Xヒーロー

語り部

第6話 外患(脚本)

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〇ホストクラブ
  2021年 神奈川県内 キャバレークラブ 仙境内
  フェードは自分が長年忠誠を誓った祖国中国に迷いを感じ、それを振り払う様に斎王達に襲いかかる
  粗い。今までのフェードでは考えられない粗さ、だがそれゆえ斎王達は攻撃を弾くことも避け切る事も困難になっていた。
凪園無頼「風のビート 『元寇一陣 スサノオ』!!」
  かつて神風と呼ばれた一陣の強風。そんな強風の一撃を凪園は放つもフェードは遂に次元の異能を使う。
フェード「現実を引き裂く!『ゲート・ディメンション』!!」
  手に持った環首刀で空間に裂け目を作りその中に入る。凪園の放った暴風の一撃も吸い込まれるように入ってしまう
  数秒の静寂が流れた後フェードが斎王達の後ろから次元の狭間と共に現れる。そして凪園の暴風の一撃が斎王達を襲う
キング「クソっ!城門障壁(ゲートウェイウォール)!!」
  キングが作り出した城門を彷彿とさせるバリケード、だがそのバリケードもすぐに破壊が始まる。なぜなら···
キング「クソが···!急だったからちゃんと『作れなかった』わりぃ!!」
鸞「凪園!!あの暴風もう1回できないか!!?」
凪園無頼「無理ー。呼吸整えんのに時間取られっしー」
キング「おい、もう持たねえぞ!!どうする!!?」
  瞬間斎王が3人に自分を掴むように指示し地面へ潜り込む。暴風は吹き荒れ周りは瓦礫と中国人達の死体だけであった。
  潜り込んでいた斎王達が地面から戻り周りを見ると絶句する。そして斎王は静かに怒りを覚えフェードに向けて声を荒らげる
斎王幽羅「この人達は···仲間じゃないのか!?それに関係の無いキャバ嬢まで巻き込んで···こんな事をあんたは本当にしたいのか!」
フェード「黙れ!!すべては祖国の為、たとえ何千何万の人が死のうと···どうでもいい!!」
フェード「それにこれはお前の仲間の『狂風』だ、私にその罪をなすり付けても事実は変わらん」
斎王幽羅「違う、これはお前の強風だフェード。その次元の裂け目の『出口』が現れた時お前は目の前の光景を見て一瞬だけ止まった」
斎王幽羅「お前のそのグローブの能力は入口を自在に作れても『出口はどこに出るかわからない』んじゃないのか?だから困惑で止まった」
斎王幽羅「もしかしたらキャバ嬢達を凪園の強風で巻き込んでしまうかも。と···そして強風と一緒に攻撃できたのにそれもしなかった」
斎王幽羅「お前のグローブの能力は『1箇所』のみしか使えない。だからその時開いてる次元の裂け目が閉じるまで待ちたかった」
斎王幽羅「でも待てなかった。キングの城門障壁は衝撃が強い、その衝撃で一体は瓦礫まみれになり今に至る」
斎王幽羅「あんたは気丈に振舞っているが本当は心のどこかで彼女達に『謝罪』している。あんたにはまだ人の心があるフェード」
斎王幽羅「頼む!!俺達に知ってることを教えてくれ···!!」
  斎王の口から紡がれた言の葉はフェードの深層に深く響いた。フェードは後悔の念を抱きつつもそれでも環首刀を斎王に突きつける
フェード「わかったような口を聞くな!私は···私は『叛逃者(脱北者)』だ!中国で拾われなければ飢えで死んでいた!!」
フェード「中国で拾われ殺し屋として育てられた、私は···私を救ってくれた中国に忠義を尽くすため存在する!他者の命なぞどうでもいい!」
フェード「なのに···なのにお前は···お前は···!!」
フェード「『私に祖国を疑え』と!他者を優先する民主主義的思想を植え付けようとする!!」
フェード「灰色恶魔(グレーデビル)が···!私は祖国に背を向けない、私は決して裏切らない!ここの場でお前の首を落とす!!」
「させるかァァァァァーッッ!!」
  環首刀を振りかぶり横一文字に斬りつけようとするフェードの一撃を防ごうと、キング達は走り出す
  しかしあと僅かの距離でフェードの環首刀が当たるその時、斎王はただフェードを見つめていた。
  あまりにも真っ直ぐで曇りのないその瞳にフェードの意思はほんの一瞬『揺らいだ』
  その『揺らぎ』が災いしフェードはキング達に抑えつけられる。
鸞「案の定あるな、自決用の服毒薬。猿轡もさせておこう、舌を噛み切って自決ってのも定番だ」
  忍者である鸞はテキパキと自前のロープで拘束しできる限り対自決処理を行い、そしてフェードに話しかける
鸞「お前との戦闘で時間を食った、警察もあと数分で来るから手短に聞くが『出産前の赤ん坊』使って紅色派は何してた?」
  鸞は猿轡を外しフェードに問い詰める。しかしフェードはにやっと笑い
フェード「你要回答吗、低等种族。(答えるものか、日本人)」
  そう返す。凪園はすぐにフェードの顔面を蹴りつけ瓦礫から鉄筋付きのコンクリを持ち上げ足に叩きつける。
凪園無頼「いいから黙って言えや、中国人。クズがイキってんじゃねえよ立場わかってんのか?」
鸞「やめろ、アジア最強の殺し屋だ、拷問を耐える訓練をやってるはずだ。自白させるならうちの一族の忍者で『絛』ってのがいてな」
鸞「寄生虫を操れる忍者なんだ、寄生虫操って相手の脳神経に埋め込んで無理やり自白させられる」
斎王幽羅「そ、それって生きてるよね···?終わったら死んでました。なんてないよね···?」
鸞「死んでるぞ。100%の確率でな、まぁ···当然だ。脳神経に寄生虫無理やり埋め込んで欲しい情報吐かせて、その後は寄生虫の餌」
鸞「当然だろ?」
キング「んなおっかねえことニコニコして言うなよ、お前んとこの忍者どうなってんだ···」
  しかしそうこうしている内に警察に周りを取り囲まれる。当然の様に紅色派の中国人もおり斎王達に銃を構える
警察「動くな、お前達は既に包囲している。そこの茶色ジャケット以外投降しろ」
キング「あぁ!!?なんで斎王だけ残すんだよ、まさか殺す気じゃねえだろうな!!?」
警察「『殺すさ』。グレーデイの当事者2人の血を引いてる悪魔、そいつが死ねば世界中が歓喜するさ」
警察「『あぁ、私達はようやくグレーデイの悪夢から醒めることが出来る』ってな」
  警察達が近づくも斎王の前にキングと鸞が立ちはだかる。
鸞「例え世界中が斎王を敵視していようとそれが理由で斎王が死んでいいわけが無い。ここは日本だ『法の下に平等』のはずだぞ?」
キング「もっとも俺は法が斎王を裁こうと最後まで斎王の味方だ、警察ってのは好きになれねぇんでな」
警察「お前達の意見は聞いてない、邪魔をするなら公務執行妨害並びに傷害、暴行、器物破損等々でお前らを逮捕する」
警察「俺の優しさに免じて『斎王幽羅の殺害』で許してやると言ってるんだ、素直になれ」
  警察のこの発言で凪園とキングは警察に攻撃しようとするも斎王は制止させ前へ出て口を開く
斎王幽羅「それで···それでいいなら俺を殺してもいい。だけどひとつ聞く···『キング達の安全を保障』してくれるのか?」
警察「我々警察は危害を加えない。ただ彼らはどうかな?紅色派の方々」
  警察は紅色派の中国人達に目をやる。すると中国人達は斎王の片膝を銃で撃ち、ケラケラと笑いながらフェードに銃口を向ける
フェード「なんの真似だ···私を···消す気か?」
紅色派の中国人「ロンさんから伝言だぜフェード」
紅色派の中国人「『中国の為よく働いた。お前は文字通り中国に身も心も捧げた偉大な愛国者だ 王 文青(ワン ウェイジー)』」
紅色派の中国人「『お前のおかげで中国は飛躍的に発展した、だが黒の歴史を葬る時期が来た。中国にもうお前は必要ない』」
紅色派の中国人「『偉大な愛国者フェード 王 文青。中国の為死んでくれ。』」
キング「最後の最後まで徹頭徹尾クズだな、紅色派。吐き気がするぜ」
鸞「自分たちのいいように利用するだけ利用して時が来ればお払い箱か。これは··· っ!おい、斎王無理に立とうとするな!!」
  膝を撃ち抜かれた斎王は鸞の肩を借り立ち上がり、紅色派の中国人達を睨みつける
斎王幽羅「なんで···なんで皆簡単に味方を切り捨てられるんだ!?人としての情は···あんたらには無いのか!?」
紅色派の中国人「はははっ!世界を混沌に陥れた能力者の血を引く悪魔に『人の情』を問われるとは。中国に帰ったら仲間に話さなきゃな」
  紅色派の中国人と警察達はヘラヘラと笑い、その場には異常な空気感が広がった。
  そして苛立ちを隠せない斎王はとんでもない一言を発する。
斎王幽羅「··· ··· ···アジア最強の殺し屋フェードは···今この瞬間から『Xヒーロー六代目メンバー』にする!!」
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第7話 命の魔術師

コメント

  • 楽しみにしておりました🙌
    フェードが六人目のメンバーに☺️今後もっとワクワクしそうですね🌟
    続きも楽しみにしております🎵

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