第七話 明かされる真実…(脚本)
〇古い洋館
〇豪華な部屋
ネイキッド・N・ヌーディック「大原先生⋯ こんなに冷たくなって⋯」
「ママ⋯」
無名山 ホルヘ「どうか安らかに──」
大原 満枝「死んじゃいないよ」
「ママ⋯!」
ネイキッド・N・ヌーディック「何があったんですか?」
大原 満枝「お花摘みに行って⋯」
大原 満枝「戻ろうとしたら 頭を殴られて⋯」
大原 満枝「そこから先は記憶がなくて⋯」
穂積 真緒 「私が説明するよ」
穂積 真緒 「男性陣の留守中に、 2階を調べに行ったんだ」
穂積 真緒 「ほどなく腹痛に襲われたママは 下のトイレに行った」
穂積 真緒 「私らは15分後くらいに 下りたけど、ママがいなくて」
穂積 真緒 「探したら冷凍室の中で 倒れていたんだ」
ネイキッド・N・ヌーディック「大原先生が一人で 一階にいたところ、」
ネイキッド・N・ヌーディック「何者かに殴られ気絶し、 冷凍室に閉じ込められた──」
ネイキッド・N・ヌーディック「ということですか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「すぐ見つかって良かったですね」
穂積 真緒 「冷凍室の扉にママのチュニックが 挟まっていたんだ」
穂積 真緒 「既に誰もいなかったけど、」
穂積 真緒 「テラスのドアが開いてたから、 そこから出入りしたんだろう」
静永 春花「やっぱり殺人犯が まだ島にいるのね⋯!」
静永 春花「しかも鍵まで持っているなんて⋯!」
ネイキッド・N・ヌーディック「先生は犯人を見たんですか?」
大原 満枝「ぃぇ、後ろから殴られたから⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「後ろから? トイレは突き当たりですが──」
大原 満枝「あ⋯えっと、キッチン!」
大原 満枝「キッチンらへんで襲われたのよ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「なるほど⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「殴られたのは後頭部ですか?」
大原 満枝「え、ええ⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「失礼します」
ネイキッド・N・ヌーディック「コブや傷はないようですね」
ネイキッド・N・ヌーディック(気絶するほど強く殴られたのに)
大原 満枝「毛量に救われたわね!」
ネイキッド・N・ヌーディック「お一人ずつ詳しい話を伺えますか?」
〇おしゃれな食堂
穂積 真緒 「合鍵?」
穂積 真緒 「春花が氷取り替えるとき ベッドに置いたのを、」
穂積 真緒 「ママがうっかり 持ってっちゃってね」
穂積 真緒 「横の部屋に挿してたから、 私が回収したんだ」
ネイキッド・N・ヌーディック「横の部屋というのは、 樋上さんの部屋ですね?」
穂積 真緒 「多分そうだね、202号室だよ」
ネイキッド・N・ヌーディック(そういえば⋯)
ネイキッド・N・ヌーディック「穂積さんの部屋の鍵を 見せてもらえますか?」
穂積 真緒 「はいよ」
ネイキッド・N・ヌーディック(やはり部屋番号が貼ってある)
穂積 真緒 「鍵がどうかしたのか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「いえ」
ネイキッド・N・ヌーディック「しかし先生も、わざわざ 鍵を開けていくとは」
ネイキッド・N・ヌーディック「切迫していたでしょうに」
穂積 真緒 「ほんと世話焼きだよね」
穂積 真緒 「他に質問ある? 次はせつなでいいかな?」
ネイキッド・N・ヌーディック「お願いします」
服部 せつな「上にいた時に 下の音が聞こえたかって?」
服部 せつな「いんや?」
服部 せつな「てか聞こえてたらママ 下行った意味なくないwww?」
ネイキッド・N・ヌーディック「そう、ですね」
ネイキッド・N・ヌーディック「本当に消音が目的だったなら、ですが⋯」
服部 せつな「なんて?」
ネイキッド・N・ヌーディック「あ、いえ」
服部 せつな「質問終わった系? 春ち〜呼んでくるわ〜」
静永 春花「ママはすぐ目を覚ましたけど ぼんやりしてて、」
静永 春花「『2階は何もなかった?』 って、何度も繰り返してた⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「2階を気にしていたんですね?」
静永 春花「えぇ⋯ 何か分かったの?」
ネイキッド・N・ヌーディック「いえ⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「質問は以上です 戻りましょう」
〇豪華な部屋
ネイキッド・N・ヌーディック「最後に先生と話させてください」
穂積 真緒「じゃ、昼飯の準備してるね」
樋上 雄司「俺らも食堂で見張っとくな」
ネイキッド・N・ヌーディック「⋯では、」
ネイキッド・N・ヌーディック「包み隠さず教えていただけると ありがたいのですが──」
大原 満枝「⋯」
〇おしゃれな廊下
穂積 真緒「終わった? ちょうどお昼ができたところだ」
ネイキッド・N・ヌーディック「先に食べていてください」
ネイキッド・N・ヌーディック「考えを整理したいので 下にいますね」
穂積 真緒「何かあったら呼ぶんだよ?」
〇古い洋館
〇浴場
角下 イノ「生きてます? もう3時ッスけど」
ネイキッド・N・ヌーディック「そんな時間ですか? 皆さんは?」
角下 イノ「応接間にいるけど ちょっと限界かも⋯」
角下 イノ「ママ先生は伏せってるし、 静永さんはベソベソ、」
角下 イノ「無名山さんはチャペルに 祈りに行っちゃったし、」
角下 イノ「樋上さんと服部さんは 一瞬即発」
角下 イノ「穂積さんが頑張ってるけど──」
「んだと、テメェ! もういっぺん言ってみろ!!」
ネイキッド・N・ヌーディック「行きましょう」
〇おしゃれな廊下
〇豪華な部屋
服部 せつな「え〜? だって、春ち〜怪しすぎん?」
服部 せつな「呼び方もず〜っと 『いっ君』だったのに、」
服部 せつな「なに『一輝さん』てwww」
静永 春花「そ、それは雄司さんの お嫁さんとして⋯」
服部 せつな「スッとぼけんな──!!」
服部 せつな「浮気バレしそうになって 暗殺者雇ったんしょ!?」
服部 せつな「だから一輝の亡霊にビビってる! でしょ!?」
穂積 真緒「まぁ、落ち着いて」
穂積 真緒「そうだ! オヤツでも──」
樋上 雄司「どきな。 イカれてるぜ、コイツ」
樋上 雄司「一発殴って正気に戻そう」
服部 せつな「イカれてんのはそっちぢゃん! この嫁バカ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「樋上ッさぁ────ん!!」
ネイキッド・N・ヌーディック「雨が上がったので 森側を調べに行きませんか?」
樋上 雄司「お、おぅ⋯」
角下 イノ(さすがネイキッさん! 一瞬で場の雰囲気を変えた!)
穂積 真緒 (不意打ちのフルチンはひるむよね)
樋上 雄司「俺が戻るまで そいつを春花に近づけんなよ」
穂積 真緒「はいはい」
角下 イノ 「気をつけてくださいね 底なし沼とか崖とか」
ネイキッド・N・ヌーディック「ええ。ここは任せましたよ」
〇古い洋館
〇森の中
〇山の中
樋上 雄司「足跡一つねぇな?」
ネイキッド・N・ヌーディック「そうですね」
ネイキッド・N・ヌーディック「そういえば樋上さん、」
ネイキッド・N・ヌーディック「船で、ポリタンクを 移動させてましたよね?」
樋上 雄司「あぁ、一輝に言われてな」
樋上 雄司「それがどうした?」
ネイキッド・N・ヌーディック「中身は入っていましたか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「服部さんが躓いたとき、 随分痛そうでしたが⋯」
樋上 雄司「──そうだな」
樋上 雄司「かなり重かったと思う」
ネイキッド・N・ヌーディック「しかしあのポリタンクは 船が沈んだ時、」
ネイキッド・N・ヌーディック「波に浮き、かなりの速さで 流されていました」
ネイキッド・N・ヌーディック「船内で中身が溢れたのでは?」
樋上 雄司「⋯沈没の原因を疑ってるのか?」
樋上 雄司「仮に満タンだったとして、 せいぜい20Lだろ?」
樋上 雄司「あんなんじゃ沈まねぇよ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「船底に、船内からプロペラを 確認するための『窓』がありますよね?」
樋上 雄司「『プロペラ点検口』か⋯ 乗り物が苦手な割に詳しいな」
樋上 雄司「あれも開けたからって 即沈むようなもんじゃねぇ」
樋上 雄司「浸水を防ぐための 隔壁もついているからな」
ネイキッド・N・ヌーディック「窓を開けた状態で、 隔壁内に水が注ぎ込まれたら?」
ネイキッド・N・ヌーディック「水量が隔壁を超えれば、」
ネイキッド・N・ヌーディック「船内に海水が流れ込むのでは?」
樋上 雄司「⋯俺が沈めたとでも?」
ネイキッド・N・ヌーディック「⋯」
樋上 雄司「冗談だろ? なんのためにだよ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「佐江川さんの救命胴衣が 破れていました」
ネイキッド・N・ヌーディック「始めから彼を溺死させる つもりだった、とか⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「それに、屋敷内での犯行も 予め計画されていたなら、」
ネイキッド・N・ヌーディック「沈没の果たす役割は多い」
ネイキッド・N・ヌーディック「例えば、スマホが水没すれば 外部との連絡を断てます」
ネイキッド・N・ヌーディック「疲労困憊させることで、 単独行動を促したり、」
ネイキッド・N・ヌーディック「判断力を鈍らせる効果も 期待できます」
ネイキッド・N・ヌーディック「さらに、荷物を 持ち込めなかったことで」
ネイキッド・N・ヌーディック「外部犯に疑いを逸らすことも できたでしょう」
樋上 雄司「おいおい、 ポリタンクひとつで犯人扱いかよ」
ネイキッド・N・ヌーディック「違いましたらすみません」
ネイキッド・N・ヌーディック「ただ、主催者なら 諸々準備しやすいかと⋯」
樋上 雄司「一理あるが⋯ 短絡的すぎんだろ」
ネイキッド・N・ヌーディック「部屋割はどのように決めましたか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「佐江川さんのいた部屋は 廊下から見えない位置にありますよね」
樋上 雄司「テラスからもな」
樋上 雄司「適当に決めたせいで、 あいつは無差別犯の標的に⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「佐江川さんに鍵を渡した時、」
ネイキッド・N・ヌーディック「部屋の場所を 伝えていませんでしたよね?」
樋上 雄司「そ⋯そうだったかな?」
ネイキッド・N・ヌーディック「他の部屋の鍵には部屋番号が 貼ってありましたが、」
ネイキッド・N・ヌーディック「現場に残された鍵には ついてませんでした」
樋上 雄司「一輝が剥がしたのかもな。 あいつ酔ってたから⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「あるいは犯人が剥がしたか──」
樋上 雄司「なんのためにだよ!?」
ネイキッド・N・ヌーディック「他の部屋番号が 貼ってあったのでは?」
ネイキッド・N・ヌーディック「例えば⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「202とか──」
〇けもの道
樋上 雄司「そりゃ俺の部屋だ! あいつも来てねぇぞ!」
樋上 雄司「そもそも、んなことする意味ねぇだろ!?」
ネイキッド・N・ヌーディック「佐江川さんに 『来て』ほしかったのでは?」
ネイキッド・N・ヌーディック「殺害準備をして待機している 201号室に⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「これは推測ですが──」
〇暗い廊下
佐江川さんは、貴方と会う約束を
していたのではないでしょうか
皆が静まった頃、彼は
貴方の待つ201号室に直行した
自室と伝えられた202に
寄る必要はなかったでしょう
荷物もありませんでしたから
〇可愛らしいホテルの一室
密会の口実は
余興の打ち合わせでしょうか?
仮にそれが、脱出マジックの
ようなものだったとして──
貴方は佐江川さんの同意のもと
彼の手足を縛り、口を塞ぎ、
用意していた刃物で
無抵抗な彼を刺した
返り血を流し、
壁にメッセージを残すと、
部屋を出て、佐江川さんの
持っていた鍵で施錠した
その後──
佐江川さんの遺体の発見し
駆け寄った際に、
合鍵を落とすフリをして、
201号室の鍵もベッドに置いた──
〇けもの道
樋上 雄司「な⋯」
樋上 雄司「妄想が過ぎるぞ! 証拠は?」
樋上 雄司「凶器はどこに行ったんだよ?! 窓から投げ捨てたとでも?」
ネイキッド・N・ヌーディック「物置に隠したのかと⋯」
樋上 雄司「物置の鍵は春花が持っている 1本だけだ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「それは、合鍵の束に まとめられていませんか?」
ネイキッド・N・ヌーディック「静永さんに合鍵を預ける前に 抜いておき、」
ネイキッド・N・ヌーディック「佐江川さんを起こしに 鍵束を借りた際に戻したのでは?」
ネイキッド・N・ヌーディック「あれだけの本数あれば 気付かれないでしょう⋯」
樋上 雄司「⋯」
〇森の中の沼
樋上 雄司「まだ見つかってないんだろ?」
ネイキッド・N・ヌーディック「それはこれから調べるところで⋯」
樋上 雄司「あるワケがない!」
樋上 雄司「胸を貫通するほどの刃物だぞ!?」
樋上 雄司「あれば、今朝あいつらが 調べた時に見つかってるだろ!」
ネイキッド・N・ヌーディック「『凶器は長物』 そう思わせるために、」
ネイキッド・N・ヌーディック「胸と背中の同じような位置を 刺したのかもしれません」
ネイキッド・N・ヌーディック「折りたたみナイフであれば、」
ネイキッド・N・ヌーディック「手袋やガムテープと一緒でも さほど場所を取らず隠せるかと⋯」
樋上 雄司「き⋯凶器が物置にあったとして! 犯人はママを襲った奴だろ!?」
樋上 雄司「奴はテラスの鍵を 開けて入り込んだッ!」
樋上 雄司「俺の不在時にだッ!!」
ネイキッド・N・ヌーディック「──先生が襲われたのは、」
ネイキッド・N・ヌーディック「『有り難い誤算』だった かもしれませんね」
ネイキッド・N・ヌーディック「犯人(貴方)にとっても 探偵(私)にとっても──」
ママが冷たくなっている!という表現が冷凍庫に入ってたという事実で、ツボりました。
ネイキッ君の推理がついに犯人を追い詰めた?
人間関係も綻び始めて、みんな本性が出てきましたね。私の推理は当たってなかったです。多分🥲
ネイキッくんの推理、辻褄は合ってるけど、それを二人きりで本人に話して当たってた場合、大丈夫かな?と心配してました😂
ママ生きてて良かったですが、そうすると不可解な行動が気になりますね💦
ママが気絶していたという事で少しホッとしましたが、まだまだ油断ならないですね。
ネイキッドが推察する「誤算」とは一体。
序盤でのカップルのトラブルも絡んでくるかも……。