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MKz square

エピソード8(脚本)

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〇諜報機関
スオウ「くそ!」
ミナミ「博士! 上はなんと?」
スオウ「責任は全て、 我々にあると・・・」
ミナミ「そんな、私たちは国の為に、 人類の為にこの研究を進めてきたのに!」
スオウ「ああ。 だが事故とはいえ 研究員1人の命が奪われてしまった」
スオウ「このことについて 誰かが責任を取らなくてはならない」
ミナミ「まさか・・・! 博士、辞職されるおつもりですか?」
スオウ「あぁ」
ミナミ「待ってください! 博士がいなければこの研究は完成しません!」
スオウ「上からは リオに関わる全プロジェクトの中止と、 失敗作であるリオの処分が言い渡された」
ミナミ「そんな、失敗作だなんて・・・!」
ミナミ「リオは我々の最高傑作です! 処分なんてさせません!!」
スオウ「あぁ、もちろんそんなことさせない」
スオウ「それに今のリオは とんでもないエネルギーを蓄積している」
スオウ「それをむやみに放出なんてしてみろ。 どれだけの被害が出るか・・・」
ミナミ「では、どうなさるおつもりですか?」
スオウ「もう既にリオは別の場所に移した」
ミナミ「え?」
スオウ「私はその場所で研究を続行する」
スオウ「元々考えていないわけではなかった リオの蓄積する毒素を中和、 または浄化することができれば・・・」
ミナミ「ちょっと待ってください!」
ミナミ「そんなことをしたら、 リオの存在価値が下がってしまいます」
ミナミ「今のリオの状態は、 もちろん当初の研究目標とは かけ離れてはいますが、」
ミナミ「これはこれで副産物。 この国の新たな宝です!」
スオウ「いや、それではだめだ。 リオをただの兵器にはさせない」
ミナミ「何をおっしゃっているんですか? リオがいればこの国は、武力においても、 科学においても天下をとれます!」
ミナミ「それこそが国の望み。 私たちの望み。 でしょ?」
スオウ「そんなことをすれば さらに苦しむ人が増えるだけだ!」
ミナミ「そんなことありません!」
ミナミ「我々がちゃんと統治すればいいんです リオを使って」
スオウ「いや、リオを軍事利用なんてさせん」
スオウ「このチームも解散だ! 君は君の人生を歩みなさい」
ミナミ「いいえ」
ミナミ「私はこの研究に 人生をかけてもいいと思っているんです」
ミナミ「これは偉大なる研究です。 この研究が進めば我々は必ず豊かになる」
ミナミ「戦争で命を賭した人たちも報われる」
スオウ「そうか、君は・・・」
スオウ「だがだめだ。 リオにそんな運命を背負わせてはいけない」
スオウ「あの子はまだ生まれたばかりの子供だ」
ミナミ「さっきから 何をおっしゃってるんですか、博士!」
ミナミ「リオは 我々人類の為に生み出した生命体です その役割を全うさせなければ!」
ミナミ「リオのクローンの研究も 順調に進んでいます」
ミナミ「このまま進めて、 今のリオがダメになったら、 また新しい個体を生み出せばいい!」
スオウ「君は間違っている。 そんな命を使い捨てるようなこと 絶対にしてはいけない」
スオウ「とにかく今の私には時間がない。 この研究は私が始めたものだ」
スオウ「私が終わらせる」
ミナミ「博士!待ってください!」
ミナミ「そんな・・・ そんなこと、私がさせない」
隊員4「ミナミ博士! スオウ博士は?」
ミナミ「あなた達・・・」
ミナミ「ちょうどよかった」
ミナミ「スオウ博士はリオの処分を拒んで、 リオと共に逃亡したわ」
隊員4「なんてこと!今すぐ捜索を!」
ミナミ「ええ。 でもスオウはリオをどこかに隠してる」
ミナミ「その場所の特定が先よ」
隊員1「承知いたしました」
ミナミ「見つけたらすぐに私に報告してちょうだい」
「はっ!」
ミナミ「無かったことになんて 絶対にさせない」

〇組織のアジト
ミレイ「スオウ博士逃亡後、 プロジェクトチームは解散」
ミレイ「一緒に研究を進めていた別の博士が スオウ博士の後任として センター長になりました」
ハヤト「元々リオの研究に関わっていたのは 優秀な学者ばかりだったからね」
ミレイ「後任のセンター長になってからは 国との癒着がさらに進み、」
ミレイ「先生たちの研究は 軍事に利用されるようになりました」
ハヤト「僕は元々、たくさんの人を救える 薬品の開発がしたくて 医療センターに就職したんだ」
ハヤト「それが真逆のことに利用されることに 耐えられなくて・・・」
ハヤト「それにやっぱり」
ハヤト「生物を生み出す研究や それで命を落とす人がいるなんて あっちゃいけないことだ」
ハヤト「だから僕はミレイを連れて センターを辞めた」
ミレイ「私たちが知っているのはここまでです」
シュウ「そうだったんですね・・・」
ジン「いや、待てよ」
ジン「それがランと 何か関係があるって言いたいのか?」
ハヤト「あぁ、無関係とは思えない」
ミレイ「スオウ博士は 軍事利用されそうになったリオを 救うための研究をしていたはずです」
ジン「おいおい、まさか・・・」
ジン「それがランだった言いてぇのか?!」
ハヤト「君たちが出会ったそのランっていう女の子は 周囲の有害物質を取り除ける 特殊な体質なんだよね」
シュウ「はい 吸収した毒素を綺麗な空気に換えて エネルギーを生む・・・」
シュウ「みたいなこと言ってましたよね?」
ジン「あぁ・・・」
シュウ「あ、あの花も ランちゃんがいたところに 生えてたんです!」
ハヤト「やっぱり間違いないよ ランはリオを無力化するために 生み出されたんだ!」
ミレイ「ですがどうして そのランが1人で追われていたのでしょう」
ジン「いや、その前に・・・」
カレン「ちょっと待ってよ、みんな おかしいよ!」
カレン「さっきから何なの?」
カレン「まるでランが人間じゃないみたいな話! ありえないでしょ!」
ミレイ「有り得なくありません。 そんな特殊な力を持つ人間の 存在確率の方が有り得ません」
カレン「だって、そんな・・・」
カレン「ランは普通の人間の女の子だよ 一緒に遊んだし髪だって結んであげて、 友達になって・・・」
ミレイ「人間じゃないと一緒に遊べませんか?」
ミレイ「友達にはなれないんでしょうか?」
カレン「そういうことじゃなくて!」
カレン「人間じゃなかったら・・・ あんなに笑ったり、寂しそうにしたり、 喜んだりできないでしょ!」
ミレイ「犬や猫も それくらいの感情表現ならできます」
カレン「そうじゃなくて・・・!」
ミレイ「お友達が人間じゃないとショックですか?」
カレン「そんなの、 当たり前でしょ!」
ハヤト「ミレイ」
ミレイ「・・・」
ハヤト「ごめんね、カレンちゃん」
ハヤト「いきなりお友達が 人間じゃないかもしれない なんて聞いたらびっくりするよね」
カレン「私は、 信じないから」
ハヤト「・・・」

次のエピソード:エピソード9

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