エピソード9 「テストですとっ!?」(脚本)
〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「おーい、風ー、大丈夫ー?」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「死んでるー?」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・死んでます」
東条 風(とうじょう ふう)「なんで、テストなんてものがあるんだぁぁぁぁぁあ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「日頃の勉強が身についているか、 確認のため?」
東条 風(とうじょう ふう)「香、正論、言わないでっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「はーい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まぁまぁ、今回は中間テストで範囲が狭いから、ね!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そっか、じゃあそこまで頑張る必要は無いってことだね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そういうことじゃないよ~ 勉強しなきゃダメだよ~」
東条 風(とうじょう ふう)「嫌だぁぁぁぁああああ!!!! だぁぁぁぁああああ!!!!」
西條 園(さいじょう その)「風ー、来たよー」
北原 そら(きたはら そら)「死人がいると聞いて野次馬根性が働いた」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風が、テスト前で死んでるの」
西條 園(さいじょう その)「風、大丈夫?」
東条 風(とうじょう ふう)「いやだぁ・・・、いやだぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「まるで赤子のように泣いておられる」
西條 園(さいじょう その)「ちょっと可愛い///」
西條 園(さいじょう その)「風、一緒に勉強しない? 私も勉強、進んでないし!」
東条 風(とうじょう ふう)「本当にぃ・・・?」
西條 園(さいじょう その)「うん、私も全然!!」
東条 風(とうじょう ふう)「いいのっ、本当に!? ありがとーっ!!」
西條 園(さいじょう その)「ううん、一緒に頑張ろうね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園が、勉強進んで無い?」
北原 そら(きたはら そら)「まさか、既にテスト範囲の90%を網羅しているぞ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「やっぱり~、園の戦略か~」
西條 園(さいじょう その)「二人とも、何を話してるの~?」
北原 そら(きたはら そら)「すまない、席を外す」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、そら、逃げた!!」
西條 園(さいじょう その)「何を話してたの~、香ちゃ~ん♪」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あはは・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「命だけは、見逃して・・・」
〇教室
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、一緒に勉強しよ~!」
東条 風(とうじょう ふう)「うんっ!」
西條 園(さいじょう その)「で、そらはなんでここにいるの?」
北原 そら(きたはら そら)「ちょっと様子だけ見ていこうかと思った」
西條 園(さいじょう その)「そっか、なるべく早く帰ってね☆」
北原 そら(きたはら そら)「殴り飛ばしたい笑顔だ」
北原 そら(きたはら そら)(まぁ、昨日・・・)
〇学生の一人部屋
園「そろそろ、風を勉強に誘う!!」
北原 そら(きたはら そら)「ついに動くのか、 みんなが忙しいこの時期に」
園「だからこそなの!」
北原 そら(きたはら そら)「ほぅ」
園「みんなが集中して、恋愛なんて出来ない時期に、勉強を通じて仲良くなる! 私が編み出した作戦っ!」
北原 そら(きたはら そら)「そういえば、中学時代に聞いたなぁ・・・」
園「わからない振りして教えてもらって、距離を縮めて! わからない振りをするにも知識がいるから、そのために勉強して!」
北原 そら(きたはら そら)「これをモチベに勉強している、こやつの末恐ろしさ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「お主はテスト期間をなんだと思ってるんだ」
園「風と勉強しちゃって、甘えちゃって、距離を縮めて~」
園「明日から、楽しみ~!!」
北原 そら(きたはら そら)「クラスの奴らにぶち転がされてしまえ」
〇教室
北原 そら(きたはら そら)(はたして、こやつの作戦が上手くいくか、見届けやろうじゃないか)
西條 園(さいじょう その)「ちなみに、風は、勉強どこまで進んでるの?」
東条 風(とうじょう ふう)「えっと、数学のワーク、1ページ・・・」
西條 園(さいじょう その)「うん!」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「うん・・・?」
東条 風(とうじょう ふう)「それしか進んで、ない・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・ねぇ、そら」
北原 そら(きたはら そら)「どうした」
西條 園(さいじょう その)「想像以上に風が勉強進んで無い・・・。 恋愛とか、言ってられないかも・・・」
北原 そら(きたはら そら)「当てが外れたな、ざまぁみろ」
〇女性の部屋
風「やばい、勉強、勉強しなきゃ・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あれ、なんか凄い真剣モードだね」
風「今日、園と一緒に勉強したけど、差が凄くて・・・」
風「これ以上、園の前で醜態を見せたくないっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「偉いっ! 応援してるっ!!」
風「早く、園と同じレベルにならないと・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園と同じレベル?」
風「うん、死ぬ気で頑張って、園と同じレベルになるっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あーっ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園、学年でも成績トップクラスだけど、大丈夫・・・?」
風「あぁ・・・」
風「よし、死ぬかぁぁぁあああ!!!!!!」
〇教室
試験当日
東条 風(とうじょう ふう)「うぁぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風、おはよ。 テストは大丈夫そう?」
東条 風(とうじょう ふう)「ぜんっぜんダメ・・・ 緊張しちゃって・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「大丈夫だって。 リラックス、リラックス!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ごめん、私も緊張で寝不足なの」
西條 園(さいじょう その)「風、おっはよー!」
北原 そら(きたはら そら)「めんどくさいテスト期間の終焉に、乾杯」
東条 風(とうじょう ふう)「園、どうしよ・・・、 そらの言う通り完敗しそう・・・」
北原 そら(きたはら そら)「その意味で言ったのでは無いが、 なんかすまない」
西條 園(さいじょう その)「大丈夫、あれだけ勉強したもん! 絶対に大丈夫っ!」
西條 園(さいじょう その)「でも、風が緊張しちゃうと思って、 私、これ作ってきたよ〜」
東条 風(とうじょう ふう)「ノート?」
西條 園(さいじょう その)「これに、一緒に勉強したことをまとめたから、テスト前に見てみて」
西條 園(さいじょう その)「多分、テスト前休憩ですぐ読めると思う!」
東条 風(とうじょう ふう)「え、私のために作ってくれたの!? ありがとうっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「よし、これで良い点、取るぞーっ!」
西條 園(さいじょう その)「おーっ!」
北原 そら(きたはら そら)「では、私から風にアドバイスを一つ。 今日の現代文だが・・・」
北原 そら(きたはら そら)「勉強してる人間が少ない! 平均点は低くなるから手を抜けるぞっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「なるほどっ!!」
西條 園(さいじょう その)「なにそのアドバイス・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) (そらのアドバイス、染みるぅ・・・)
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) (良かったぁ・・・。 緊張したけど、思ったよりも解けた・・・)
南沢 香(みなみさわ かおり) (これなら、きっちり平均点は超えそうかな)
南沢 香(みなみさわ かおり) (みんなは、どんな感じなんだろ・・・)
北原 そら(きたはら そら)(さて、現状の解答数は8割弱)
北原 そら(きたはら そら)(わからない所とミスを考慮しても平均点は行くだろう)
北原 そら(きたはら そら)(よし、寝るか)
西條 園(さいじょう その)(うん、いい感じ。 大体解けた、かな)
西條 園(さいじょう その)(あっ、そら、寝てる・・・。 もっとやる気出せばいいのに・・・)
西條 園(さいじょう その)(あとは、風だよね。 風、大丈夫かなぁ・・・)
東条 風(とうじょう ふう)(すごい、すごいすごい!)
東条 風(とうじょう ふう)(園と勉強した所、全部わかるっ!!)
東条 風(とうじょう ふう)(園と勉強して、本当に良かったぁ)
東条 風(とうじょう ふう)(でも、園と勉強した所以外、全部わからなぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!)
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「やっと終わった・・・」
西條 園(さいじょう その)「風、調子良さそうだねっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、なんとかなったかも!!」
東条 風(とうじょう ふう)「香は、大丈夫そう?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うん、そこそこかな。 爆死はしてないと思う」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「返って来るまではわからないけど・・・」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃんなら、大丈夫だって!」
北原 そら(きたはら そら)「私も、大丈夫そうだ」
西條 園(さいじょう その)「大丈夫っていうか、寝てたじゃん・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「え、そんな余裕あったの!?」
西條 園(さいじょう その)「余裕があるんじゃなくて、 やる気が無いだけなの、そらは」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、やっとテスト期間終わったー! 今日の夜は遊ぶぞぉぉおお!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私も、今日は溜まってたドラマでも見よっかな!」
北原 そら(きたはら そら)「お主、嬉しそうじゃないな」
西條 園(さいじょう その)「テストが終わったのは嬉しいけど、風と近づくチャンスも減っちゃうなーって」
北原 そら(きたはら そら)「そもそもテスト期間は恋愛する期間じゃないのだが」
〇教室
西條 園(さいじょう その)(良かった。 テストの点数、いい感じ)
東条 風(とうじょう ふう)「園ーっ!!」
西條 園(さいじょう その)「あ、風!」
東条 風(とうじょう ふう)「テストの点数なんだけどね・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「全部、赤点回避したーっ!!」
西條 園(さいじょう その)「やったね、風!! 風の頑張った成果だねっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「ううん、これも園に教えてもらったおかげ!」
東条 風(とうじょう ふう)「だから、今度一緒にどこか行こっ! お礼に何か奢るからっ!」
西條 園(さいじょう その)「え、嬉しい・・・」
北原 そら(きたはら そら)「やぁやぁ、そこそこ高得点の香君」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、オール平均点のそら」
北原 そら(きたはら そら)「何を眺めていたのだ?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いや、テストで気づかなかったけど、いつの間にか2人の距離が近づいていたんだなぁって」
北原 そら(きたはら そら)「あやつの作戦が上手くいったのは癪だが、確かに仲良くなってるな」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、2人でどこか行こうね、風っ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「え、香とそらは誘わないの?」
西條 園(さいじょう その)「あ、そういうこと・・・」
西條 園(さいじょう その)「ごめんごめん、4人でどこか行こっ!」
東条 風(とうじょう ふう)「うんっ!」
北原 そら(きたはら そら)「だが、惜しい所で上手くいかない園なのであった」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風、その解答、0点!」
エピソード9
「テストですとっ!?」
~ 完 ~
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「テストも終わったことだし・・・」
北原 そら(きたはら そら)「振り返りをするぞっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テストのだよねっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ミュージック、スタートっ!!」
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テスト期間の振り返り?」
北原 そら(きたはら そら)「そうだな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テスト終わったー!」
北原 そら(きたはら そら)「無事に終わってなにより」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「みんな、点数も良さそうだったし!」
北原 そら(きたはら そら)「確かに、誰も爆死していないな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それと、二人の距離、縮まってたよね!」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、あやつがアタックしていたからな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いよいよ、二人で遊びに行くのかな?」
北原 そら(きたはら そら)「さて、どうなることかな」
北原 そら(きたはら そら)「私達も相談の準備をしなければな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あぁ、忘れてた・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「次回、「またもや電話相談っ!!」」
北原 そら(きたはら そら)「乞うご期待」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「さぁ、帰りましょ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「テストの振り返りじゃなかった・・・」
4人それぞれの個性が表れたテスト結果に笑ってしまいました😊
それにしても、テストすらも戦略的手段にしてしまう園ちゃん……つよい💦
実のところ、風ちゃんがテスト結果で爆散し、その後の電話でも爆発する未来を想像してしまっていました😇
園さんのあざとさ、腹黒さに笑ってしまいました。テストまでも距離を縮めるネタにするとはww テストとその目標に対する4者4様の姿が見られて楽しいですね!