ぼくらの就職活動日記

大杉たま

エピソード31(脚本)

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〇開けた交差点
  エリートピアの三次試験が終わり、紅音と瑚白は帰路についていた。
真田紅音「二次が終わった時点では三百人残ってたのに、三次を通過したのが三十人って・・・」
中園瑚白「自分だけ落ちるくらいなら、他の二人も落ちればいいと思ってしまう」
中園瑚白「そんな考えを乗り越えるのに五分は短すぎる」
中園瑚白「それまでにいがみあっていたなら、なおさら」
真田紅音「・・・一茶を選考に戻すって、あれ嘘でしょう」
  紅音の言葉に瑚白が立ち止まる。
中園瑚白「祖父が創業者というのは本当」
中園瑚白「でも、もう今のエリートピア社には祖父の育てた人たちはほとんどいない」
中園瑚白「新しい経営陣になった時、エリートピアは乗っ取られてしまった」
中園瑚白「新入社員選考に口出しできるような影響力は、もう祖父にはない」
中園瑚白「私がエリートピアを受けているのは、もう一度エリートピアを取り返したいから」
真田紅音「一茶を騙したんだね」
中園瑚白「あなただってそうでしょう?」
真田紅音「僕は、違う・・・」
中園瑚白「違わない、責任から逃れないで。 私たちは二人で一茶を騙した」
中園瑚白「あなた、最後に私のウソに同調したでしょ?」
真田紅音「あれは、迫られて仕方なく・・・」
中園瑚白「仕方なくやったから、自分は悪くないって?」
真田紅音「そうは言ってない!」
中園瑚白「言ってる。 自分だけ綺麗なままでいようとしないで!」
真田紅音「・・・・・・」
中園瑚白「私たちは、一茶を蹴落としたおかげで選考を進めるの」

〇シックな玄関
真田雅美「おかえりなさい」
真田紅音「あ、うん、ただいま」
真田雅美「選考、どうだった?」
真田紅音「・・・通ったよ」
真田雅美「そう、すごいじゃない!」
「あなた、紅音、今日も選考通ったって」
「そうか、さすがは俺たちの息子だな」
  紅音は二人に顔を合わせないように急いで二階へ駆け上がった。
真田雅美「あら、いっちゃった」
真田博史「紅音、次もがんばれよ」

〇本棚のある部屋
  部屋に戻ると、紅音はベッドに倒れこむ。
「次は、テレビで見て応援するからね」
  チャットを開き、一茶とのやり取りを見返す。

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