おしゃべりわんこと葵ちゃん

ヤッピー

1.不思議な出会い(脚本)

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〇堤防
  ──とある、美しい海に囲まれた島、『ララバイ島』には、たくさんの漁師が住む港町がありました
  ここに住む、細波 葵 (さざなみ あおい)
  ちゃんは漁師の父親と鮮魚店で仕事をする母親をもつ小学2年生です。
  アオイちゃんは島で唯一の小学生。
  島に住むのは殆どが大人の人でした。
アオイ「なーんか退屈だなぁ 何か面白いことでも起きないかな・・・」
  アオイちゃんは共働きの両親がいない間、いつも退屈していました。

〇海岸の岩場
  ある日、アオイちゃんが港の近くにある入江で遊んでいると、大きな水の音が聞こえました。
アオイ「今の音・・・ おっきいお魚かなっ!」
  アオイちゃんが音のした場所を見に行くとそこには・・・
アオイ「ええっ!?ワンちゃんっ?」
  小さな子犬が海面で溺れていました。
  アオイちゃんは初めて見る光景に驚き、少し立ち止まってしまいました。
アオイ「──待っててね、ワンちゃん! えいっ!」
  アオイちゃんはワンピースを脱ぎ、海に飛び込みました。
アオイ(よいしょ・・・よいしょ・・・!)
  アオイちゃんは泳ぐのが大得意。
  島の大人にだって引けをとりません。
  頑張って子犬の元に近づき、抱き上げて助け出します。
アオイ「ぷはぁっ! もう大丈夫だよ!」
???「──っ!」
  子犬はびっくりした様子でしたが、アオイちゃんは気にせず岸の方へと戻っていきます。

〇海岸の岩場
アオイ「はぁ〜っ さっぱりした!」
  アオイちゃんは子犬と共に岸に上がり、無事に子犬を助けることが出来ました。
???「・・・」
アオイ「ねぇワンちゃん、何で海の上にいたの? お魚は港町にいけば貰えるのに・・・」
???「・・・キミは、泳ぐのが得意なんだね」
アオイ「えっ!?」
  どこからか声が聞こえ、アオイちゃんは辺りを見渡しますが、周りには誰もいません。
カイル「僕はカイル。未来からやってきたんだ」
アオイ「み・・・みらい・・・?」
アオイ(というかこのワンちゃん・・・ 直接頭の中に話しかけてくる・・・!)
  アオイちゃんが助けた子犬は、テレパシーのような力で会話をすることが出来る不思議な子犬でした。
カイル「・・・ごめんね、驚かせちゃったかな」
アオイ「・・・」
アオイ「ううん! お話が出来るワンちゃんがいるなんて、とっても可愛い!」
  アオイちゃんは能天気な子でした。
アオイ「ねぇねぇ、みらいから来たって言ってたけど・・・」
アオイ「みらいって何?」
  アオイちゃんは未来という言葉の意味を知りませんでした。
カイル「え、えーっと・・・ つまり、これから起きる予定のことが、起きたあとの世界が未来・・・かな」
アオイ「ふーん、そうなんだ!」
  アオイちゃんは理解が出来なくても、何か教えてくれたことに対して理解を示す、大人ウケの良い子でした。
カイル(理解してない気がする・・・)
アオイ「ねぇカイル! お母さんとお父さんの所に行こう! 喋れるワンちゃんを見たらきっと驚くよ!」
カイル「え、ちょっと待って──」
  アオイちゃんは話をあまり聞かない子でした。

〇堤防
アオイ「おとーさ〜ん!」
  アオイちゃんはカイルを連れて父親の元にやって来ました。
父親「ん?どうしたアオイ? お父さんはこれから船出だから家に戻っていなさい」
アオイ「みてみてっ!このワンちゃん、カイルっていうの!」
父親「なっ・・・ その犬、どこで拾って来たんだ?」
アオイ「海の上だよ!」
父親「お前、また勝手に海に入ったのか! 危ないから止めろと言っているだろう!」
アオイ「あっ!そうだった! ごめんなさーいっ!」
父親「全くあいつは・・・」
父親「というかなぜ犬が海に・・・?」
  海の恐ろしさをよく知っているお父さんは、アオイちゃんが一人で海に入ることを禁止していました。
  アオイちゃんはいつも気にせず泳いでいるので、禁止されていることを忘れていたのでした。

〇島の家
アオイ「おかーさ〜ん!」
母親「あれ?アオイちゃん、今日は早いお帰りね〜」
  アオイちゃんのお母さんはとても若々しい見た目をしていました。
アオイ「みてみて!ワンちゃん!」
母親「まあ!なんて可愛い子犬ちゃん!」
母親「でも、どうして子犬なんて持ってるの? 野犬にしては整えられてるし・・・」
アオイ「この子はカイルって言うんだよ!」
アオイ「頭の中に直接話しかけることが出来る、すごいワンちゃんなんだよ!」
  アオイちゃんは感じた事をなんでも話す、素直な子でした。
母親「・・・」
母親「そうなんだ!かわいいね!」
  お母さんは娘の話をなんでも信じてあげる、親バカのお母さんでした。
カイル(なんてぽやんとした親子なんだ・・・)
  カイルはアオイちゃんのノリについていけず、話の濁流に流されていました。
アオイ「ねぇねぇお母さん! カイルのこと、ウチで飼ってもいい?」
母親「う〜ん・・・ でもその子、誰かのお家のワンちゃんじゃないかしら」
アオイ「そうなの?カイルっ?」
カイル「うーん・・・ 一応未来では飼われてたけど・・・」
アオイ「え〜っ 野良ワンじゃないのかぁ〜・・・」
母親「まあ、そうよねぇ・・・」
母親「そしたら、元の飼い主が見つかるまでウチで預かるのはどうかしら?」
アオイ「いいね!そうしようよ! いいよね?カイル?」
カイル(・・・まあ、他に行くあてはないし お世話してくれる家があった方がいいか・・・)
カイル「・・・うん、いいよ」
  カイルは少し面倒臭くなっていました。
アオイ「やったー!お母さん、私大切にお世話するね!」
母親「ええ!お母さんも手伝うからね! よろしくカイルちゃん!」
  こうしてカイルは、アオイちゃんのお家で一時的に保護されることになりました
  〜次に続く〜
カイル(いやこれ、何の話?)

次のエピソード:2.カイルの目的

コメント

  • 謎のワンコもいいけど
    母子の「ぽわぽわ」感がうれしい感じ
    まだまだ「隠された」ものは見えませんがゆっくりと楽しませてもらいますね

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