「・・・・・・・・・」
外村秀匡「ふぅ・・・」
〇荒れた倉庫
荒れた廃墟に1人の男がいた。
定住等もせず同じような所に住んでは離れてを繰り返す。
廃墟に響き渡る雨の音が彼の心を潤す。
しかし満たされる事はない渇望。
〇事務所
某市内オフィス
蜂須賀陽菜「もぉ〜定時で帰れる職場なのにここ1週間残業とかありえない!」
蜂須賀陽菜「その分しっかり残業代もらうんだからね。よーし、なんか燃えてきたわ」
私の名は蜂須賀陽菜、至って普通のOL。
けど少しブラックなのよね職場
「「男の声」蜂須賀さん!僕も手伝うよー」
蜂須賀陽菜「あ!ありがとう〜助かる。てか今2人しかいないよ?2人の時くらい普通にしてよね」
日向正人「ごめんごめん。仕事してるとつい・・・ね」
彼は日向正人(25歳)結婚を前提に交際中。私より1つ年下で職場としては3年後輩にあたる
蜂須賀陽菜「今日、私の家で呑みながら続きの映画みようよ〜」
日向正人「残業終わって帰ったら9時過ぎるよ。明日に響くしまた今度にしない?」
蜂須賀陽菜「私の家に泊まって明日、時間差で出勤すればいーよ。いつかは皆にも分かる事だし遅かれ早かれよ」
社内恋愛が禁止という訳でもない。
けどバレたら、いつ結婚するとか周りが急かしそうだしね・・・。
蜂須賀陽菜(焦ってはないけど早く結婚して親を安心させたいし、正人クンと一緒に居たいな)
さて〜残業がんばりますか!
〇街中の道路
数日後
蜂須賀陽菜(今日は早く終わったぞ! 帰ってドラマの溜まってた録画見なきゃだ♫)
外村秀匡「・・・・・・・・・」
外村は陽菜とスレ違い様にカバンから財布をかすめとる
外村秀匡「あのぉ・・・すみません!今サイフ落としましたよー!」
蜂須賀陽菜「あっあれ?いつの間に? すみません。ありがとうございます!」
外村秀匡「誰かに盗られる前で良かったです。帰宅時間で人も多いしすぐネコババされちゃいますよ」
蜂須賀陽菜「ホントに助かりました。それでは失礼しますね」
外村秀匡「間違っていたらごめんなさい。○○商事の蜂須賀さんですよね?」
蜂須賀陽菜「そうですけど? もしかしてアナタも?見ない顔だけどなぁ・・・」
外村秀匡「最近、ここに就職したばかりなんですよ〜分からない事が多くて(汗) 蜂須賀さんの事、有名ですよ」
蜂須賀陽菜「そうなの?私目立ってるかなぁ?」
外村秀匡「いえ、すごい仕事が出来る方なので僕の部署でも名声が届いてるんですよ」
そうかな〜確かに他の人より仕事は押し付けられるけど、そんな風に見られてるのね
外村秀匡「名乗らず失礼致しました。僕は外村と言います。機会がありましたらまたヨロシクお願いします」
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