第3話 胸キュン!SHO-MA2O(脚本)
〇説明会場
九龍真理「部活動承認選挙で、投票したすべての生徒から承認が得られなかった場合は、部の設立を認めなくても良い」
九龍真理「見せてやろう! 『超次元科学』の力を!」
〇理科室
相沢新人「・・・なんて言ったけど、本当にすべての生徒から承認なんて得られるのか?」
九龍真理「ぐぬぬ、あれは確かに学年連邦生徒会の強引なやり方に対抗して少々言い過ぎたかもしれん」
九龍真理「しかし、ひとまずは1ヶ月の仮活動期間が認められたわけだ」
九龍真理「1ヶ月後の部活動承認選挙で、投票したすべての生徒から承認を得るための手はもう打っている」
衛士村斗真「真理ちゃん、連れて来たよ」
白花麗華「はじめまして、白花です」
相沢新人「お嬢、誰だよこの子は?」
九龍真理「実は、この間の『フラッシュサイエンス』作戦の効果が絶大でな」
九龍真理「超次元科学の力で悩みを解決してほしいという声が私に殺到しているのだよ」
九龍真理「生徒たちの悩みを解決して、我々の有用性を示すことができれば」
九龍真理「すべての生徒からの承認を得ることも不可能ではない」
相沢新人「なるほどな、それで白花さんのお悩み相談に乗ろうってことか」
九龍真理「女子の口コミ効果は凄まじい」
九龍真理「悩みが解決したとあれば、その噂はすぐさま学園中に広まるだろう」
九龍真理「さぁ、貴女の悩みを聞かせてくれ!」
白花麗華「私、燃えるような恋がしたいんです」
九龍真理「こい・・・?」
白花麗華「私、今まで彼氏がいたことなくて・・・」
白花麗華「高校生になったら、絶対に素敵な彼氏を作るんだって決めてたんです!」
白花麗華「でも、いざ高校生になっても、どうやったら彼氏ができるかわからないし・・・」
白花麗華「超次元科学の力で、助けてもらえませんか? 私も恋がしてみたいです!」
相沢新人「いくら超次元科学の力でも、恋の悩みを解決するのは難しいんじゃねぇか?」
九龍真理「な、なにを言う相沢!」
九龍真理「超次元科学に不可能はない!」
九龍真理「いいだろう!」
九龍真理「超次元科学研究部が、燃えるような恋を必ず実現させてやろう!」
〇理科室
数日後
九龍真理「できたぞ!」
九龍真理「遂に彼氏づくりをサポートする発明品が完成した!」
九龍真理「人型ロボットSHO-MA2O《ショウ・エムエーツーオー》だ!」
白花麗華「人型ロボットって、ロボットと恋愛しろって言うんですか?」
九龍真理「違う、そうではない」
九龍真理「この人型ロボットSHO-MA2Oには、ありとあらゆる少女漫画のデータをインプットしている」
九龍真理「そのデータの中から、物語のメインの男子ではなく『2番手男子』の行動を再現するようにプログラミングした」
衛士村斗真「主人公に好意を持ちながらも最後には本命男子と主人公の間を取り持つ、あの『2番手男子』か」
九龍真理「その通り!」
九龍真理「SHO-MA2O(少女漫画によくいる2番手の男)は貴女が本命男子と恋に落ちるのをサポートしてくれるのだ」
九龍真理「それでは、SHO-MA2O起動!」
真理が起動ボタンを押すと、SHO-MA2Oはゆっくりとまぶたを開けた。
SHO-MA2O「僕の名前はSHO-MA2O」
SHO-MA2O「長いからショウって呼んでよ」
SHO-MA2O「キミの名前を聞いてもいい?」
白花麗華「はじめまして、白花麗華です」
SHO-MA2O「麗華か・・・綺麗な名前だね。キミにぴったりだ」
相沢新人「なんだ、この良いヤツオーラは?」
九龍真理「ふははは! これがありとあらゆる少女漫画をインプットしたSHO-MA2Oの力だ」
SHO-MA2O「待っててね、麗華」
白花麗華「ちょっと、ショウくんどこ行くの?」
九龍真理「ショウは、白花さんの彼氏になりそうな人材とのコネを作りに行ったのだ」
白花麗華「コネ作り?」
九龍真理「心配するな!」
九龍真理「これから数日の間に少女漫画のような恋愛イベントが、白花さんの周りで巻き起こり始めるぞ」
九龍真理「彼氏を作って、燃えるような恋をするがいい!」
〇教室
次の日
SHO-MA2O「麗華、連れてきたよ!」
SHO-MA2O「世界的な大財閥『道暗寺グループ』の御曹司、道暗寺翼くん」
道暗寺「お前みたいな庶民が、上流階級の俺様を呼び出すとはいい度胸だな」
道暗寺「気に入った!」
道暗寺「その度胸に免じて褒美をやろう」
白花麗華「あ、ありえねぇっつーの!」
〇清潔な廊下
そのまた次の日
SHO-MA2O「麗華、今度はこの人!」
SHO-MA2O「学年一の人気者、波早くん」
波早「よろしくね、白花さん!」
女子生徒A「きゃー、波早くんよ!」
女子生徒B「ぎゃー、こっち向いて!」
白花麗華「に、人気者すぎて、私はいいかな」
〇教室
そして、数日後
白花麗華「はぁ」
衛士村斗真「あ、白花さんじゃん! おーい!」
白花麗華「あっ、斗真くん」
衛士村斗真「どうしたの? ため息なんかついて」
衛士村斗真「彼氏候補がなかなか現れないとか?」
白花麗華「いや、そうじゃないの。ショウくんは本当によく頑張ってくれてるよ」
白花麗華「毎日毎日、いろんなタイプの男子を紹介してくれてるし・・・」
衛士村斗真「じゃあ、なんで落ち込んでるの?」
白花麗華「斗真くん、変なこと言ってもいい?」
白花麗華「私、ショウくんが好きみたい」
白花麗華「心なんてないロボットだってわかってるけど、ショウくんが好きなの」
白花麗華「私、どうしたらいいと思う?」
衛士村斗真「もう答え出てんじゃん」
白花麗華「えっ・・・?」
衛士村斗真「ショウのことが好きなら、好きだって伝えるべきだよ!」
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