The Heros

鈴木蓮

Episode4.拭えない記憶 Part1(脚本)

The Heros

鈴木蓮

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〇黒背景
アリス「や、やめろ!」
アリス「来るなぁぁ!!」
  いつになっても忘れられない・・・。
  拭えず、決して消えない記憶だった。
  今日の日にも、アリスは拭えない記憶に悩まされていた。
  今も忘れる事が出来ないまま・・・。

〇古めかしい和室
アリス「はっ!?」
  気が付けば、そこは布団の上。
  目を開けて、最初に映るのは暗い部屋の天井だった。
アリス「また、これか・・・」
  どこか呆れるかの様な口調で、アリスは諦め気に独り言を呟く。
  彼女にとってはトラウマだ。
  終わる事のない悪夢。
  かつての戦いで負った体の傷は癒えたが、心の傷はまだ完全に回復してはいなかった。
アリス「ちくしょう・・・・・・」
  いつまで経っても、過去を忘れる事の出来ない自分が嫌になった。
  何故忘れられない。
  いつまでも過去の出来事を何故引きずっている?
  忘れたいと思う程・・・。
  忘れる事は出来なかった。

〇古めかしい和室
アリス「また、なのか・・」
  まだ夜であるにも関わらず、悪夢から目覚めたアリスは、布団から飛び出した。
  布団から飛び出して、軽く身支度を整えた後。
  アリスは一人で考えていた。
アリス「どうすりゃ・・・」
  そして続きの独り言を言おうとした時だった。
リアン・ジュール「アリスさん!」
  艦内に敵の接近や、出現を知らせる警告音。
  その警告音が鳴り響くと同時に、リアがアリスの部屋に駆け込んで来た。
アリス「うぉ!? リア、どうした!?」
リアン・ジュール「今、街でバイクが暴走してるみたい。何かヤバそうだから、すぐに出撃だって!」
アリス「お、おう!!すぐ行くぜ!」
  しかし悪夢からまだ解放されていないとはあ言っても、それを誰かに縋って頼るなんて事は、彼女には出来なかった。
  多少の恐怖ぐらい、隠す事は簡単な話だ。
  表だけでも、強くあっていたかったアリスはいつものアリスでいることにした。

〇開けた高速道路
シャドウ「待ちやがれ!」
  シャドウ達は深夜の道で、爆走するバイクと苛烈なチェイスを繰り広げていた。
  シャドウ達は、一応最新鋭の装備を身に包むガーディアンズの戦士だ。
  シャドウ達はバイクや車のスピードにも劣らないブースターを各自装備していた。
  これのお陰で、生身で乗り物等に乗っていなくとも、車やバイクに追い付けるスピードを出す事が出来るのだ。
  無論、高度のGが体に負荷をかける事となってしまうのだが・・・。
シャドウ「クソ、公道でこんな飛ばしやがって!!」
リアン・ジュール「早く止めないと、街の人に被害が・・・!!」
グレンディ・ロメルデュアル「止まりなさい! 止まらないと撃つよ!」
  ブースターで、バイクを追いかける中でグレンはブースターで高速走行をしながらボウガンを構える。
シャドウ「おい、いい加減に・・・!!」
  シャドウは先行して、ブースターに負荷をかけながら更にスピードを上げ、バイクまで後一歩手前の所まで迫った。
シャドウ「おい、何でこんなに飛ばしてんだ? 取り敢えずヘルメット外してくれ」
  シャドウは、殆どバイクと並走出来る距離まで迫った。
  そしてバイクに跨がる人物は、シャドウに観念したのか遂にバイクのスピードを落とし、そのままバイクを停止させる。
  そして、バイクに跨がる人物はヘルメットを地面に捨てる勢いで外す。
  外が若干暗く、その素顔はよく見えない。
シャドウ「何故こんな事を、後何で急に止まった・・?」
Robber「そいつは簡単よ・・・」
Robber「くたばらせるなら、止まった方が早いのよ!」
  バイクから謎の人物が降り立った瞬間。
  安全だと思って近寄ったシャドウは迂闊だった。
シャドウ「ぐぁぁぁ!?」
  謎の人物が取り出したのは、スタンガンだった。
  殺気を見せない、完全な奇襲にシャドウは対応が間に合わなかった。
シャドウ「ぐぅぅ!!」
  スタンガンを受けたシャドウは、体から力が抜けていく感覚に陥り、そのまま地面に崩れる様にして倒れる。
  体が痺れ、全く思う様に動いてくれない。
  結局シャドウは、何も出来ずにそのまま
  地面に倒れた。
リアン・ジュール「シャドウ!」
グレンディ・ロメルデュアル「お前、何者だ!?」
Robber「賞金稼ぎのRobberよ。夜露死苦ぅ!」
  リアとグレンは、すぐさまシャドウを行動不能にした謎の女に向かい、それぞれの武器を向ける。
リアン・ジュール「よくもシャドウを!」
グレンディ・ロメルデュアル「少し痛い目でも見なさい!」
Robber「遅い!」
  リアはレールガンを。
  グレンはボウガンを同時に発射する。
グレンディ・ロメルデュアル「なっ!?」
  二人はそれぞれの武器を使用するも、Robberは有りえない程の高い身のこなしで二人の攻撃を軽く避ける。
Robber「あれ、ちゃんと狙った?」
グレンディ・ロメルデュアル「は、速い!」
リアン・ジュール「アリスさん!」
アリス「ああ、任せろ!」
  この場にいる味方は、グレンとリアだけではない。
  アリスや蒼一郎もいる。
アリス「誰だか知らんが、くたば・・・・・・」
アリス「え・・・・・・?」
  僅かに戸惑って、動きが鈍る。
  勢い良く、槍を振り上げたまではよかったが・・・。
  敵を前にして、捉えた瞬間、固まった氷の様にして、アリスの体が硬直してしまう。
Robber「あら、どうした・・・の!!」
  Robberに向かって、槍で攻撃しようとした瞬間。
  アリスの動きが一瞬だけ止まってしまう。
  その僅かな隙をRobberは見逃さなかった。
アリス「ぐはぁ!」
  打撃をRobberから受けたアリスは、吹き飛ばされる様にして倒れてしまう。
アリス「や、野郎!」
リアン・ジュール(今のアリスさん・・・。 何だか動きが鈍かった様な・・・)
Robber(もしかしたら、コイツは・・・)
アリス「こんくらいで!うぉぉぉぉ!」
  一発の打撃ぐらいに、アリスは怯む事はなかった。
  軽く吹き飛ばされたが、アリスは勇猛果敢にRobberへと槍を握り締めて向かっていく。
  しかし、その行動もまた愚行であった。
Robber「へっ、バカが・・・何も変わってない」
  次の瞬間、辺りを何も見えなくする程の濃い霧が覆い尽くす。
リアン・ジュール「え、煙幕?」
Robber「貴方は、材料としても使えそうね・・・」
  煙幕に覆われる中、Robberは素早くアリスの立つ場所を突き止める。
Robber「何処に目ぇ付けてんだよ!」
アリス「お、お前は・・・」
Robber「呆気ない・・・」
  最後に何かを感じたアリスであったが、誰も気が付かなかった。
  何にも気が付けぬまま、アリスは腹部を容赦なく殴打され、そのまま意識を失う。
Robber「ふふっ・・・」
リアン・ジュール「あれ、アリスさん?」
  煙の様な霧が晴れた時、そこにはもうサージェントの姿はなかった。
シャドウ「クソ、やられた・・・イテテ」
グレンディ・ロメルデュアル「シャドウ、今は安静にしてて!」
  無理にシャドウは体を起こそうとする。
  しかし、スタンガンで痺れた体を素早く、そして無理に起こす事は出来なかった。
リアン・ジュール「すぐにシャドウを助けないと・・・!!」
  結果として、シャドウは電撃により動かず。
  アリスはRobberと共に姿を消してしまったのだった。

〇集中治療室
シャドウ「クソ、油断した・・・」
武川蒼一郎「大丈夫かいな? まさかスタンガンでダウンとは・・・驚きや」
  シャドウは目覚めたら、ふかふかのベットの上に寝転がっていた。
  場所は恐らく、艦内の医務室だろう。
  シャドウは、そんなベットの上に一人寝転がっていた。
シャドウ「あ、アリスさんは!?」
  あの戦いの後、シャドウは結果を知らなかった。
  すぐにでも結果を知りたいシャドウは、無理やりに自分の体を起こそうとする。
シャドウ「イテ・・・」
武川蒼一郎「無理はやめとき。今は安静にしときや・・・」
  だが、傷付いた体はそう簡単には癒えてなかった。
  まだ体が痛む。思う様に動いてくれない、まるで縄で拘束されている様な気分だ。
武川蒼一郎「アリス、多分やけど連れてかれてしもうたっぽいわ・・・」
シャドウ「クソ、なら尚更・・・!!」
  仲間を見捨てるなんて事は是可否でもする事は出来ない。
  もし、敵に捕まったのなら絶対に助けなければならなかった。
武川蒼一郎「やめとき・・・。今負傷しとるアンタが行っても・・・・何も変わらん。 ここはボクに任せとき・・・」
  すると、座りながら容態を観察していた蒼一郎が突然、立ち上がり傍に置いていた刀を握り締める。
  本来なら、蒼一郎は戦術参謀と言う役職なので戦闘には参加しないはずなのだが・・・。
シャドウ「蒼一郎さん・・・」
武川蒼一郎「ここは代打で行ったります。ほな・・・」
武川蒼一郎「あ、リンゴ切っといたさかい。食べとき」
  そう言い残して、振り返る事もなく蒼一郎はシャドウを医務室に残して去っていった。
シャドウ「クソが、不甲斐、ない・・・」
  その言葉を最後に、シャドウは意識を失うかの様にして眠りに落ちてしまったのだった。

〇ビルの地下通路
武川蒼一郎「待ってるさかい、アリス・・・」
武川蒼一郎「今ぁ、助けたる・・・」

〇地下の部屋
アリス「・・・・・・」
アリス「な、ここは!?」
Robber「あら、お目覚め?」
  目を覚ますと、そこは暗い部屋の天井。
  光は皆無に等しく、薄暗くて不気味な空間だ。
  無論、武器も通信機器も手元にはなかった。
  そして体を起こそうにも、体を起こす事が出来ない。
  アリスの力なら、自立して起き上がるなど簡単な話なのだが・・・。
アリス「クソ、立て・・・ない!!」
  立ち上がろうにも、アリスの体は硬い麻縄によってきつく縛られていた。
Robber「無駄よ、簡単には解けないから・・・」
  ご丁寧に足まで縛っている為、逃げ出すのはかなり難しいと言える。
  今は、逃げ出すと言う選択は取らない方が良いかもしれないと思うぐらいだ。
アリス「お、お前は・・・」
Robber「サージェントの賞金稼ぎ。Robberよ、おひさね・・・」
アリス「賞金稼ぎRobber・・・何でまたお前が・・・」
Robber「こうやって捕まえたのはこれで二回目ね。 前から何も変わってない・・・情けないね」
  アリスとRobber。
  この二人には少なからず因縁が存在していた。
  アリスにとっては、忘れたくても忘れられない拭えぬ記憶であったのだが・・・。

〇基地の広場(瓦礫あり)
  ────三年前。
アリス「こちらアリス!押されてる!!」
  三年前、アリスはガーディアンズの一兵として、あの『終末戦争』の最前線で戦っていた経歴を持っていた。
アリス「たぁぁぁ!!」
  槍を得物とするアリスは、勇猛果敢に前線で力を振るっていた。
アリス「クソ、この防衛ラインはもうもたない!!」
  終末戦争、正にこの世の地獄と言っても差し違えなかった。
  今でこそ、世界は平和であったかもしれないがあの時の戦いは筆舌に尽くしがたい程であった。
アリス「クソ、離脱する!」
  アリスは崩れかけた壁に身を隠しながら、本部の方に連絡を入れる。
  この防衛線はもう持たないと判断し、アリスはこの戦線を離脱する事にした。
アリス「体制を立て直すしか・・・」
  身を屈めながら、敵の攻撃に当たらない様にして、アリスは戦場を駆け抜ける。
ミリアル「だ、誰か・・・助けて・・くっ!」
  離脱しようとした矢先、アリスの視線に突然、仲間の姿が映り込む。
アリス「アンタ、大丈夫か!?」
  防衛ラインを放棄して離脱をした直後、アリスは近くに負傷した仲間を見つけた。
アリス「しっかりしろ!」
  しかし、同じガーディアンズの仲間は負傷しており、体からは絶えず血が流れ続けていた。
ミリアル「あ、あなたは・・・確か『アリス』さん?」
アリス「あぁその通りだ。待ってろ、今運んでやるよ!!」
  負傷した仲間を置き去りになんて出来ない。
  アリスは負傷したミリアルの体を抱き抱える。
ミリアル「す、すいません・・・」
アリス「気にすんな。同じガーディアンズだろ?」
  彼女の体を抱き抱えたアリスは、すぐに戦線を離脱しようとする。
アリス「クソ、しつこい!」
  アリスは後ろを振り返りながら走った。
  後ろからは、絶えず離脱しようとするガーディアンズを殺害しようとサージェントが攻撃を仕掛けてくる。
  ミリアルを抱えながらの離脱は中々に骨の折れる行為だ。
  一人で走るより、圧倒的に時間の浪費をしてしまい、重さや道が舗装されていないので、相まって思う様に進めなかった。
アリス「仕方ねぇ、地下通路を使う!」
  この戦場には、奇襲用、脱出用、補給用の為に作られた地下通路が存在していた。
  ガーディアンズが掘っておいた秘密の通路の様な道だ。
  スライディングしながら、アリスはミリアルを抱えて地下通路へと飛び込んでいった・・・。

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