1話完結(脚本)
〇大企業のオフィスビル
俺の名前は、吉川直輝
株式会社Interior Shopの、インテリアの企画・デザイン部門に所属している
株式会社Interior Shopは、インテリア・生活雑貨を取り扱い・販売している会社であり、
国内・国外の商品を輸入販売しているだけではなく、自分たちで企画・デザインもしている
俺は、インテリア・企画デザイン部門に、新入社員の時から、所属しているので、今年で4年目になる
4年間働いているので、仕事にもだいぶ慣れてきた
しかし、仕事は、順調だけど、恋愛の方は、そう上手くはいってくれない
俺は、社内に好きな女性がある
同期の谷崎佳菜子だ
谷崎佳菜子は、女性向け雑貨・企画デザイン部門に所属していて、
俺が、所属しているインテリア企画・デザイン部門チームとは、同じ階で、デスクも隣同士で働いている
俺は、谷崎佳菜子の事を、大学時代の就職活動の説明会の時から好きで、いわゆる一目惚れっていうやつだ
説明会の時から、佳菜子はインテリアや雑貨の仕事をしたいと思っていたようで、積極的に質問していた
その姿が、凛々しくかっこよかった。
面接の時、同じではなかったから、佳菜子は違う会社に就職したのだと思っていた
そのため、入社式の時に、見かけた時は、嬉しかった
佳菜子と俺の今の関係は、とても恋愛関係に発展するような中ではない
俺と佳菜子は、社内の中で、ライバル関係だと思われている
なぜ、ライバル関係になってしまったのか、話は、入社した時にまで、遡る
〇大会議室
4年前
会社に入社した頃の新人研修で、5人ずつチームを組んで、チームごとで、
新商品になりそうなインテリア・雑貨を企画・デザインし、発表することになった
その時、俺と佳菜子は、違うチームになった
俺は、この会社に入社したものの、元々そんなにインテリア・雑貨に特別に興味がある方ではなかった
一方、佳菜子は元々インテリアや雑貨に興味があった
直輝のチーム
直輝のチームは、大人しいメンバーが多く、面接の時に同じだった、「長谷川拓斗」と直輝がリーダーシップをとるチームだった
吉川直輝「なにか、アイデアがある人、いますか?」
同期
・・・
長谷川拓斗「老若男女問わない、商品が良いと思う」
長谷川拓斗「性別や年齢を絞っても良いとは思うけど、幅広い年齢に買ってもらえる商品を提案したほうがいいんじゃないかな?」
他のメンバー
そうだねと相づちをとったり、うなづいたりしている
吉川直輝「じゃあ、こういう商品が良いんじゃないかな」
直輝のチームは、紆余曲折ありながらも、何とかチームで手分けして商品の企画・デザインをしていった
一方、佳菜子のチームは、佳菜子と佳菜子の高校の時からの親友の「遠山詩織」がリーダーシップをとっていた
佳菜子のチームは、始めからチームのみんなが積極的に意見を言っていた
そして、発表の日
紆余曲折あった直輝のチームの方が、商品化しやすいと指導してくれていた先輩に言われた
その時、直輝は、驚いた
もちろん、自分のチームが企画・デザインしたものに自信はあったけど、
インテリア・雑貨の知識があまりない自分たちのチームより、
知識がある佳菜子のチームの方が、良い企画・デザインを出せていると思ったからだ
思えば、この時から、佳菜子となぜかライバルのような関係になってしまった
〇オフィスのフロア
こうして、4年たった今
佳菜子と顔を合わせれば、憎まれ口のようなことを言って、ちょっかいをかけてしまう
あまりにも、ちょっかいをかけているので、周囲には、俺が佳菜子のことが好きであることはバレバレだ
吉川直輝「谷崎、一緒に、お昼を食べに行かないか?」
谷崎佳菜子「(嫌そうな顔をしながら) なんで、吉川と食べに行かなきゃいけないわけ?」
吉川直輝「たまには、同期とお昼でも食べようかなぁって!」
谷崎佳菜子「たまにって、あんた、いつも誘ってくるわよね?」
直輝は、毎日のように佳菜子のことをお昼に誘っているが、毎回断られている
佳菜子は、普段こんな冷たい言い方はしないが、直輝だけには冷たくあたってしまう
直輝は、佳菜子が何回誘っても、断ってくるので、何回か言った後、諦めて自分のデスクに戻る
そのやりとりは、社内でも名物の光景なのであった
丁度、その一部始終を見ていた、直輝の親友で人事部所属の拓斗は、直輝のことをやれやれといった顔をして見ていた
〇一人部屋
直輝の部屋で直輝と拓斗が話をしている
直輝と拓斗は、お酒を飲みながら、今日お昼にあった出来事を話していた
長谷川拓斗「直輝、お前今日も、佳菜子ちゃんに断られてたな」
吉川直輝「拓斗、お前見てたのかよ」
長谷川拓斗「たまたま、企画・デザイン部門に用事があってな しかし、お前も懲りないやつだな 毎日言って、毎日断られてるのに」
吉川直輝「話しかけても、答えてはくれるから、嫌われているわけではないと思うけど」
長谷川拓斗「こうして、毎日断られてるのに、諦めようとは思わないわけ?」
吉川直輝「諦めようとは思わない 俺は、佳菜子のことが好きだからさ」
長谷川拓斗「ハハハ。 断言、出来るお前、すごいわ それが、佳菜子ちゃんにも伝わると良いのにな」
吉川直輝「どうしたら伝わるのか、わかんねえー」
〇女性の部屋
同時刻、佳菜子も親友の詩織と話していた
詩織は、佳菜子と同じ、女性向け雑貨・企画デザイン部門所属だ
遠山詩織「佳菜子、今日も吉川君の誘い、断ってたね!」
谷崎佳菜子「アイツ、毎日誘ってきて、いったい何なの?」
詩織は、直輝が佳菜子のことを好きなことを知っている
周りから見たら、バレバレなのに、佳菜子だけが、それを知らない
遠山詩織「佳菜子ももう少し、冷たくしないで、吉川君に優しくしてあげたら?」
谷崎佳菜子「吉川に? なんで?」
遠山詩織「あんなに、毎日誘ってくれるのに、毎回断っちゃうなんて、」
遠山詩織「見てるこっちは、少し吉川君のこと、可哀そうだなって、思っちゃうんだよね」
遠山詩織「それに、吉川君があんなに、毎日誘ってるのって、佳菜子だけだし」
遠山詩織「吉川君、あれでも後輩の女性社員から、すごく好かれているらしいよ」
谷崎佳菜子「アイツが!」
遠山詩織「そうだよ とりあえず、佳菜子はもう少し、吉川君に優しくしなね」
谷崎佳菜子「考えてみるわ」
〇オフィスのフロア
直輝は、佳菜子にどうしたら、気持ちが伝わるのか考えていた
急に、優しくするのも、気持ち悪い気がするし、だからといって、憎まれ口をたたいていては、何も変わらない
一歩、進むためには、態度を改めなければいけない
〇大企業のオフィスビル
この話は、直輝が佳菜子のことを振り向かせようとする話である
この後、何年間も掛かって、ようやく佳菜子を振り向かせることができる、直輝なのであった
おもしろかったです。
その後どうやって恋人同士になるのか、想像もつかないところがまた、興味をそそります!
大人同士の恋愛っていいですね。
最後はどうなるのかな、彼はどんな方法を使って、この恋を進めていくのでしょうか、気になります。ストーリーが楽しく仕上げられていて最後まで一気に読めました。
わぁ、かなこちゃんとつきあうことができて、おめでとう〜と主人公にまず言いたくなった。それにしても、どうやって振り向かせたのか、そこがやっぱり気になります。