Episode:01(脚本)
〇古い洋館
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「よーし いいか?写真 撮るぞ!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「和幸 もっと自然に笑えないか?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「・・・あぁ それがいい!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「じゃあ 行くぞ!はい チーズ!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「うん。皆 良い顔をしている!」
烏頭 真(ウズ マコト)「おじちゃん 僕にも見せて!」
〇黒
烏頭 真(ウズ マコト)「えっ──?」
〇古い洋館
烏頭 真(ウズ マコト)「パパ・・・ママ・・・?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真!危ないから下がりなさい!」
烏頭 真(ウズ マコト)「嫌だ!離せ!パパとママが──」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「この火の勢いでは もう・・・」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真!! こっちへ来るんだ!!」
烏頭 真(ウズ マコト)「嫌だーーーー!!」
烏頭 真(ウズ マコト)「パパァァァ!! ママァァァ!!」
〇炎
パパ
ママ
会いたい──
〇本棚のある部屋
烏頭 真(ウズ マコト)「また・・・」
烏頭 真(ウズ マコト)「あの日の夢か」
烏頭 真(ウズ マコト)「最近 多いな」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真。なんだ 起きていたのか」
烏頭 真(ウズ マコト)「おじさん」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「朝飯の用意が出来ているぞ」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「ぼーっとしていないで 早く着替えなさい」
烏頭 真(ウズ マコト)「・・・はい」
〇ダイニング
「いただきます」
烏頭 真(ウズ マコト)「美味しい!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「そうか!それは良かった」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「今日も忙しくなる」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「しっかりと食べて 英気を養え」
アナウンサー「──続いてのニュースです」
〇会見場
〇ダイニング
アナウンサー「九条英二氏が 大統領に就任してから」
アナウンサー「11年が経過しました」
アナウンサー「支持率は 前回調査と変わらず77%」
アナウンサー「異人の慈善事業が影響していると──」
烏頭 真(ウズ マコト)「この人 凄いよね」
烏頭 真(ウズ マコト)「超能力を持つ異人を発見して」
烏頭 真(ウズ マコト)「世の中を良い方向へ変えたんだから」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「・・・そうだな」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「ごちそうさま。先に店に行っているぞ」
烏頭 真(ウズ マコト)「おじさん 待って──」
〇白い玄関
烏頭 真(ウズ マコト)「時間ギリギリになっちゃった」
烏頭 真(ウズ マコト)「あっ!」
烏頭 真(ウズ マコト)「父さん 母さん。行ってきます」
〇商店街の飲食店
西暦2087年
イヴェスタ共和国
首都 クローネ・スペルデンス
第2地域
〇シックなカフェ
店舗併用住宅
Cafe UZU(カフェ ウズ)
フリー記者:アレックス「やぁ 真くん。おはよう」
烏頭 真(ウズ マコト)「アレックスさん!おはようございます」
烏頭 真(ウズ マコト)「朝から来られるなんて珍しいですね」
フリー記者:アレックス「んっ?あぁ。大きなネタを掴んでな」
烏頭 真(ウズ マコト)「そうなんですね」
烏頭 真(ウズ マコト)「お仕事 頑張ってください!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真!お客様の注文を取りに行ってくれ!」
烏頭 真(ウズ マコト)「はい!」
フリー記者:アレックス「明日で 真くんのご両親の事故から」
フリー記者:アレックス「丸15年が経つのか」
フリー記者:アレックス「本当は 会いたくてたまらないだろうに」
フリー記者:アレックス「そんな素振りを見せない彼は 強いな」
フリー記者:アレックス「お前も 自営業で融通が利くとは言え」
フリー記者:アレックス「よく頑張っているよ。幸太郎」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「なあに。真と弟と義妹のためだ」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「苦労なんて どうってことはない」
フリー記者:アレックス「そうか」
フリー記者:アレックス「ところで彼 今年で18だろう?」
フリー記者:アレックス「将来は どうするって?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「このまま ここで働く気らしい」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「恩返しだと。気を使わなくていいのに」
フリー記者・アレックス「フッ。その割には 口元が緩んでいるように見えるが?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「うるさいぞ アレックス!」
女性客「お席 空いてます?」
烏頭 真(ウズ マコト)「はい!カウンター席へどうぞ!」
女性客「見て!レオン様が戦っているわ!」
女性客「きゃー!ミア様も頑張ってー!」
〇名門の学校
ミア=ウォーカー「私の掌で踊りなさい── 糸操り人形(ストロング・パペット)!!」
ミア=ウォーカー「敵を捕らえましてよ!レオン!」
さっすが ミア!! あとは 俺に任せろ!!
レオン=リード「上腕二頭筋・三頭筋 強化!! ビビってちびんなよォ!?」
レオン=リード「一撃必殺(ワンヒット・ワンキル)!!」
〇シックなカフェ
アナウンサー「──突如 姿を現したヴィランに 大学内は 騒然としたものの」
アナウンサー「セラフィック・ヒーローの活躍により 平穏が戻りつつあります」
大学生の集団「ヒーロー万歳!! S.H.万歳!!」
女性客「はぁ。正義の味方 S.H.が尊い〜」
女性客「私もミア様みたいになりたいなぁ」
女性客「無理 無理」
女性客「S.H.は 特別な能力を持つ異人しか なれないんだから」
女性客「憧れるくらい 良くない!?」
その気持ちは よく分かる
何度 僕も憧れたか
弱い者を助け 悪い者をくじく
セラフィック・ヒーローに
女性客「注文してもよろしいかしら?」
烏頭 真(ウズ マコト)「あっ はい!どうぞ!」
フリー記者:アレックス「・・・どの放送局も S.H.に偏った報道ばかりだな」
フリー記者:アレックス「闇に葬られようとしている 事件があると言うのに」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「アレックス?」
フリー記者:アレックス「幸太郎。この人物に見覚えはないか?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「この人 女子アナの天宮ユリか?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「最近 降板して見かけなくなったが」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「この人が どうかしたのか?」
フリー記者:アレックス「先月から 配偶者とともに行方不明だ」
フリー記者:アレックス「彼らだけじゃない」
フリー記者:アレックス「彼女と同じ番組の批評家も 行方をくらませている」
フリー記者:アレックス「なのに 事件に関する報道がない」
フリー記者:アレックス「変だと思わないか?」
フリー記者:アレックス「私が推測するに──」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「アレックス」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「お前の正義感には 昔から感心している」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「だが な」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「その正義感が 身を滅ぼすこともあるんだ」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「この事件には関わらないほうがいい」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「俺の勘が そう言っている」
フリー記者:アレックス「・・・旧友のお前なら」
フリー記者:アレックス「分かってくれると思ったのだがな」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「旧友だから 言っているんだ」
フリー記者:アレックス「フッ。ご忠告をどうも」
フリー記者:アレックス「そろそろ失礼するよ」
フリー記者:アレックス「コーヒー ごちそうさま」
烏頭 真(ウズ マコト)「出来た!」
烏頭 真(ウズ マコト)「お待たせしました──」
烏頭 真(ウズ マコト)「って あれ?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真 どうした?」
烏頭 真(ウズ マコト)「この席に座ってた 黒髪の女の人は?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「見ていないな トイレに行っているんじゃないのか?」
〇ビルの裏
夜
フリー記者:アレックス(先ほどから 誰かに 付けられている気がする)
フリー記者:アレックス「あなたは──」
〇シックなカフェ
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真。今日もお疲れ様」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「明日は 和幸たちの命日だ」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「休業にして 墓参りに行こう」
烏頭 真(ウズ マコト)「うん!」
女性客「こんばんは」
烏頭 真(ウズ マコト)「あなたは 今朝の・・・」
烏頭 真(ウズ マコト)「今日はもう 営業終了で」
女性客「そうですか。それは──」
この人 なんで両手が剣に──
女性客「好都合です」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「ヴィランか!?」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「そいつから離れろ!! 真!!」
えっ──?
〇黒
何だ これ
僕の血 じゃない
この血は──
〇シックなカフェ
烏頭 真(ウズ マコト)「おじさん?」
烏頭 真(ウズ マコト)「おじさん!! しっかりして!!」
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「真 逃げ・・・ゴフッ」
駄目だ 血が止まらない
女性客「なんて勇敢なの!!」
女性客「身を挺し 子どもを守る姿は まさにヒーロー!!」
うるさい
女性客「って。死にかけには私の声 聞こえちゃいないかぁ」
女性客「あの男と同じで 余計なことに 首 突っ込むからいけないのよ?」
うるさい!
女性客「君に 罪はないけれど・・・」
女性客「知られてしまった以上は ね?」
僕に 力があれば
力があれば こんな奴──!!
女性客「さようなら」
女性客「まぶし──」
〇商店街の飲食店
烏頭 真(ウズ マコト)「がっ・・・!」
女性客「ハァ ハァ・・・ このガキ 本ッ当にしつこいわね!」
女性客「まさか 回復型の異人が ここに潜んでいたなんて」
女性客「あぁぁぁ!計画が狂ったじゃない!」
女性客「・・・まっ」
女性客「ここまでしたら さすがに死んだでしょ」
女性客「姿を見られる前に 早く帰ろ──」
逃がさない
女性客「てめぇの生命力は ゴキブリ並みだな!?」
女性客「さっさと あの世に行けっつうの!!」
女性客(さっきより動きが早い!?)
女性客「チッ!」
よくも おじさんを
女性客(全部 かわされた!?)
許さない
女性客「クソ!! 離せ!! ゴキブリ!!」
お前は この僕が
女性客「何 これ。てめぇ 回復型じゃ──」
壊す
〇商店街の飲食店
終わった・・・?
体が重い
目も開けていられない──
???「へぇ やるじゃねえか」
〇近未来の病室
烏頭 真(ウズ マコト)「ここは・・・」
???「おっ 気が付いたか」
烏頭 真(ウズ マコト)「あなたは・・・?」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「俺は 九条ノヴィリス」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「お前を救助し この病院へ運んだS.H.だ」
烏頭 真(ウズ マコト)「S.H. ・・・ありがとうございます」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「しっかし お前の能力 凄いのな」
烏頭 真(ウズ マコト)「能力?」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「覚えてないのか?」
烏頭 真(ウズ マコト)「おじさんが ヴィランに斬られて 倒すことしか考えてなくて──」
烏頭 真(ウズ マコト)「そうだ おじさん!おじさんは!?」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「店ん中にあった遺体がそうか?」
そんな──
〇シックなカフェ
烏頭 幸太郎(ウズ コウタロウ)「そいつから離れろ!! 真!!」
〇近未来の病室
烏頭 真(ウズ マコト)「僕のせいだっ・・・」
烏頭 真(ウズ マコト)「僕を守ったから おじさんがっ・・・」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「・・・悔しいか?」
烏頭 真(ウズ マコト)「悔しいに決まってる」
烏頭 真(ウズ マコト)「訳も分からずに 家族を殺されて!」
烏頭 真(ウズ マコト)「悔しくないわけ ないじゃないか!!」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「・・・なら 一緒に”悪”を滅ぼそうぜ」
烏頭 真(ウズ マコト)「どういう意味──」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「セラフィック・ヒーローになって 敵を倒そうって言ってんだ」
烏頭 真(ウズ マコト)「僕が ヒーローに?」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「自覚無しだが お前は異人だ」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「S.H.の事務所に入れる資質がある」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「お前の悔しい思いと その力」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「他の奴が 同じ目に遭わないよう」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「守る力に 変えてみないか?」
他の誰かを守る力──
烏頭 真(ウズ マコト)「・・・僕 S.H.の事務所に入ります」
烏頭 真(ウズ マコト)「僕みたいに つらい思いをする人を」
烏頭 真(ウズ マコト)「増やしたくないから──!」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「オーケー」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「お前 烏頭 真って言うんだな?」
烏頭 真(ウズ マコト)「なんで知って──」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「それ 返すぜ」
九条 ノヴィリス(クジョウ ノヴィリス)「改めて 俺はノヴィリス。よろしくな」
烏頭 真(ウズ マコト)「よろしくお願いします──」
〇近未来の開発室
同時刻
???
〇開発施設の廊下
???「私だ」
???「・・・そうか。彼女の気配が消えたか」
???「それだけか って?」
???「最近の彼女には 手を焼いていたからな」
???「”散らかったゴミ”とともに 処分されたのなら 大いに結構だ」
???「・・・あぁ 助かったよ 引き続き よろしく頼む」
冒頭から衝撃的でした!
両親の死もヴィランに仕組まれたもの?
次々と悲しい出来事が続きましたが、新たな相棒?と出会い、どういう展開になるのか気になります!😆
異人が血縁によるものなのか、赤子の時に何らかの変異があってなるものなのかが気になります🤔刃物の女性が回復型と言っていましたが、異人によってできることが異なりそうです…
主人公の両親が亡くなるところから始まり、おじさんの死、?能力の発現、組織への加入とテンポよく進むので飽きずに読み進められました🙌
二話の展開が楽しみです😊
大好きなヒーロー物語でワクワクします、ご参加すごく嬉しいです☺️
悲劇からの能力覚醒という王道展開ながら、敵の言っていた『回復型』という系統を匂わす設定が気になりますね🤨
異人が種族として根本から違う世界観のようですし、主人公が異人の家系である自覚がなかったことも重要ですね🤔
両親は異人であることを隠して生きていたのか…または両親にも自覚がなかったのか…🤔
叔父さんに裏がありそうですねぇ😎