〇畳敷きの大広間
佐澄「あのっ、あの・・・」
佐澄「本日わたくしも次元を越えて「スチル閲覧」に参加できるとうかがいましたが」
佐澄「それはまことですか!?」
佐澄「そもそも、「スチル」とは??」
美織「その場の様子を次元の外から記録したもの、だそうですよ」
佐澄「記録・・・」
佐澄「ということは、次元を越えて晴景様と朱姫様のあれやこれやを・・・」
美織「佐澄様！お気を確かに！」
佐澄「ご、ごめんなさい、興奮しすぎましたわ」
佐澄「すー・・・はー・・・」
佐澄「お見苦しいところをお見せしましたが、もう大丈夫です」
佐澄「早く見ましょう、さぁ早く！」
佐澄「扉絵ですわね。 まさしく、運命の二人！」
佐澄「お二人の出会いですのね・・・ 恋に落ちた音が聞こえそうですわ！」
佐澄「為景様・・・苛烈な御方でした」
佐澄「・・・は？」
美織「佐澄様っ！」
佐澄「・・・だ」
佐澄「大丈夫よ。不意打ちだっただけ」
佐澄「うふふふふ、うふふふふふふ」
佐澄「次ですわ！」
佐澄「いえ、わたくしはいいから。次！」
佐澄「一兎ですか・・・」
佐澄「このとき、晴景様はやきもちをお焼きになったんですって？うふふ」
佐澄「桜丸様・・・胸が痛みます」
佐澄「まあ、この手紙。懐かしいこと」
佐澄「松葉・・・これは朱姫様が身を隠されていた、阿賀北ですね」
佐澄「ああ・・・この決別を宣告されるような再会は、つらかったですね」
佐澄「朱姫様・・・おつらそうな顔ばかり」
佐澄「晴景様と朱姫様、そして父とわたくしが敵味方に分かれた戦い。激戦でしたわね」
佐澄「待ってください、い、今のは」
佐澄「まま間違いありませんわ、これはわたくしが最も見たかった・・・」
佐澄「猿千代君をこしらえた夜うううう!!」
佐澄「も、もう一度よく見せt」
佐澄「・・・」
美織「佐澄様、鼻血が！」
佐澄「仰ーげばー尊ー死ー♪」
美織「佐澄様ーっ!!」

〇花模様2
　　しばらくお待ちください

〇畳敷きの大広間
佐澄「・・・」
佐澄「大変失礼いたしました。 再び参りましょう」
佐澄「あああっ、感動がよみがえります。 猿千代、なんと愛らしい・・・！」
佐澄「あっ、良いところへ！景直！」
椎名景直「な、なんですか、佐澄の母上」
佐澄「皆様、猿千代はこんなに立派に成長しましたよ」
椎名景直「はは、誰に言っているのです？」
佐澄「次元の向こうです」
椎名景直「はぁ・・・？」
椎名景直「佐澄の母上はいつまでもお可愛らしいですね」
佐澄「まあっ！そうかしら？」
椎名景直「では、私はこれで」
佐澄「景直って・・・景虎と仲良しなんですよね」
佐澄「最近はそちらの妄想も楽しい・・・」
美織「佐澄様、お二人とも形式上はご子息ですし、さすがにそれは節操がなさすぎでは」
佐澄「わたくしはやましい妄想とは言っておりませんわ！いかがわしいのは美織です！」
美織「えぇー・・・」
佐澄「さ、続きを見ますわよ！」
佐澄「まあ！まあまあまあ」
佐澄「この二人、よく下を向いていられますわね!?」
佐澄「わたくしは我慢なりません！ 上ぇっ！もうちょっと上を！」
佐澄「あああーーーーー!!! ありがとうございます!!」
佐澄「お二人とも幸せそう・・・」
佐澄「この暗殺未遂が決戦の火蓋となりましたね」
佐澄「ああっ！これはもしや、お二人の共同作業が成ったと噂の場面」
佐澄「為　景　入　刀　!!!」
美織「そんな、為景様を南蛮菓子みたいに・・・」
美織「凄惨な場面ですよ・・・？ 義理のお父様ですよ？」
佐澄「だから何です。わたくしは戦国の女です」
佐澄「推しを脅かすものは滅して当然です」
美織「強火すぎる・・・」
佐澄「わたくしを脅かす者がいれば？」
美織「問答無用で滅します!!」
佐澄「ね？」