谷川くんの落とし方!

まいおり

恋のライバルはブーメランと共に【前編】(脚本)

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〇一人部屋
澤山りつ「おいしいね」
谷川りく「ああ、でもさ──」
谷川りく「インスタント蕎麦って──」
谷川りく「彼氏の家に来てわざわざ振る舞う手料理なのか?」
澤山りつ「私、蕎麦茹でるの上手なのよ」
谷川りく「確かに美味いけど」
谷川りく「さてと」
谷川りく「食事も終わったし──」
谷川りく「遅くなるといけないから送っていくよ」
澤山りつ「えっ? まだ七時だけど・・・」
谷川りく「親が心配するだろう」
澤山りつ「なに言ってんの?」
澤山りつ「一人暮らしなの知ってるでしょ」
谷川りく「お前は高校生の時、一人暮らしだったのか?」

〇女の子の一人部屋
澤山りつ「これから恋人同士、ラブラブな時間が始まるんじゃないの」
澤山りつ「律儀に当時の設定通りに行動しなくて良いのに」
澤山りつ「そう言えば、学生時代の谷川くん真面目だったもんね」
澤山りつ「・・・・・・」
澤山りつ「当時付き合っていたら、すぐ別れたかもしれないわ」
澤山りつ「出会うタイミングって大事なんだな〜」

〇川沿いの公園
澤山りつ「おまたせ~」
澤山りつ「はぁはぁ」
澤山りつ「遅くなってごめんなさい」
谷川りく「この前は呼び出されて30分以上待たされたからな」
谷川りく「それに比べればマシだ」
澤山りつ「じゃあ、行きましょうか」
谷川りく「これが今日のデート資金だ」
澤山りつ「えっ!?」
澤山りつ「でも、これじゃランチ代にも・・・」
谷川りく「食事はファミレスで十分だ」

〇ファミリーレストランの店内
澤山りつ「・・・・・・」
谷川りく「不満そうだな」
澤山りつ「べ、別に・・・」
澤山りつ「もしかして谷川くん、お金に困ってるの?」
谷川りく「稼ぎは多くないけど困ってはいない」
澤山りつ「でも、初デートの資金が今どき5千円なんて」
谷川りく「あれは俺の高校時代の小遣いの額なんだ」
谷川りく「憧れの澤山りつとのデートのために昼食を抜いて貯めたっていう設定だよ」
澤山りつ「谷川くん」
澤山りつ「良いね。それ」

〇大企業のオフィスビル

〇オフィスのフロア
谷川りく「おはようございます」
前園はるか「・・・・・・」
谷川りく「前園、おはよう」
前園はるか「・・・・・・」
先輩「よう、谷川」
先輩「お前昨日めちゃくちゃ綺麗な人とデートしてただろ」
谷川りく「えっ?」
先輩「有給使ってお忍びデートしたところで──」
先輩「彼女にはバレバレなんだぞ」
谷川りく「彼女?」

〇休憩スペース
谷川りく「となり良いか?」
前園はるか「食べ終わったので、どうぞ」
谷川りく「・・・・・・」
先輩「おっ、今日は一人で食事か」
谷川りく「はぁ・・・」
先輩「ケンカか?」
先輩「まぁ、彼女に黙ってデートしてれば怒るのは当然だがな」
先輩「昨日、前園と一緒に営業先回ってたんだよ」
先輩「そしたら偶然カラオケ店から出てくるお前たちを見たって訳だ」
先輩「悪い事は出来ないもんだな」
谷川りく「ちょ、ちょっと待ってくださいよ」
谷川りく「彼女って誰ですか?」
先輩「前園の事だよ」
先輩「お前ら付き合ってるんだろ」
谷川りく「えっ!?」
先輩「違うのか?」
谷川りく「付き合ってなんかいませんよ」
先輩「そうか・・・」
先輩「でも前園はお前に惚れてるぞ」

〇マンションの共用廊下
前園はるか「はい、どなた?」
谷川りく「俺だ!」
前園はるか「どうしたの、こんな時間に?」
谷川りく「お前、俺の事が好きなのか?」
前園はるか「ななな・・・」
谷川りく「どうなんだ、好きなのか?」
前園はるか「いきなり何言い出すのよ!」
前園はるか「す、好きじゃないわよ!」
谷川りく「本当なんだな」
谷川りく「本当に好きじゃないんだな」
谷川りく「いい年して小学生みたいに照れて逆の事言ってるんじゃないだろうな」
前園はるか「と、とにかくここじゃなんだから中に入って」

〇本棚のある部屋
前園はるか「どうぞ」
前園はるか「・・・・・・・・・・・・」
前園はるか「誰に聞いたの?」
谷川りく「先輩だ」
谷川りく「あの後、色々話して──」
谷川りく「部署内でも公認の仲だって聞かされた」
谷川りく「前園は知ってたのか?」
前園はるか「・・・うん」
前園はるか「だって、あたしが周りに彼女づらして──」
前園はるか「谷川とあることない事言ってたから」
谷川りく「な、なんで?」
前園はるか「決まってるでしょ!」
前園はるか「周りの女子社員が、あんたを狙っていたからよ」
谷川りく「狙ってって・・・」
谷川りく「俺そんなモテないぞ」
谷川りく「生まれてから一度も告白された事ないし」
谷川りく「彼女だっていた事ないんだからな」
前園はるか「だから、その・・・」
前園はるか「初めての彼女候補をあたしが潰していたからじゃない!!」
谷川りく「・・・・・・」
前園はるか「ひどいよね、あたしって」
谷川りく「なんで?」
谷川りく「俺、惚れられるような事してないぞ」
谷川りく「それに出会った時には、お前は既に既婚者だっただろ」
前園はるか「だから──」
前園はるか「あんたに惚れちゃったから離婚したのよ」
谷川りく「なっ!!」
谷川りく「俺が原因で離婚しちゃったの?」
前園はるか「ちょ、直接の原因じゃないわよ」
前園はるか「あたしに他に好きな男がいるって旦那が気づいて」
前園はるか「浮気疑われちゃって・・・」
前園はるか「そしたら旦那が浮気しちゃって関係メチャクチャ」
谷川りく「・・・・・・・・・・・・」
前園はるか「だから、谷川は全然悪くないの」
谷川りく「・・・・・・・・・・・・」
谷川りく「ちょっと待て」
谷川りく「それじゃあ俺──」
谷川りく「社内では前園を略奪した事になってんじゃないのか!?」
前園はるか「ど、どうかな?」
前園はるか「そうかも・・・」
  ─後編に続く──

次のエピソード:恋のライバルはブーメランと共に【後編】

コメント

  • 谷川くん、設定に律儀すぎww
    そして優しすぎ!
    だからこそ、寄り付く女性2人が……職場での彼女ヅラの前園さん、こういう展開は好きなので楽しませてもらいました!

  • めちゃくちゃ好きな展開なんですけど!🤣🤣🤣
    前園、彼女ヅラしてるだけで彼女じゃなかったんだ〜😱
    しかも離婚済って、かなりハードな人生ですね。現実に近くに居たらしんどいけど、キャラ的には嫌いじゃない😁
    前川君も、噂の本人の家まで真相を確かめに行くという行動には、彼女にその気があったのか素直なだけなのか?

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