〇グラウンドのトラック
咲須穂乃果「・・・・・・・・・・・・」
咲須穂乃果「由香センパイ・・・・・・今日も休み・・・・・・」
咲須穂乃果（あの日から・・・・・・ずっと部屋にこもって・・・・・・）
咲須穂乃果（あの女を由香センパイから引き離すこと・・・・・・それだけなら）
咲須穂乃果（あたしの思い描いた結果にはなった・・・・・・）
咲須穂乃果「ううん・・・・思い描いたのはあたしじゃない・・・・・・あいつだ・・・・・・」

〇教室
　　あれは、あたしがあの女に宣戦布告する３日前・・・・・・
咲須穂乃果（今日は雨かー・・・・・・）
咲須穂乃果（この時期に外での練習が出来ないのは──）
岡島瑠里乃「あ、あの・・・・・・」
咲須穂乃果「えっと・・・・・・あなたは・・・・・・」
岡島瑠里乃「お、岡島瑠里乃です・・・・・・」
咲須穂乃果（人見知りの子なのかな・・・・・・？）
咲須穂乃果「岡島さん、あたしに何か用？」
岡島瑠里乃「えっと・・・・・・咲須さんは、鈴木先輩のことが好きなんですよね？」
咲須穂乃果「え、な、なに急に!?」
岡島瑠里乃「その反応、やっぱり正解だったみたいですね」
咲須穂乃果「う、うん・・・・内緒だよ・・・・・・？」
岡島瑠里乃「それはこれから決めることにします」
　　その女は・・・・・・急に饒舌になって、あたしにこう言ってきた
岡島瑠里乃「篠原先輩と鈴木先輩を引き離す手伝いをしてください」
咲須穂乃果「由香センパイとあの女を!?」
咲須穂乃果「なんであなたがそんなこと」
岡島瑠里乃「私、篠原先輩が好きなんです」
岡島瑠里乃「だから、あの２人の仲を引き裂いて」
岡島瑠里乃「咲須さんが鈴木先輩を、私が篠原先輩を貰ってしまおうという算段です」
咲須穂乃果「な、何言ってるかわからないんだけど・・・・・・」
岡島瑠里乃「なら、もっと単刀直入に説明しますね」
岡島瑠里乃「鈴木先輩のことが大事なら、私の言うことに黙って従ってください」
咲須穂乃果「し、従う・・・・・・？」
岡島瑠里乃「鈴木先輩、これからインターハイがあるそうですね」
岡島瑠里乃「運動音痴の私にはわかりませんが、きっとメンタルも大事になるのでしょう」
咲須穂乃果「もっと分かりやすく言って!!!」
岡島瑠里乃「伝わりにくかったですか、すみません」
岡島瑠里乃「これです」
咲須穂乃果（鈴木先輩の・・・・・・裸の写真・・・・・・!?）
岡島瑠里乃「あれ、好きな人の裸体で興奮しちゃいましたか？」
咲須穂乃果「そんなわけないでしょ!!!なにこの写真!!!」
岡島瑠里乃「見ての通りですが？」
岡島瑠里乃「もし欲しいのなら送りますよ？」
咲須穂乃果「ふざけんな!!!早く消せ!!!」
岡島瑠里乃「消すのは構いませんが、この写真を撮ったのは私じゃないんですよね」
咲須穂乃果「じゃあ誰!!!」
岡島瑠里乃「もちろん、篠原先輩です」
咲須穂乃果「は・・・・・・？」
岡島瑠里乃「証拠もあるんですよ」
　　岡島さんのスマホには、由香センパイの部屋に侵入するあの女が映っていた
咲須穂乃果「な・・・・・・なに・・・・・・」
咲須穂乃果「あの女・・・・・・こんなこと・・・・・」
岡島瑠里乃「私と手を組んで由香センパイを手に入れるか」
岡島瑠里乃「私と敵対して大好きな先輩に一生残る恥をかかせるか」
岡島瑠里乃「どちらが利口か、誰でもわかりますよね」
咲須穂乃果「・・・・・・・・・・・・」
咲須穂乃果「・・・・・・・・・・・・」
咲須穂乃果「分かった・・・・・・あなたに従う・・・・・・」
咲須穂乃果「だから!!その写真は誰にも見せないで!!」
岡島瑠里乃「もちろんですよ」
咲須穂乃果「それで、あたしは何をしたらいい？」
岡島瑠里乃「今よりも鈴木先輩と多く接してください」
岡島瑠里乃「そして、篠原先輩に喧嘩を売ってください」
咲須穂乃果「そ、それだけ!?」
岡島瑠里乃「ええ、これで私は篠原先輩を、咲須さんは鈴木先輩を手に入れることが出来る」
岡島瑠里乃「お願いしますね、期待してますよ」

〇教室
咲須穂乃果（あとはあたしが由香センパイを手に入れれば・・・・・・）
咲須穂乃果（でも、そんな傷心につけこむみたいな・・・・・・）
咲須穂乃果（そもそも、あの女と岡島さんは警察に突きだすべきじゃ・・・・・・）
咲須穂乃果（でも、そんなことしたらあの写真を流される・・・・・・!!）
咲須穂乃果（岡島さん・・・・・・ここまで考えてたの・・・・？）
咲須穂乃果「怖いよ・・・・・・」
咲須穂乃果（・・・・・・いや）
咲須穂乃果（岡島さんは確かに怖い・・・・・・でも、あたしは敵対しなかった）
咲須穂乃果（お互いに得するために指示通り動いたし・・・・・・）
咲須穂乃果（それにあたしは殺されそうになった、その見返りくらい受け取る権利はあるよね）
咲須穂乃果（今日、由香センパイの部屋に行こう）