グレイテストワンデック勝利への願いと絆 - 妹を救える唯一の道 -

ぽむ

エピソード7 -◇ダイヤのエース-(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
  母親
  「ごめんなさいね。」
  カズミ
  「いいんです、ワタシ母と二人暮らしで
   よくこんな風にしているのです。
   気にしないで寝ててください。」
  カズミはテキパキと
  家事をこなす。
  母親
  「ありがとう。ワタシは気が弱くて。
   ユキトや夫に助けられてばかり。
  カズミ
  「ワタシもそうです。
   母と二人だったからか、
   男の人が苦手です。
   でもユキトさんは良い人。」
  カズミ
  「ユキトさんは
   怖くないんですよ。
   なぜなんでしょうね。」
  カズミ
  「とても優しいから
   かもしれません。
   ご両親も妹さんのことも
   凄く心配してましたし。」
  カズミ
  「家族思いで仲良くて
   羨ましいなって。
   そう思ったんです。」
  母親
  「・・・そうかしら。」
  カズミ
  「ワタシは、少しでも
   母に楽をさせたくて、
   ゲームに応募したのに、
   まさか人質になるなんて。」
  ・・・
  
  母親「アナタはいい人ね。」
  母親
  「アナタには伝えておきたい事があるわ。
   今回のことでね。
   謝っておかなければ、いけないわ。」
  カズミ
  「なんでしょうか?」
  母親
  「ワタシ達は、間違ってた。
   本当に謝りたいの。」
  母親
  「ワタシ達は、
   この国家プロジェクトの
   開発企画メンバーなのよ。」
  母親
  「ワタシ達が・・・
  【それ】を始めてしまったのよ」

〇豪華な社長室
  男?
  「まったく、べらべらと。
   喋られても困るんだよな。」
  男?「裏切り者には死を、ですよね?」
  女?「始末できなかったらしいわ。
     相当しぶといのね。」

〇街中の道路
  俺「よし、カードは入れたぞ。」
  ゲートオープン!
  ピピッ
  機械
  「認証OK。認証OK。
   オープンします。」
  バタン!
  スペードの3
  「助けてくれてありがとう。」
  ハートの3
  「私達、これで逃げられる。」
  じゃあね
  バタン
  シュウウウウウゥン
  機械
  「新たなカードが排出されます。」
  でて来たカードは
  クラブの7とハートの6。
  
  予想通りだ。
  俺「二枚入れると
    二枚排出されるんだ。
    入れた枚数分だけ
    カードは返ってくるってことだな」
  俺「よし。」
  犬「クゥ〜ン」
  俺たちは順調に、
  カードをクリアしていた。
  父の地図にあった印は、
  ゲートの位置だった。
  市民の配置とカードが
  予め、分かっている俺には、
  
  楽勝と言っても
  過言ではなかった。
  とくに扉を開けるのは
  ペコの大活躍だった。
  人が入れない所を平気で入り
  持ち主のカードを拝借して
  俺に渡すのだ。
  カードは番号を振られた人
  自身が持つカードと
  俺に配られるカードと
  2枚あった。
  市民はカードを持っていても
  ルールも使い方も知らない。
  
  知っているのは俺達
  エースだけだったのだ。
  ペアになりそうな人達の
  部屋の鍵を開けて
  一番近いゲートに連れて行く。
  それの繰り返しだ。
  ゲートに通すと、
  その枚数分の新たなカードが出てくる。
  そうして、市民をゲートから次々
  逃していった。
  何度か、危ないシーンもあった。
  敵が近くに来ると、
  インカムがアラートを発する。
  しかし、動物の勘なのか、
  ペコはその前に気がついて
  安全なところまで誘導してくれる。
  賢いヤツだ。
  犬「ワン!クゥ〜ン!」
  俺「よしよし、お前はいいコだ。」
  
  俺が撫でると嬉しそうに
  尻尾を振る。
  残りは8枚。
  
  俺たちエースが4枚と
  6が2枚、7が2枚。
  6の一枚は母親、
  7の一枚は父親だ。
  とすると、
  父の対になる
  7のカードの持ち主と
  母の対になる
  6のカードの持ち主を探し
  残り市民8人をゲートから逃がせば
  クリアになるのかもしれない。
  
  エースの4人、俺たちが最後に
  全員ゲートを抜けたら。
  あと二人。
  市民40人がゲートを抜けることになる。
  俺「次は、倉庫だ。
    行くぞ!ペコ!」
  犬「ワンワン!」

〇廃倉庫
  俺
  「今度はここだな。あと少しだからな。
   ペコ、頼んだぞ!」
  
  犬「ワン!」
  ペコは中に入っていった。
  
  暗闇の中に俺ひとり。
  突然、バイブレーションが!
  「エリア内!侵入者発見!侵入者発見!」
  
  インカムが耳で激しく叫ぶ。
  ザッ
  ビシューン
  男はいきなり
  レーザービームのようなものを
  発してきたが
  運良く弾は当たらなかった。
  
  俺はとっさに持っているカードを
  まとめて投げた。
  スパッ
  「ぐぅっ」
  バタン
  俺「倒れた!?」
  たかがカードで・・・と思ったが、
  
  これはゲームなのだ。
  俺はルールブックの内容を
  思い出していた。
  
  これは【貴族】と【市民】の
  ゲームなのだ。
  【貴族】に勝つには
  複数の市民が「力を合わせて」
  勝つ必要がある。
   だから「ペア」にするのには
   理由があるのだろう。
  しかし、沢山の市民を逃がすと
  【貴族】に対抗する【市民】が減る。
  つまり、残りの人数で【貴族】と戦わないといけなくなる。
  戦うには人数の減った【市民】が不利になるのだ。
  血しぶきをあげたはずの
  男の姿は煙のように消え去り、
  かわりにこれが落ちていた。
  クラブのジャック、のカード。
  【貴族】のカードだ。
  
  俺の投げたカードは残りの
  クラブの7とハートの6。
  この二枚でジャックに勝った?
  どういうコトだろうか?
  
  ジャック「11」より
  枚数も合計も上なら勝てる?
  俺は考えていた。

〇古い倉庫の中
  犬「クゥ〜ン」
  ナオ「いいコね、よしよし。
     ほら、ジャーキーあげるよ。」
  犬「クゥ〜ン!」
  タタッ

〇刑務所の牢屋
  ピチャーン
  
  水の音がした。
  はやく・・・助けて。
  
  お願い・・・
  女の白い腕が見える。

〇おしゃれなリビングダイニング
  カズミ
  「【それ】って、なんですか?」
  母親
  「この街を造る事になったのは
   ユキトを守るためだったの。」
  母親
  「あの子は・・・特別なの。」

〇廃倉庫
  「クゥ〜ン」
  俺「よしよし、
    カードを持ってきたのか?
    中に人は、いたんだな?」
  俺「このカードは!」
  俺「ダイヤの・・・エース?」
  俺
  「じゃあ、いま、家にいる・・・
    ダイヤのエースだったはずの・・・
   あれは・・・誰?」

〇黒背景
  つづく

〇闇カジノ
  次回予告
  
  ゲームの行方は!?ユキト次第!!
  妹はもうすぐそこに!!!
  次回、♡ハートのエースはどこに!
  
  お楽しみに!

次のエピソード:エピソード6 -♧クラブのエース-

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