Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

「第五話 □み□しの世界」(脚本)

Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

今すぐ読む

Odyssey「胎内回帰ティアマト」
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇草原の一軒家
  前回のあらすじ、いつもと変わらない夢の内容に変化があったジン
  ティアマトに関係があると思われるその夢を見たことから、ジンはティアマトに会う前に情報を集める必要があると判断。
  探究神の分霊の白猫やせベクに振り回されながらも、アオイの協力もあり
  ジンはティアマトをよく知っていると思われる人物の住居へと案内される。
  また、エム、ヤン、せベクはそれぞれ島民達と交流をしている様子。
  第五話はその後から始まる・・・
  ・・・

〇草原の一軒家
「うるせぇ!!」
「今行くから大人しく待ってろ!!」
アオイ「わぁ!?ごめんなさい!?」
?「アオイ!!前にも言っただろ!?ノックは数回程度にしろ!?」
アオイ「ごめんなさーい」
アオイ「でも・・・」
?「でもじゃねぇ、この会話もう五回目だぞ?」
アオイ「はーい・・・分かったよー」
?「ったく・・・ほんとかよ・・・?」
?「・・・?」
ジン「・・・」
?「誰だお前・・・この島・・・いや、群島の人間じゃねぇな?」
アオイ「あ、私が紹介するよおじいちゃん!!」
?「は?お前の連れか?」
アオイ「うん、この人はジンさん!!この群島じゃないすっごく遠い所から来たんだって!!」
ジン「どうも、はじめまして」
?「はじめましておじいちゃん!!俺は猫!!」
?「喋る獣だと?」
?「・・・まぁどうでも良いが」
?「・・・はいはい、ジンに俺は猫か、変な名前の奴らだな」
?「えぇ待ってよ!?俺の名前そんなんじゃないよぉ!!」
?「俺の名前・・・」
?「・・・あ」
?「うるせぇ、お前らの名前なんざどうせ覚えても無駄だから興味ねぇ」
?「えぇ!?ひどーい!!」
アオイ「ちょっとおじいちゃん!!その言い方は酷いよ!!」
?「うるせぇ、本当のことだ」
?「それよりお前ら二人・・・二人?」
?「・・・は、何をしにここに来た?」
ジン「そうですね、単刀直入に言うとティアマト神の話を聞きに来ました」
?「そう、俺達ティアマトのお話聞きに来たの」
アオイ「ジンさん達はティアマト様のことが知りたいんだって!おじいちゃん詳しいでしょ?」
アオイ「お願い、二人にお話してあげて!!」
ジン「僕からもお願いします」
?「え、いや」
アオイ「えぇなんでー!?」
ジン「そうか・・・」
アオイ「なんでー!?別に良いじゃない!!お話するだけだよ?」
?「めんどくせぇ、それに俺はお前らを知らねぇ」
ジン「そうですか・・・」
ジン「困ったな・・・」
アオイ「むー!!」
アオイ「・・・あ」
ジン「どうしたの?」
アオイ「知らない人達だからお話するのがめんどくさいんだよね?」
アオイ「じゃあ二人とおじいちゃんがお友達になればめんどくさくならないよね?」
?「はぁ!?」
ジン「あぁ・・・なるほど?」
アオイ「じゃあさっそくお友達になる為にお茶会しよう!!」
?「何勝手なこと言ってんだアオイ!?」
?「俺もそれ良いと思うー!!」
?「みんなでおやつ食べればすぐに仲良しだよー」
アオイ「わぁ・・・!!猫さんもそう思う?」
?「おいお前ら人の話を聞きやがれ!!」
アオイ「・・・そのお家って私の元秘密基地なんだけどなぁー」
?「──!?」
?「そうなの?」
?「お・・・前・・・!!」
アオイ「お家がなくて困ってたおじいちゃんを助けてあげたの私なんだけどなぁー」
アオイ「おじいちゃんが使ってる食器もベッドも私の物で食べ物も私が・・・」
?「お前俺を脅す気かよ!?」
アオイ「・・・」
アオイ「・・・!!」
?「アオイちゃんってこんな一面があったんだね」
?「・・・」
?「・・・」
?「あぁもう分かったよ!!話せば良いんだろ!?」
アオイ「わぁ・・・!!本当!?ありがとうおじいちゃん!!」
?「わぁーい!!ありがとうおじいちゃん!!」
?「はぁ・・・ったくよ・・・」
アオイ「じゃあさっそくお家に入ろう!!」
?「うん!!」
ジン「えっと・・・なんかすみません」
?「うるせぇ・・・さっさと入れよ・・・」
ジン「は、はい・・・」
?「ったく、あいついつの間にか俺を脅すくらいに成長しやがって」
?「ついこの間までただの好奇心旺盛のめんどくせぇガキだったのによ・・・」
?「(ブツブツ文句を言っている)」

〇古民家の居間
アオイ「それじゃあ私お茶の準備してくるから少し待っててね」
?「俺も手伝うー!!」
アオイ「あ、ありがとう猫さん!!じゃあ私についてきて!!」
?「・・・」
ジン「・・・」
ジン「あの・・・」
?「なんだ?」
ジン「もし良かったら名前を教えてくれませんか?名前が分からないとこの後不便ですし」
?「・・・」
?「はぁ・・・「スカル」」
?「とりあえずそう呼んどけ」
ジン「あぁ・・・じゃあそう呼ばせてもらいます」
?「・・・ったく、お前達いきなり俺の所に押しかけてきやがって・・・」
?「で?何が聞きたいんだ・・・?」
ジン「そうですね・・・とりあえずティアマト神の詳しい話を聞かせていただいても?」
?「・・・」
?「お前らはティアマトの話をどこまで知ってる?」
ジン「え?どこまで・・・」
ジン「えっと・・・アオイちゃんに聞いた話だとティアマト神はこの群島の人達に加護を付けて回ってるとか」
ジン「この世界の生き物はティアマトに守られてるとか・・・ですかね?」
?「そうか・・・じゃあ」
?「俺からお前らに話せることはねぇ」
ジン「えぇ・・・?そんな・・・」
アオイ「おまたせー!お茶の準備が出来たよ!」
アオイ「それとおやつもあるよ!」
?「ビスケットとサブレだよ!」
?「ねぇねぇジンはどっちが良い?」
?「・・・ねぇねぇジンってば!」
ジン「えっあっ?・・・っとじゃあサブレで」
?「分かった〜」
?「じゃあ「ギルガメッシュ」おじいちゃんは?」
?「んぁ?俺か?じゃあおれ・・・は・・・」
?「・・・」
?「っておい!?なんでお前がその名前を知っていやがる!?」
?「んにゃぁ!?」
ジン「え・・・もしかして本当の名前?」
?「・・・っ!!」
?「あぁそうだよ!!それが俺の名前だ、なんで誰にも教えてねぇのにお前はその名前を知っていやがるんだ!?」
ジン「教えてないのに何故か白猫君は知っていた?」
ジン「・・・」
ジン「・・・あっ!?」

〇集落の入口
?「あっ!!アオイちゃんだー!!やっほー!!」
ジン「あぁもう!!ちょっと待ってよ!!」

〇古民家の居間
ジン「確かに・・・!!なんで気づかなかったんだ僕は!?」
ジン「なんであの時も君はアオイちゃんの名前をまだ聞いていなかったのに知っていたんだ!?」
?「あっ・・・それは昨日の夜俺が自分で聞いた」
ジン「あっ・・・そうなの・・・」
ジン「だったら・・・!!なんで誰も知らないはずのじいさんの本名を君は知ってるんだ?」
ギルガメッシュ「そうだ!その名前は誰も知り得ないはずの名前だ、さっさと吐きやがれ猫!!」
?「えっと・・・それは・・・」
?「俺の・・・能力で・・・」
ジン「君の能力だって・・・?」
ギルガメッシュ「その能力がなんなんだ!!ほら!!早く言え!!」
?「にゃう・・・」
ジン「ちょ・・・ちょっと・・・?」
アオイ「ちょっとおじいちゃん!!猫さんが怖がってるでしょ!?もう少し落ち着いてから喋って!!」
ギルガメッシュ「うるせぇぞアオイ!!今は落ち着いて喋ってる場合なんかじゃねぇ!!」
ギルガメッシュ「こいつは俺の本名を知っていた!!それは「この世界に居る俺以外の者は絶対に知っているはずがない」ものだ!!」
ギルガメッシュ「なんでお前がそれを知っている!?さっさと吐け!!」
アオイ「・・・!!」
アオイ「・・・!!」
アオイ「うるせぇ!!」
ギルガメッシュ「・・・!?」
アオイ「さっきから理由を話せとか言ってるけど猫さんのことよく見てないの!?」
アオイ「おじいちゃんが話そうとするとすぐに怒鳴るから怖がって話せないんだよ!!」
アオイ「だから私は少し落ち着いてって言ってるの!!」
アオイ「それともそんなことも分からないくらいにおっさんになっちゃったの!?」
アオイ「どうなの!?」
ギルガメッシュ「え・・・っと俺は・・・」
アオイ「今はそうなったのか、なってないかを聞いてるの!!早く答えて!?」
ギルガメッシュ「な・・・なってないです・・・」
アオイ「じゃあさっき言ったことの意味分かるよね?」
ギルガメッシュ「は、はい・・・」
ジン「つ・・・強い・・・」

〇古民家の居間
アオイ「少しは落ち着いた?おじいちゃん?」
ギルガメッシュ「あ、あぁ・・・」
ギルガメッシュ「悪かった、本名で呼ばれるのが久しぶりで少しパニックになっちまった」
?「大丈夫だよ、怒らせちゃう様なことした俺が悪いし・・・」
ギルガメッシュ「本当にすまんな・・・それで、なんでお前は俺の本名を知ってたんだ?」
ギルガメッシュ「どこで知った?」
ジン「それは僕も知りたいな、そういえば君の能力については僕はよく知らなかった」
?「もちろん良いよ!俺ができること全部教えてあげる!」
?「まずは何処で名前を知ったかだね、さっきアオイちゃんとお茶とおやつの準備してる時におじいちゃんのお話を聞いたの」
?「おじいちゃんがいつからここに居てここで何をしてるとか、何が好きで何が嫌いとか」
ギルガメッシュ「・・・変なことは聞いてないよな?」
アオイ「変なことって?」
?「それぐらいしか聞いてないよ?」
ギルガメッシュ「じゃあいい」
アオイ「ちょっとー!!変なことって何よー?私がおじいちゃんの何を教えるの?」
ギルガメッシュ「うるせぇ、静かにしろ」
アオイ「んもー!!」
ジン「うーんそれだけで本名が分かるとは思えないし・・・その後に「能力」を使ったのかな?」
?「うん!お湯を沸かしてる間に俺は「この家と土地に結びついてる記憶」を覗いたの!」
ギルガメッシュ「なんだと?」
ジン「そんなことが・・・?」
?「うん、俺がパパの分霊ってことはジン知ってるよね?」
ジン「確かにあの二人から探究神の分霊であることは聞いてる」
ギルガメッシュ「探究・・・?分霊・・・?何言ってんだお前ら?」
ジン「あ、そうだった・・・二人には僕達の正体を言ってなかったっけ?」
ジン「どうしようか?」
?「俺達ね!!」
ジン「・・・まぁ止めるだけ無駄か」
?「俺達ティアマトに会う為に異世界から来たの!!」
ギルガメッシュ「異世界だと・・・?」
ジン「信じられないと思いますが、本当のことなんです」
ギルガメッシュ「そうか、理解した」
ジン「ウッソだろ信じるのが早すぎません?」
ギルガメッシュ「お前らこの群島じゃない所から来たっつってたな?」
ジン「えぇ・・・はいそうですね」
ギルガメッシュ「それは有り得ねぇ、何故ならこの群島以外この星には島は存在しない、つまり陸はここにしかねぇんだ」
ジン「・・・は?」
?「え・・・?」
ギルガメッシュ「アオイはお前らの言うことを簡単に信じただろう、だがそれはあいつがこの島から出たことがない」
ギルガメッシュ「かつこの群島以外に関わる情報を得るすべがなかったからだ」
ギルガメッシュ「この群島に居る俺を除く奴ら全員アオイと同じく箱入りならぬ「島入り」だからな」
ギルガメッシュ「だからかアオイは人より好奇心旺盛に育っちまった、そんなあいつがお前らの話を信じるのは納得の話だな」
ギルガメッシュ「だが俺は違う、文字通り俺はこの群島に居る奴らとは根本から違うんだ」
ギルガメッシュ「奴らが知らない事も知ってる、だからお前らの異世界から来たって話は信じるぜ」
ギルガメッシュ「それにお前ら「青く」ねぇしな」
ジン「そうですか・・・」
ギルガメッシュ「そんなことよりだ、お前の能力とやらはなんだ?それにお前・・・だよ・・・確かじぇ・・・?」
ジン「ジンです」
ギルガメッシュ「そうかジンだったな、それでお前らの能力はなんだ?それに探究とやらはなんなんだ?」
?「えっとね、探究神は俺のパパ・・・別れ元だよ」
?「俺達はそれぞれ人間達の感情から生まれた神、パパが言ってた総称は「感情神」」
?「それと俺の能力は一言で言うなら「情報収集」」
?「それで土地とかからギルおじいちゃん関係の記憶を集めて名前を知ったんだ」
ギルガメッシュ「なるほど・・・」
ギルガメッシュ「それで?お前らがわざわざ異世界からこんな世界に来た理由は?」
ギルガメッシュ「ティアマトに会うってんだから結構大層な理由なんだろ?」
ジン(どうする?ティアマトに会いに来たのは間違いないけど、それはいずれ暴走する可能性のあるティアマトを殺す為だ)
ジン(しかもそれをティアマトを信仰してるであろう人達に正直に言うのはきっとまずいぞ・・・)
ジン(あれ・・・?)
ジン(何か忘れているような・・・)
?「うん!!俺達ティアマトを殺す為に来たの!!」
ギルガメッシュ「なんだと・・・?」
ジン「・・・あ」
ジン「ちょっとぉぉぉ!?」
アオイ「・・・」
アオイ「・・・え?」
アオイ「どういうこと・・・?なんでそんなことするの・・・?」
アオイ「そんな・・・殺すなんて・・・なんでなの?」
?「それは「私達」がお教えしましょう!!」
アオイ「キャアアア!?助けておじいちゃん!!」
?「あ、ちょっと待ってください!!誤解です!!」
?「誤解ですってばぁぁぁ!!」
  ギル「な、なんだテメェ!?」
  ジン「ギャアアアアなんか来たァ!?」
  アオイ「うわぁぁぁん!!おじいちゃーん!!」
  To Be Continued

次のエピソード:「第六話 □み直しの世界 『ジン視点』」

成分キーワード

ページTOPへ