エピソード10 「またもや電話相談っ!!」(脚本)
〇学生の一人部屋
園「風は私のこと、あんまりなのかなぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「お主、今日は暗いな」
園「ほら、この前のテスト終わりに遊びに行こって誘ったでしょ?」
園「私は2人で遊びに行こうって言ったけど、風は4人でって言ったから・・・」
北原 そら(きたはら そら)「そういえば、そうだったな」
園「風、2人で遊ぶの、避けようとしてるのかな・・・」
北原 そら(きたはら そら)「考え過ぎな気もするが・・・」
園「でも、中学生の時だったら、男子はこれでデートに誘ってくれたけど・・・」
北原 そら(きたはら そら)「それは相手が中学生男子だからな 風は高校生女子だ」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、深く考え過ぎなくてもいいのでは。 風もそこまで深くは考えていないだろう」
園「そっかぁ・・・。うん、わかった」
〇女性の部屋
そら「・・・ということがあってだな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そっかぁ・・・。 園、そのことで悩んでたんだ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私から、風になんか言った方がいいかな?」
これは2人の問題だし、あまり深く入り込み過ぎるのも良くないのでは
南沢 香(みなみさわ かおり) 「だよねぇ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、簡単なアドバイスならいいよね?」
いや、別に必要無いとは思うけど・・・
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そっかぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃあ、私、何をすればいいかな・・・?」
そら「・・・わかった、今すぐに世話を焼いてきなさい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「うん、頑張る!」
そら「忘れてた、香は世話焦がし系女子だったな・・・」
〇木造の一人部屋
香「ってことがあってね。だから、風からも一言かけたらどうかなって・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「私、そこまで深く考えてなかったけど、園はそう思ってたんだ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「香、教えてくれてありがと! 頑張って園とお喋りして、誤解を解く!」
東条 風(とうじょう ふう)「き、緊張、するけど・・・」
香「あ、あんまり、無理はしなくていいからね! 私も、そらからの又聞きだし!」
東条 風(とうじょう ふう)「いや、頑張る、私、頑張るっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「緊張してきたぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
香「だ、大丈夫っ!?」
〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「そ、園!」
西條 園(さいじょう その)「あ、風! どうしたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「園、えっとね!」
東条 風(とうじょう ふう)「えっと・・・、あっと・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「明日の宿題って、なんだっけ・・・?」
西條 園(さいじょう その)「明日の宿題は、国語の感想文ぐらい?」
西條 園(さいじょう その)「宿題少ないから、夜はゆっくりできるよね!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そ、そうだね!」
部員「風~、部活、行こ~」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、う、うん! ごめん、園、また今度!」
西條 園(さいじょう その)「?」
〇女性の部屋
風「駄目だったぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あー・・・」
風「全然喋れなかった、何話せばいいかわからないぃぃぃぃいいいい!!!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) (毎日喋ってたのに、今更・・・?)
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ま、まぁまぁ、そういう日もあるって!」
風「毎日喋ってたのに、今更って感じしない!?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それは・・・、ちょっと思ったかも」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「で、でもほら、いつもは園の方から話してたから、仕方ないって!」
風「それでも、さぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「じゃあ、私も園と話すための話題を考えるから、それで頑張ろ!」
風「かおりぃぃぃぃいいいい!!!!
ありがどぅぅぅぅうううう!!!!」
〇学生の一人部屋
香「そんなわけだから、園との話題、教えてください!!」
北原 そら(きたはら そら)「香も、苦労してるのぅ」
北原 そら(きたはら そら)「別に構わないが、私に頼み事をするということは、わかっているな?」
香「報酬を渡さなきゃ、だっけ・・・」
香「今度、手作りお菓子を作るけど、どう!? ホールケーキまで可!!」
北原 そら(きたはら そら)「風のために、そこまでするのか」
北原 そら(きたはら そら)「話題なら、あやつは最近ドラマにはまっていてだな、水曜日の夜の・・・」
香「そっか、ありがとう! 風に伝えてくる!!」
北原 そら(きたはら そら)「後は・・・、そういえば」
北原 そら(きたはら そら)「あ、切れた」
北原 そら(きたはら そら)「なぜ、香が焦っているのだろう・・・」
〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「ねぇ、園!」
西條 園(さいじょう その)「あ、風、なに?」
東条 風(とうじょう ふう)「昨日、園が見てるって言ってた恋愛ドラマを見てみたんだけど・・・」
西條 園(さいじょう その)「あ、『私の知らない先輩の顔』っていうドラマ?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん、それ! 私、動画サイトで最新話まで追ってさ!」
西條 園(さいじょう その)「そうなんだ、いいね! 風は、面白かった?」
東条 風(とうじょう ふう)「よ、よくわかってないけど、なんか先輩がかっこいいなぁって思ったかな?」
西條 園(さいじょう その)「だよね! あのドラマの先輩のキャラ、いいよね!」
東条 風(とうじょう ふう)「園は、どうだった?」
西條 園(さいじょう その)「・・・風、風には嘘つきたくないから、正直に言っていい?」
東条 風(とうじょう ふう)「え? うん・・・」
西條 園(さいじょう その)「役者さんの演技は凄いんだけど、ストーリーがちょっと奇をてらい過ぎてよくわからないっていうか・・・」
西條 園(さいじょう その)「一話目から置いてけぼりになっちゃって、二話目はもうなんのことかさっぱりで。もっとシンプルにすればいいのに・・・」
西條 園(さいじょう その)「っていうか、あのヒロインの子の発言が許せないっ! 恋愛舐めてるの? って感じ!!」
西條 園(さいじょう その)「でも、あの先輩のキャラは凄くいいよね! 私、恋愛ドラマは大体見てるけど、それでもキュンってしちゃった!」
西條 園(さいじょう その)「ね、風!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、う、うん・・・」
〇女性の部屋
風「園がガチ過ぎてついて行けなかったぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それは、うん、仕方無いかも・・・」
風「ちょっと、恋愛ドラマ舐めてました・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いや、私もそのドラマは見たけど、そこまで感じなかったなぁ・・・」
風「やっぱり、もっと気楽に話せる話題が欲しいなぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私達の話題はもっぱら運動だから、園は興味無いだろうからねぇ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「わかった、私も情報集めてみる!!」
風「香、別にそこまで無理しなくても・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「大丈夫、任せて!!」
〇学生の一人部屋
香「というわけで、ホールケーキ2つで手を打たないっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「いや、胃もたれするからそんなにいらない」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、あやつは恋愛ドラマガチ勢だからな、スイッチを入れたら止められなくなる」
香「風なんて、恋愛ドラマそんなに見ないのに、無理させちゃったかなぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「別に、強制させられたわけじゃないから、大丈夫だろう」
香「私、全話見るようにほのめかしちゃった・・・」
北原 そら(きたはら そら)「結構、鬼だった」
北原 そら(きたはら そら)「話題なら、そこまで深く考えなくてもいいだろう」
香「え・・・?」
北原 そら(きたはら そら)「ほら、もう少しで炊事遠足がある。 その話をすればいいではないか」
香「あ、そっか!」
香「そら、ありがとっ!!」
北原 そら(きたはら そら)「まぁでも、炊事遠足の話は4人で話しても・・・」
北原 そら(きたはら そら)「また、切れた」
北原 そら(きたはら そら)「香は焦ると、人の話を聞かなくなるのか・・・」
〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「園っ!」
西條 園(さいじょう その)「風、なに?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、あの、今度の炊事遠足で・・・」
部員「風~、部活~」
東条 風(とうじょう ふう)「わ、え、えと・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「炊事遠足の日、話したいことがあるから! 2人で話そっ!!」
西條 園(さいじょう その)「え、な、なんだろ・・・///」
〇学生の一人部屋
香「それで、うまくいかなくてさぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「気にし過ぎだろう。 あやつは、別に落ち込んでいないぞ」
香「そう? ならいいんだけど・・・」
香「私も、もっとしっかりとしたアドバイスが出来れば良かったんだけど・・・」
北原 そら(きたはら そら)「十分、頑張ったと思うのだが。 わざわざ風のためにここまでして」
北原 そら(きたはら そら)「その心意気に免じて、ホールケーキ2個の報酬は免除してあげよう」
香「そ、そら、ありがと・・・」
香「って、私が凹んじゃ駄目だよね! 炊事遠足も近いんだし、楽しまないと!!」
北原 そら(きたはら そら)「そうだ、その意気、その意気」
香「そら、悩みを聞いてくれてありがとう。また、明日ね!」
北原 そら(きたはら そら)「うむ」
北原 そら(きたはら そら)(香も風も、そこまで深く考える必要は無いのだがな・・・)
北原 そら(きたはら そら)「あやつからか」
園「風が炊事遠足で2人きりで話したいって!! 話したいって!!!!」
園「しかも風、私の見てたドラマも見てくれて、幸せぇぇぇぇええええ!!!!!!!!」
北原 そら(きたはら そら)(こやつ、風と香の事情も知らずに、 はしゃいでいるからな・・・)
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、とりあえず・・・」
北原 そら(きたはら そら)「ホールケーキ2個分の金を払え」
園「なんでぇっ!?」
エピソード10
「またもや電話相談っ!!」
~ 完 ~
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「さて、散々電話もしたことだから・・・」
北原 そら(きたはら そら)「振り返りをするぞっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「現状把握のため、かなっ!?」
北原 そら(きたはら そら)「ミュージック、スタートっ!!」
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「「叫んじゃうほど愛おしい」 振り返りしまーす!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「今回は電話でいっぱい相談したね!」
北原 そら(きたはら そら)「うむ」
北原 そら(きたはら そら)「まさか、香があそこまで慌てるとは」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「急な相談で、慌てちゃって・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風、大丈夫だったかなぁ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「大丈夫ではあるが、問題もありそう」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、園は楽しそうであったがな」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そっか、なら良かった!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「これなら、遠足も楽しめそうだね!」
北原 そら(きたはら そら)「そのイベントの存在を忘れていた」
北原 そら(きたはら そら)「さて、何事も無く終わるだろうか・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それは、ちょっと難しいかもね」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「次回、「お待ちかねの遠足っ!!」」
北原 そら(きたはら そら)「乞うご期待」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「・・・・・・」
北原 そら(きたはら そら)「お勤めご苦労様」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「遠足の準備、しなきゃな~」
香さん、大暴走ww 「世話焦がし系女子」とは、まさに絶妙の表現ですね!
報酬のホールケーキ2つ、作るのも食べるのも………