もしかして…(脚本)
〇大きな木のある校舎
かすみ(今日は学校・・・随分と早く着いちゃった)
かすみ(もしかしたら教室・・・誰も居ないかも・・・)
〇学校の昇降口
〇階段の踊り場
〇教室
かすみ(・・・)
かすみ(へへ・・・誰も居ない教室・・・)
かすみ「スゥー・・・はぁ・・・」
かすみ「どうぞわたくし!!本日一番乗りのかすみと申しまぁ~っす!!」
かすみ「ってことは!?今日は私の日なので~みんな私に従え!!わかったか!?!?」
かすみ「ほれほれ下民共!!ビビってんのかぁ??」
かすみ「さもなくば私の力でそれはもう どお"お"お"お"お"!!!!!っと──」
れな「・・・」
れな「ねぇ、何やってたの?」
かすみ「・・・」
れな「その顔なに!?」
かすみ「ど、どこか見ましたぁ・・・?」
れな「えっとー・・・従えとか言ってたかな・・・?」
かすみ「う"っ・・・あの、この件は──」
れな「か、かすみちゃんってもしかして・・・!?」
れな「超ドSだったりするの・・・?」
かすみ「あっ全然違います」
れな「なんだぁ・・・違うのかぁ・・・」
かすみ(な、なんだかガッカリしてる・・・!?)
かすみ「うぁ、で、でも~!結構ドSだったりぃ~ するかも~??」
れな「へ~!そうなんだ!なんか意外かも?」
かすみ「あ、そそそっか~!」
かすみ(やった・・・!私今、クラスメイトと話してる・・・!!)
かすみ「こ、この前なんか通りがかりの人全員を殴りながら外を歩いたりとか~!」
れな「えー!そうな──」
れな(え????)
かすみ「そ、その後人を縛り付けて段々と精神を破壊していったりとか~!」
かすみ「その後指を切っていってぇ・・・!」
れな(それはもはやアウトなのでは?? ドSというよヤバいサイコ野郎なのでは??)
かすみ「そ、その絶望の顔が堪らなく──」
れな「あぁっ!もういいよ大丈夫!!」
かすみ「えっ?あ、はい」
れな「それじゃあ他の生徒来たし、また今度話そ!話そうね!」
かすみ「あっ、うん」
かすみ「・・・」
かすみ(すーごい印象操作しちゃったなぁ・・・)
〇教室
次の日──
れな「あっ!ねぇねぇかすみぃ!」
かすみ「あっはい!ど、どうしたの?」
れな「ちょっと母さんに貰ったやつなんだけど・・・私丁度要らなくて、かすみ好きそうだなって思ったんだ!」
れな「はい!これ!!」
かすみ「・・・??」
れな「ほらほら!昨日なんかドS~?みたいなこと沢山言ってたからさぁ」
かすみ「へ、へー」
れな「あ、全然無理も遠慮もしないでよ!?」
れな「正直私、使い道わかんなくてさぁ~」
かすみ「た、たしかにぃ~・・・!」
れな「うん!それで、どうする?」
かすみ「あっ、こういうのはあんまり──」
かすみ(・・・私が断った場合・・・)
かすみ「あっ、こういうのはあんまり使わないかな・・・!」
れな「あぁ?要らねぇの?」
かすみ「あっえっとその・・・」
れな「チッ・・・せっかく持ってきてやったのに・・・」
れな「もういいわ、お前とは一生話さねぇから。じゃあな」
かすみ(・・・ってなるに決まってる)
かすみ(よし、ここは──!!)
かすみ「ホ、ホシー!モラットコーカナー!!」
れな「あっほんと?じゃあ、はい!」
かすみ「ワ、ワーイ!アリガトー!」
れな(正直要らないと思ってたけど・・・こういうのって本当に使うんだ・・・)
かすみ(ああっ!私のバカ!!要らないって言え!!)
〇一人部屋
──その夜
かすみ(変な勘違いはされちゃったけど・・・れなさん良い人だなぁ・・・)
かすみ(もっと仲良くなりたい・・・)
かすみ(そういえばこの手錠って・・・)
かすみ「あ、あれ??」
かすみ(あれ?これって鍵渡されてないし・・・)
かすみ(これって普通に、詰んだ??)
かすみが妄想するときの画面の切り替わりがカメラのレンズシャッターみたいでおしゃれ。成り行きでドSを演じるかすみちゃんの小心者っぷりがいいですね。お母さんにもらうわきゃない鍵ナシの手錠を押し付けるれなちゃんの隠れドSっぷりの方が何気に怖い。
かすみさんの奇行、妄想、立ち回りの下手さ、どれもこのお年頃特有ですよねーww もう、愛すべきキャラという感じで、見ていて楽しいです!