裏切り(脚本)
〇牢屋の扉
黒騎士アレックス「見張り、ご苦労」
帝国兵「これはアレックス様!?何故こんな所へ?」
黒騎士アレックス「こうする為さ!!」
帝国兵「ぐあ!?」
黒騎士アレックス「コレが牢の鍵か・・・」
〇牢獄
フィリア「黒騎士!?何?笑いにでもきたの?」
黒騎士アレックス「おいおい・・・助けにきたのに、ご挨拶だな」
フィリア「助けにきた!?何で!?」
黒騎士アレックス「立派な騎士を、このまま囚われの身にする訳にはいかないからな」
黒騎士アレックス「まさか、撤退せずに民を助けに向かうとは、恐れいったぜ」
フィリア「当たり前でしょ!!民が襲われているのに、自分たちだけ逃たら、トーラス様に顔向けできないわ」
黒騎士アレックス「ま、それで囚われたら身もふたもないがな」
フィリア「ふん!!」
黒騎士アレックス「さっさと出るぞ!!民達も逃がさないとな」
フィリア「待って?何故私たちを逃すの!?」
黒騎士アレックス「あ?自分の命を省みず民を助ける奴を助けない訳にはいかないからな」
フィリア「それって、皇帝を裏切るって事?」
黒騎士アレックス「ふん、なにより俺はこの国の者ではないからな、皇帝に忠誠なんて無いさ」
黒騎士アレックス「それ、さっさと逃げるぞ!!何せ大所帯で移動するんだ、追っ手にすぐ追いつかれるぞ」
フィリア「わかった」
〇闇の要塞
フィリア「それで?どういう進路をとるの?」
黒騎士アレックス「遠回りになるが安全なダンブルグの丘を通るか、近いが危険なダーグローブの林を抜けるかの二択だ」
フィリア「多少の危険は冒しても、近い方を行きましょ」
黒騎士アレックス「わかった、その前にコレを渡しておく」
フィリア「ありがとう」
黒騎士アレックス「よし、行くぞ」
〇謁見の間
帝国兵「お知らせいたします、黒騎士アレックスが捕虜を連れて逃げ出しました!!」
四天王ラングルフ「ちょっと!?見張りは何してたの?まだムフフな事してないのよ!?」
皇帝バルデウス「ふむ・・・すぐに追っ手を出さないとな」
四天王ウォルター「お待ちくだされ、陛下」
皇帝バルデウス「何故だ、ウォルター?」
四天王ウォルター「おそらく黒騎士はダーグローブの林を通るかと・・・それにもう少しで雨が降りましょう」
四天王ウォルター「夜の雨の中、あの林の中を追うのはこちらも危険かと・・・」
皇帝バルデウス「そうか、わかった、では夜が明けてから追っ手を出すか・・・では誰が良いものか・・・」
???「それは、我らにお任せを」
フトール「フトール!!」
デブール「デブール!!」
メタボール「メタボール!!」
「我らヒーマン三兄弟!!」
皇帝バルデウス「よし!!ヒーマン三兄弟よ、夜明けに黒騎士を追い、そのままライボルト城を攻めよ!!」
「は!!仰せのままに!!」
〇森の中
黒騎士アレックス「ちっ、雨か・・・マズイな」
フィリア「何がマズイの?」
黒騎士アレックス「聞こえないか?」
フィリア「な、何がいるの?」
黒騎士アレックス「ここには、この国しかいない狼がいるんだが、雨でも匂いがわかるほどの嗅覚を持ってる」
黒騎士アレックス「逆にこっちは夜な上にこの雨だ、視界が悪すぎて襲われても後手に回って、犠牲者をだしかねない」
フィリア「そんな・・・」
黒騎士アレックス「とりあえず警戒だけは、怠るなよ」
フィリア「わかった」
〇林道
黒騎士アレックス「よし、もう少しで出口だ」
黒騎士アレックス「な!?どうした!?」
ダークウルフ「ガルルルー」
村人「うわー、狼だ!!」
女の子「助けて!!」
黒騎士アレックス「ちっ!!ここまで来て、出会すとは・・・」
フィリア「早く助けないと!!」
ダークウルフ「ギャン!!」
「ガルルル!!」
黒騎士アレックス「ちっ!!数が多い!!俺が引きつけてるうちに、フィリアは先に民を連れて先に行け!!」
フィリア「大丈夫なの!?」
黒騎士アレックス「心配するな、俺を誰だと思ってる?」
フィリア「そうね、トーラス様に勝った男が、こんな所で死ぬ訳無いわね」
フィリア「じゃ、任せたわよ!!」
黒騎士アレックス「ふぅ、この技は余り使いたく無かったが・・・仕方ない」
黒騎士アレックス「うぉぉぉぉ!!」
ダークウルフ「ギャン!!」
ダークウルフ「ギャン!!」
ダークウルフ「ギャン!!」
フィリア(凄い・・・あれだけの数の狼を・・・トーラス様の時は、全力じゃ無かったのね・・・)
フィリア(隙を見て、仇を取ろうと思ったけど・・・私では無理だわ・・・)
フィリア(このままライボルト城まで、一緒に向かった方がよさそうね)
黒騎士アレックス「大丈夫か?」
フィリア「うん、こっちは大丈夫、さ、行きましょ」
黒騎士アレックス「そうだな」
〇古い洋館
雷国兵士「そこの者、止まれ!!何用だ!!」
フィリア「トーラス隊副官、フィリア帰還しました」
雷国兵士「フィリア様!?ご無事でしたか?敵に捕らえられたと・・・」
フィリア「その事だけど、助けてくれた人がいるの・・・王に会いたいんだけど?」
雷国兵士「は!!お入り下さい」
雷国兵士「ところで、後ろの男は誰だ?」
雷国兵士「さあ?」
〇謁見の間
フィリア「国王様、トーラス隊副官フィリア、ただいま戻りました」
サンドフォン国王「おぉフィリア、無事だったか・・・心配したぞ」
フィリア「はい、敵に囚われたのですが、こちらの者に民達共助けられました」
サンドフォン国王「おお、そうか!!国を代表して礼を言う、で?其方の名は?」
黒騎士アレックス「・・・」
サンドフォン国王「どうした?何故名乗らぬ?」
黒騎士アレックス「では名乗らせてもらおう・・・俺の名はアレックス・・・黒騎士アレックス」
サンドフォン国王「何だと!?我が国の英雄トーラスを殺した男か!?」
サンドフォン国王「ええい!!今すぐこの男を捕らえよ!!」
フィリア「お待ち下さい国王、確かにこの男はトーラス様を殺しましたが、それは戦場での事、それに我が国の民を逃してくれたのも事実です」
サンドフォン国王「むむむ・・・」
カリン「国王様、お呼びでしょうか?」
サンドフォン国王「おお、カリンか・・・お主の兄を殺した男が現れたんだが・・・?」
カリン「え?お兄様を殺した男が・・・ですか?」
黒騎士アレックス「そうだ、お前が雷の正統継承者か?」
カリン「ええそうです、私はカリンと申します」
黒騎士アレックス「そうか・・・戦場の事はいえ、兄の事はすまない」
カリン「それに関しましては、確かに思う所がありますが・・・我が国民とフィリア様を救ってくれたのも事実です」
カリン「それに兄を戦場に送り出したのですから・・・こうなる事も覚悟の上です、今は冥福を祈りましょう」
黒騎士アレックス「すまない・・・」
カリン「所で・・・兄様は強かったですか?」
黒騎士アレックス「ああ、間違いなく強かった、あれほどの強者はそうそういまい」
カリン「そうですか・・・兄様」
急なデブ三人衆の登場とそのネーミングに吹きましたw
キャラが多くて作品の作り込みがすごいですね!演出も相変わらず派手で読んでて楽しかったです☺