01 弁当 パート1(脚本)
〇田舎の学校
一日目
星宮咲「全く、高二に成っても朝寝坊が直らないなんて、少しは学習しなさいよ!私は隼也の目覚まし時計じゃ無いんだからね!」
朝から一緒に登校した幼馴染の星宮咲に怒られてしまった。俺、沢渡隼也が朝に弱いのは今に始まった事じゃ無いが、
我ながら情けない。
沢渡隼也「御免、昨日は目覚まし設定したんだけど、スイッチ入れ忘れてて、昨日宿題終わらせるのに夜の11時まで掛かっちゃって」
星宮咲「何よそれ?また夜更かしした訳?あんたは本当鈍臭いわね。こんな生活何時までも続けてたらロクな事無いわ」
咲の言いたい事は分かる。高二に成った俺が就職活動や大学受験をやるのはそう遠く無い未来だ。何時までも咲に甘えてたら、
俺の人生上がったりだ。そろそろ俺もケジメを持った方が俺の為にも成る。流石に毎度怒られるのも辛い。
星宮咲「何時までも隼也のお守りなんて出来ないからね。まぁ今回の寝坊はさて置いて・・・」
咲は若干呆れながらも鞄の中から何かを取り出した。
沢渡隼也「え?何それ?」
星宮咲「何って、お弁当よ。今朝早起きして作ったんだけど作り過ぎちゃって」
沢渡隼也「いや、流石にタイミングとか有るでしょ?何で怒られた後に弁当だす訳?」
星宮咲「男がズベコベ言わないでよ!作り過ぎて捨てるの勿体無いし、丁度隼也が居るから分けて上げようと思った訳!」
星宮咲「勘違いしないでよね!フードロスなんてしたく無いからこうしただけだから!とにかく隼也!今日のお昼は屋上に集合!」
星宮咲「分かったわね?」
何だか腑に落ちない物も有ったが、咲が折角作ってくれた物だ。俺はこの誘いに乗る事にした。
沢渡隼也「何だ、その、有難う」
屋上で一緒に昼食を取る約束をした俺達は、校内に向かって歩き出した。
黒崎友香「・・・・・・」
だけどこの時、俺達の会話がとある女生徒に聞かれて居た事に、俺達は愚か、俺自身も気付いて無かった。