第9話 告白(脚本)
〇幻想空間
コウル「女神見習い・・・。 エイリーンさんが?」
エイナール「驚くのも無理はありません」
エイナール「いきなり女神などと言われても 信じられないでしょう」
コウル「・・・」
コウル(でも確かに・・・)
コウル(ジンさんも言っていた。 回復魔法はこの世界にはないはずなのに)
コウル(エイリーンさんは僕の腕を 魔力で治療してくれた)
コウル(それにエイリーンさんの すごい魔力・・・)
コウル(それは女神だから・・・?)
コウル「・・・女神だということは信じます」
コウル「じゃあエイリーンさん。 なんでカーズと戦ったのかは?」
エイリーン「わたしは女神見習いとして、 この世界に危機をもたらすものである カーズを倒そうとしたのです」
エイリーン「結果は以前話したとおりですが・・・」
コウル「・・・」
コウル「じゃあ最後に。 エイリーンさんはここで力を授かる のですか?」
エイナール「それはもちろんです」
エイナール「ただそれにはコウル。 貴方の協力が不可欠です」
コウル「僕の・・・?」
エイナール「ええ。 ただまずは、エイリーン。 貴方から」
エイリーン「はい。 コウル様は少し待っていてください」
ワルキューレ「貴殿は客間に案内します」
ワルキューレ「こちらへ」
コウル「う、うん」
エルドリーン「あら、あなたが・・・」
コウル「・・・!」
コウル(なんだろう。見た目は違うのに エイリーンさんに雰囲気が似てる・・・)
エルドリーン「わたしはエルドリーン。 縁があったらまた会いましょう。 コウルさん?」
コウル「・・・彼女は?」
ワルキューレ「エルドリーン様。 エイリーン様と同じく女神見習いです」
ワルキューレ「・・・邪神見習いでもありますが」
コウル「えっ、邪神?」
ワルキューレ「邪神も神様です。問題はありません」
ワルキューレ「・・・おそらく」
コウル「おそらく!?」
ワルキューレ「コホン。 大丈夫です」
ワルキューレ「エイリーン様とエルドリーン様は 姉妹ですから」
コウル「え、ええっ!?」
コウル(姉妹、なのはいいけど 女神見習いで片方は邪神見習い?)
コウル「ちなみにどっちが姉?」
ワルキューレ「そこまでは我々は・・・」
〇空
エイナール「エイリーン、覚悟はできていますね?」
エイリーン「はい」
エイリーン「ですがコウル様は・・・」
エイナール「コウルを巻き込みたくないのですか?」
エイナール「しかし貴女一人ではカーズに勝てません」
エイリーン「それはわかっています。ただ・・・」
エイリーン「・・・」
エイナール「フフッ」
エイナール「大丈夫。 彼も同じ気持よ。きっと」
〇豪華なベッドルーム
コウル「『女神』 神属第三位に位置する神の一角」
コウル「主に一世界を見守り、 世界の危機に動く・・・か」
コウル「エイリーンさん、 すごい人だったんだな・・・」
コウル(そんなにすごい人と ここまで旅してきたのか・・・)
コウル「・・・」
コウル(少し横になろう・・・)
〇豪華なベッドルーム
???「──様」
コウル「・・・う・・・ん」
???「コウル様」
コウル「うん・・・」
コウル「エ、エイリーンさん?」
コウル(いつもの服も危ないけど、 もっと危ない服!)
エイリーン「コウル様は・・・」
エイリーン「・・・」
コウル「・・・」
コウル「エイリーンさん」
コウルはそっと
エイリーンを抱きしめる。
エイリーン「コ、コウル様!?」
コウル「好きです。エイリーンさん」
エイリーン「!」
エイリーン「わ・・・」
エイリーン「わたしもです。コウル様」
〇豪華なベッドルーム
コウル「と、ところで、 なんでそんな格好でここに?」
エイリーン「エイナール様が言っていた、 コウル様の協力・・・です」
コウル「え?」
エイリーン「わたしが力を得る方法。 エイナール様の修行もありますが もう1つあるんです」
エイリーン「それが『女神の契約』」
コウル「女神の・・・契約?」
エイリーン「2人の・・・その・・・ 愛しあう人と神が抱きしめあうことで できる契約です」
エイリーン「魔力が繋がり、契約した2人は より強大な力を行使できるようになります」
コウル「へえ。2人の・・・愛しあう人が 抱きしめあう・・・」
コウル「って、抱きしめあう? つまり・・・?」
エイリーン「はい。 契約は完了してしまいました」
コウル「・・・」
コウル「あはは・・・でもよかった。 エイリーンさんが同じ気持ちで」
エイリーン「はい」
コウル「それに・・・女神の契約って 抱きしめ合うだけでよかったよ」
エイリーン「?」
コウル「いや、もっとあんなことや こんなことをするのかと・・・」
「・・・」
コウル「ごめん・・・」
エイリーン「い、いえ・・・」
〇豪華なベッドルーム
コウル「お、おはよう。エイリーンさん」
エイリーン「おはようございます、コウル様」
コウル「ところで、その・・・ 契約したんだし、様付けはやめない?」
エイリーン「それならコウル様も さんをやめませんか?」
「・・・」
コウル「エイリーン」
エイリーン「コウル」
「・・・」
コウル「改めてよろしく。エイリーン」
エイリーン「こちらこそ。コウル」
エルドリーン「お二人さん。 そろそろいいかしら〜?」
コウル「うわあっ!?」
エイリーン「きゃあっ!?」
エイリーン「エ、エルドリーン。 驚かさないでください!」
エルドリーン「2人の空間にいるからよ!」
エルドリーン「エイナール様がお呼びよ。 早く行ってきたら?」
エイリーン「わかりました。 ありがとう、エルドリーン」
エルドリーン「・・・エイリーン、 そして・・・コウル」
〇幻想空間
エイナール「契約は無事済んだようですね」
エイリーン「はい」
エイナール「これで貴方たちは十分な力を得ました。 よって女神エイナールの許に命じます」
エイナール「カーズを倒す。または止めなさい」
「はい!」
エイナール「場所は南の大陸。遺跡の塔」
エイリーン「遺跡の塔・・・」
コウル「南の大陸って・・・」
エイリーン「はい。わたしたちが出会った 最初の大陸です」
エイナール「それと行く前に・・・」
コウル「これは・・・」
エイリーン「その服はエイナール様とわたしが 女神の力を込めて作ったものです」
エイリーン「薄着に見えますが、防御力抜群、 耐熱耐寒、様々な攻撃、呪いなどにも 強い万能の服です」
コウル「へえー」
エイナール「最後に、エイリーン。 聖剣の説明を」
エイリーン「はい。コウル。 貴方の思う強い剣をイメージしながら、 わたしに手をかざしてください」
コウル「・・・」
コウル「うわっ!?」
コウルのかざした右手には
宝珠などがきらめく、
大きめの剣が握られていた。
エイナール「契約者の力『女神聖剣』よ」
コウル「女神・・・聖剣」
エイリーン「コウルがわたしに手をかざせば その剣はいつでも現れます」
エイリーン「長時間使えるわけではないので、 あなたの思うタイミングで 使ってください」
エイナール「以上よ。行きなさい」
エイリーン「はい」
コウル「いってきます!」