Xヒーロー

語り部

第7話 命の魔術師(脚本)

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〇ホストクラブ
  2021年 キャバレークラブ 仙境 崩落後メインフロア
紅色派の中国人「は···?フェードをXヒーローのメンバーに···?気でも触れたか?」
鸞「斎王···この愛国心の塊のような女をわざわざXヒーローに引き入れることもないだろう、どうしたんだ急に···」
斎王幽羅「紅色派が大々的にフェードを『捨てる』と言ったんだ、なら···Xヒーローが拾っても文句はないだろう?」
紅色派の中国人「はんっ、こいつは中国の為の死ぬよ。そういう女だからな」
  紅色派の中国人は懐からナイフを取り出しフェードの前に落とす。フェードはそれを手に取り自らの首に当てる
斎王幽羅「やめろ!!そんな事して何になるんだ、冷静になって考えてくれ!!」
  フェードは斎王の言葉を無視しナイフを引こうとする。その瞬間だった
紅色派の中国人「あばよフェード、『紅色派』にはもうお前は必要ねえ」
  その言葉を聞いた瞬間紅色派の中国人にナイフを投げつけ、環首刀で紅色派の中国人達を惨殺する。
  環首刀を突きつけフェードは口を開く。
フェード「斎王は間違っていたな。祖国は私を見捨てないし裏切らない、私を蔑ろにしたのは『紅色派』だ」
フェード「いかに紅色派が中国で強力な力を持っていようと、所詮それは『多数派』であって『総意』ではない」
フェード「私が身も心も捧げたのは中国であって紅色派ではない、残念だが私はXヒーローに加入し中国に奉仕し続ける。悪く思うな?」
紅色派の中国人「ふ、ふざけんな···!中国政権与党すら俺達は抱き込んでるんだぞ、中国では紅色派が法であり国そのものなんだよ!!」
  フェードはその言葉の全てを聞く前に言葉を残す。
フェード「ロンさんに伝えてくれ『フェードは紅色派と関わりを絶つ』ってな」
  だがそうはさせないと言わんばかりに警察達が前へ出る。当然のように銃を構えた警官達は徐々に間合いを詰めてくる
  斎王達は壁に追いやられるも斎王は鸞とフェードにアイコンタクトをし、それぞれが動き出す。
  警察達は斎王達に問答無用で発砲するも、斎王と凪園は共に壁の中へ潜り、フェードはグローブで次元の開口をこじ開け
  キングの手を繋ぎ次元の開口に入り、鸞は忍術で自らの体を雀の姿に変えその場から逃走を果たす。

〇怪しげな酒場
  数時間後 Xヒーロー ギルド内 メインフロア
斎王幽羅「な、何とか逃げきれた···というかここもやばいんじゃ···」
鸞「警察が敵に回った以上時間の問題だ、しかし逃げ場所もない。もう国外に行くしか···」
キング「つーかこいつ連れてきてどうすんだよ···ギルドマスターはお前だからこの場は誰も拒否しねえがよ···」
斎王幽羅「ご、ごめん···勢いで言っちゃって···なんも考えてなかった。どうしよう···」
キング「あのなぁ··· ··· ···」
  3人が話している中1匹のカラスがギルドに入り込みその場で鳴く。鸞は口パクで何かを伝えた後カラスは外へ飛んでいった
キング「カラスなんだって?」
鸞「警察がここに向かってきてる。幸い捜査隊らしいから人は少ないが、見つかれば一瞬で人数かけてここに攻めてくる」
斎王幽羅「やばっ···!ど、どうしよう···!」
  するとフェードは斎王達の前に出て環首刀を抜き構えをとる。
フェード「お前達は逃げろ、これは私から始まった事だ。私でケジメをつける···それで貸し借りなしだ。いいな···?」
  既に両脚を凪園に壊されているフェードは構えこそ取ってはいるがフラついていた。そんな彼女に斎王は肩を貸す
斎王幽羅「フェードはもう仲間だから、フェード1人を見捨てたりしないよ。皆もそうでしょ?」
  3人はそれぞれが別の反応をするも『嫌悪』を表に出すものはいなかった。フェードは不思議そうにしながら少し笑みを浮かべた
フェード「ふっ···你们这些白痴(馬鹿どもが)。さっきまで敵だった女を易々と信用するとは···で?次はどうする?ギルドマスター」
斎王幽羅「うーん··· ··· ···国外···?でも当てがないよ···それにそもそも殺された妊婦の赤ちゃんの行方探ってるのに」
  『そういえば』という顔を鸞とキングはしており凪園はヘラヘラ笑っていた。そんな中フェードが口を開く
フェード「殺した妊婦の赤ん坊は『アメリカに輸送』している。兵庫に居た時見た覚えがある」
鸞「『輸送』···?『搬送』ではなく···?」
フェード「『輸送』だ。紅色派は産まれる前の赤ん坊を『生死を問わずアメリカに輸送』しているんだよ」
斎王幽羅「一体なんの為にそんな事を···?」
フェード「そこまでは知らん。が···1つ覚えがあることがある」
フェード「赤ん坊を輸送している貨物船に度々『魔術協会』の人間が乗っているのを見た。お前らに魔術協会の知り合いはいないか?」
  魔術協会とは中世に行われた魔女狩りを回避するため表向きにはカトリック聖教における異端狩りをしていた組織である。
  しかしここで問題があった。それは···
鸞「『魔術協会は2年前本部が解体された。』以降アメリカ、イギリス、アイルランドの3カ国のみ魔術協会が存在するが···」
鸞「国連総会決議における『国際異能規制』により異能組織の完全撤廃を世界各国が承認。その先駆けで3カ国あった支部も4ヶ月前」
鸞「『解体』されたはず。魔術師という存在自体もう絶滅危惧種みたいなものになってるが···まだ居ると···?」
  そこで割って入った凪園が衝撃の一言をサラッと言う
凪園無頼「そーいや雷王跋会のキリトリ(借金回収)で魔術師いたー。キャバ好きのじじいだしまだ日本にいんじゃね?」
鸞「本当か···!?どこに···どこにいたか覚えてるか!!?」
凪園無頼「覚えてねーし。あー···でも確かきたねーボロクズに寝てた」
斎王幽羅「汚いボロクズ···?ダンボールハウスみたいな···?」
凪園無頼「そーそー、斎王よくわかったねー。ダンボールと汚ねー布切れとブルーシートだったー」
キング「よりによって魔術師がホームレスか。人間何があるかわかったもんじゃねえな···ちなみにそいつ歳わかるか?」
凪園無頼「しらねー。でも白髪じじいだし『60』とかじゃね?」
キング「斎王、鸞、フェード。お前らなんか心当たりねえか?」
鸞「··· ··· ···エンチャント魔導法士かもしれん。歳の割に部類の女好きだった覚えがある」
キング「じゃあそいつ探すか。神奈川でホームレス街と言えば···」
斎王幽羅「伊吹町だね。まぁ行く前に···フェードの脚治そっか。··· ··· ···どうすればいいんだろ?」
鸞「ひとまず俺が治す。皆は···ギルドの歴史資料でも見とけ」
  そして鸞はフェードの治療に当たり、3人はギルド内の歴史資料を読みながら時間を潰すのであった。

〇荒廃した街
  同時刻 神奈川県内 伊吹町 ホームレス街
ホームレス「おーいエンチャントさん、新聞持ってきたぞー。『いつもの』頼むわぁ」
エンチャント魔導法士「どれどれ···よし、今日の日付だな。じゃあほら出しな」
  するとホームレスは種を目の前の出す。エンチャントが手をかざすと魔法陣が現れ種が光り出す
  種は姿を変えじゃがいもに変化したところで発光が止まり、手に現れた魔法陣も消える。
ホームレス「いつも助かるよ。またなんか必要なら言ってくれや」
エンチャント魔導法士「いいってことだよ。さて···」
  新聞を開きその内容に目を通す。なんでもない記事ばかりを数十分眺めた後彼の目は止まる
エンチャント魔導法士「『灰色の悪魔とその仲間達、警官隊と衝突。原因は些細な因縁か?』ふん、文屋はどこの国でも変わらんな」
エンチャント魔導法士「えーと···自称Xヒーロー六代目マスター斎王幽羅率いる以下4名による警官隊との衝突。負傷者は多数で···銃痕も確認された」
エンチャント魔導法士「警察は今後鸞、キング、凪園無頼、フェードを指名手配として··· ··· ···ん?鸞···?鸞がわざわざ警察を殺すか?」
エンチャント魔導法士「それにキングってのが何かは知らんが雷王跋会の狂風とアジア最強の殺し屋も銃は使わんはず···」
エンチャント魔導法士「鳳凰と雷蔵とミンに話聞いてみるか。鳳凰のやつ『再誕』から大分時間経ったしボケてそうだな···帰りはキャバでも行くかな」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第8話 泥土

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