麻木ブレイド物語

甘土礼朝

1-3(脚本)

麻木ブレイド物語

甘土礼朝

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〇駅前ロータリー(駅名無し)
???「お、居た居た」
知らん男「やっと見つけたよ」
麻木 嵐「何か用ですか?」
知らん男「いや、人が全くいなくて困ってたんだ」
麻木 得瑠「何かあったんですか?」
知らん男「連絡をしようにも携帯がおかしくてね 代わりに連絡してもらおうと探してたんだ」
麻木 得瑠「すみません、実は私たちもなんですよ」
麻木 嵐「姉さん!」
知らん男「それになんか変な画像出てきて」
知らん男「こんなんなんだけど──」
麻木 嵐「姉さん!」
  妹は姉に近づこうとした男を突き飛ばす。
  男は頭でもぶつけたのか倒れたまま動かない。
麻木 得瑠「いきなり何!」
麻木 得瑠「ちょっと大丈夫ですか──」
麻木 嵐「姉さん!! 近づかないで!」
麻木 得瑠「何よ嵐・・・」
麻木 嵐「逃げます」
麻木 得瑠「だってこの人」
麻木 嵐「ここは私の言うこと聞いて!」
麻木 得瑠「嵐がここまで言うなんて・・・ すみません」

〇田舎の公園
  二人は駅から離れ自宅の方へ急ぐ。
  建物の少ない区域の公園にきた。
麻木 得瑠「はぁ・・・ふぅ、ちょっと休憩させて嵐ちゃん」
麻木 嵐「早く戻りたいとこですが、少し休みましょう」
麻木 得瑠「ありがとう嵐ちゃん、それでさっきの説明してくれるかな」
麻木 得瑠「いきなり突き飛ばしてケガでもしてたら──」
麻木 嵐「そうですね・・・」
麻木 嵐「駅の辺りで私たち以外誰もいない これは何かの意図でそうされています」
麻木 得瑠「そんなマンガみたいなことあるの?」
麻木 嵐「もっと早く気づいていれば良かったんですが──」
麻木 嵐「そこに近づいて来た男──これがおかしくないわけがありません」
麻木 得瑠「味方の可能性もない?」
麻木 嵐「あの端末の画像見せようとしてたのがどうも怪しすぎます」
麻木 嵐「とにかく家へ急ぎましょう」
麻木 嵐「家に帰れば──」
???「やっと追いついた」
「!?」
知らん男「いきなり突き飛ばすとかビックリだなぁ」
知らん男「打ち所悪かったら死んだよ、マジで」
麻木 嵐「あなた─」
麻木 嵐「『魔』の者ですね」
知らん男「それがわかるってことは君たちもだろ?」
麻木 得瑠(まのもの? 何を言ってるの?)
知らん男「そっちのお姉さんは知らないのかい?」
麻木 嵐「姉さんは関係ない」
知らん男「ふぅん、まあいいか」
知らん男「オレは『魔素』が頂けばいいだけでね」
知らん男「まず姉の方からだ!!」
麻木 嵐「させない!!」
  なにもない空間から鎖が飛び出し男を拘束する。
麻木 得瑠「!?」
知らん男「『魔能』か!」
知らん男「デカイ『魔素』感じたがやはり『魔能使い』──」
麻木 嵐「そこまでです」
  さらに鎖が現れ男を覆う。
  鎖の塊がそこにはあった。
麻木 嵐「はぁ、姉さん大丈夫ですか?」
麻木 得瑠「そっちこそ大丈夫なの?」
麻木 嵐「はぁ、はい、大丈夫です これでしばらくは動けないでしょう・・・」
麻木 嵐「急いで帰りましょう」
麻木 得瑠「う、うん」
麻木 得瑠(ホントに大丈夫なのかな、嵐ちゃん)

〇山道
  姉妹は自宅へ急ぐ。
  なるべく早く自宅へ戻るため里山を通り抜ける道を選んでいた。
麻木 得瑠「ここ抜けたらもうすぐ」
麻木 嵐「はぁ、はぁ、ウチに」
麻木 嵐「ウチに帰れば母さんたちが──」
麻木 得瑠「母さんたち?」
麻木 嵐「はぁ、はぁ、詳しくは家に戻って話します」
麻木 得瑠「ちょっと大丈夫なの嵐ちゃん?」
麻木 嵐「さっきのは無茶だったかもしれません──」
麻木 得瑠「無茶って」
麻木 嵐「はぁ、ああでもしないと逃げられそうにないもんでして」
麻木 得瑠「だったら少し休もうか? もうだいぶ家には近いし」
麻木 嵐「そうですね・・・この先に少し開けたところあったはずですのでそこで」
麻木 得瑠「あそこね、今も変わらないのかな?」
麻木 得瑠「お姉ちゃんちょっと先に見てくるね すぐそこだし」
麻木 嵐「姉さん、一人は危険です」

〇森の中
麻木 得瑠「前来た時とあまり変わらないね」
麻木 得瑠「さっきのやつもいないな・・・」
麻木 得瑠「よし戻ろう」

〇山道
  姉が妹を迎えにいこうとしたが姿が見えない。
麻木 得瑠「嵐ちゃん? どこ?」
麻木 得瑠「まさか、離れた間にアイツが・・・」
麻木 得瑠「そんな──」
???「姉さん────」
麻木 得瑠「嵐ちゃん? どこよ?」
???「姉さんから左の方です」
  姉は言われた場所を見る。
  そこに妹のカバンと見慣れぬものが一つ。
麻木 得瑠「剣がなんでここに!?」
???「それが私です──」
  つづく──

次のエピソード:1-4

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